2011年05月12日

インタビュー7 ドナルド・パルンボ(コーラス・マスター)[メトロポリタン・オペラ(MET)]

世界一多忙といわれる、METの合唱団の秘密が分かります!

Q:METの合唱指揮者になってから何年経ちましたか。
― 3年前に就任しました。
それ以前は、シカゴのリリック・オペラに16年間勤めていました。

Q:この3年間で、METにはどのような特徴があると感じましたか。
― 一番の違いは、劇場のスケジュールだと思います。
METが1シーズンで26演目を上演すると、そのうち24演目には合唱が出演します。
シカゴでは1シーズンで約8演目を上演しますので、これは大きな違いです。
公演回数も大変多い上にリハーサルも一日に2回ありますから、少なくともシカゴより数倍は忙しいです。
私たち合唱のほか、オーケストラや大道具、衣装スタッフたちは全ての公演に関わりますので、ソリストたちよりも大忙しですよ(笑)

Q:オペラ・ハウスにとって、基礎をなす合唱の存在というのは非常に重要なお仕事ですよね。
― おっしゃる通り、大変な仕事です。
朝11時から夜の本番が終わるまでオペラ・ハウスにいます。
ソリストが午後のリハーサルに出て本番を迎えるのが通常ですが、合唱につてはリハーサルが朝と午後の2回あり、その日のリハーサルとは全く違う演目を夜の本番で歌うことがよくあります。
合唱のレパートリーとして5〜6つほどの演目を常に用意しておかなくてはならないので、それらを常に同時進行で練習しています。約80人からなる合唱団なのですが、1週間のうち4つの演目を7回上演する場合、ほとんどの団員がそれら全てに出演しています。
その全てを指導することが私の仕事です。私は、アンサンブルはお互いの協力が一番大事だと思っています。
ですから、このようなスケジュールで、長い時間を団員と共有することは、お互いのことを知り、理解を深めていくことができるため、演奏にとても良い影響を与えていると思います。

Q:合唱団のメンバーの年齢層を教えていただけますか。
― 皆さんの詳しい年齢は分かりませんが、メンバーの中には20〜30年ほどMETで歌っている方もいますし、若いメンバーにはMETが初めてという方もいます。
METでの仕事は若い方には難しいかもしれません。なぜなら、先ほどお話したように毎日のようにリハーサルと本番がありますので、声帯がよほど鍛えられていなければ、とても耐えられる仕事ではないからです。
ですから、若いメンバーといっても音楽学校を卒業してから訓練を積んだ方ばかりです。

Q:日本では学生などのアマチュアの合唱指導がとても盛んです。
一流の合唱指揮者であるパルンボさんに是非お聞きしたいのですが、合唱の指導において、一番大事なことは何でしょうか。
― 私としては、合唱のメンバーたち皆にソリストであるように歌って欲しいと思っています。
彼等自身が歌いたいように歌ってもらうことで、歌うことから喜びを得て欲しいのです。
それぞれの歌い方の良いところを採り上げながら素晴らしいものに仕上げていくことが、私の仕事だと思っています。
きっと、歌い方を強制してしまったら、歌うことから喜びを得ることができなくなってしまうでしょうし、完成度も低くなってしまうことでしょう。
楽しく歌うことが、一番重要です!

Q:日本では、一人ひとりが個性を出すよりも、均一でまとまりがあることが求められる事がよくあるので、「ソリストであるように歌う」というアドバイスは素晴らしいですね。
― そうですか。統一されることは最終的にはとても大事なことです。
ですが、最初は皆さんに自由に歌ってもらうことは、私にとっても喜びなのです。
絵で例えるなら、絵の具の色が少ないと選択肢がありませんが、たくさんの絵の具があれば、「ここではこれを使おう」という楽しみができるのです。
ですから、新しいメンバーを採用するときは、ニュートラル歌い方をする方ではなく、ユニークな声でMETに良い影響を与えてくれる方を採用します。サウンド・デザインのようなものですね。

Q:合唱について素晴らしい哲学をお持ちですが、パルンボさんはどこで学ばれたのでしょうか。
― 25年以上前ですが、私はスカラ座の合唱指揮者だったロベルト・ベナーリオさんの元で学びました。
彼はイタリアの伝統的な合唱の哲学をお持ちの方で、一番大事なのはサウンドであるという考え方を持っていました。
言葉の発音や、音が合っているかなど、正確さはもちろん大切なのですが、何よりも大事なのはユニークでインパクトのあるサウンドを作り出すことだという教えでした。私もその教えを引き継いで、ユニークなサウンドを作るよう心がけています。

Q:では次に、オーケストラの指揮者とのコミュニケーションについて教えて下さい。
まず、指揮者とは頻繁に話し合いをされるのですか。
― もちろん指揮者とはよく話し合いをしますよ。
ただ、合唱指揮の仕事は、指揮者が来る前に合唱の準備を終わらせておくことです。
複雑な曲の場合は前もって打合せをすることもあるのですが、大抵の場合は先に準備を進めますので、指揮者が来るまでどうなるか分からないというのは、ひとつの鍵です。
ですから、あらゆる要求に応えられるようにリハーサルでは様々な演奏方法を練習しています。
ひとつの演奏方法に固執せず、柔軟に演奏できることがとても大事なのです。
様々な考え方の指揮者がいらっしゃいますが、どの考え方も私にはとても良い影響を与えてくれます。
お互いの考え方を融合させながら完成させるので、私もメンバーも、そして指揮者にも学ぶことがとても多く、刺激になりますね。METには素晴らしい指揮者が沢山いらっしゃるので、成長するには最高の環境です。

Q:様々な指揮者と一緒に仕事をしていらっしゃいますね。
今、若手指揮者のなかで注目している指揮者はいらっしゃいますか。
― 良指揮者がたくさんいらっしゃいますが、一人だけ挙げるとしたら、ヤニク・ネゼ=セガンでしょうか。彼はMETで新しい「カルメン」を指揮したのですが、エネルギッシュで新しいアプローチを「カルメン」にもたらしました。
彼の指揮は本当にきちんとしていて、是非もう一度一緒に仕事をしたいと思います。

Q:来日公演では「ランメルモールのルチア」をジャナンドレア・ノセダが指揮をしますが、彼の印象を教えて下さい。
― 彼はとても合唱に対して協力的です。
私がMETにきて1年目に「戦争と平和」を上演した際に、彼が2回ほど指揮をしたのですが、リハーサルが無かったにも関わらず、合唱とのアンサンブルは非常にうまくいきました。
彼は、合唱について本当によく理解されている方なのだと思いました。


Q:パルンボさんも日本公演にはいらっしゃいますか。
― もちろん行きますよ、3公演ともに合唱が素晴らしいものばかりなので、楽しみにしていて下さい。

2011年05月11日

ファビオ・ルイジ 緊急インタビュー [メトロポリタン・オペラ(MET)]

ジェイムズ・レヴァインの代役として日本公演を担うことになったファビオ・ルイジに緊急インタビューを実施しました!
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Q. まず最初に、今回レヴァイン氏が来日できないことになり、ルイジさんにメトロポリタン・オペラ(Met)とともに日本公演を行って欲しい、という話を聞いた時のお気持ちを教えてください。

A. まず初めに、「大きな責任を背負うんだな。」という気持ちになりました。Metは、おそらく、現在世界でもっとも重要なオペラハウス、と言って差し支えないでしょう。そのことだけでも充分なプレッシャーですが、そこへ、マエストロ・レヴァインの代わりで、という“おまけ”がつきますから。
しかしまず、これは私にとって非常に光栄なことです。
さらに、行き先が日本なのです、私の大好きな国。また日本を訪れる機会に恵まれ、これは、嬉しいとしか言いようがありません!

Q. 今回の来日公演の演目は、《ラ・ボエーム》と《ドン・カルロ》ですね。《ドン・カルロ》は、まさにマエストロのMet・デビューを飾った作品だそうですが・・・
A. はい、2005年のことです。Metから「ぜひドン・カルロを」とのオファーをうけ、お引き受けいたしました。

Q. 当時をふり返ると、いま何を思い出しますか?
A. 非常に大切な思い出です、指揮者にとって、Met・デビューということの大きさを、どうかご想像ください。大きな体験でした。しかも、選ばれた演目がイタリアオペラの中でも最重要作品のひとつと評される、ヴェルディの《ドン・カルロ》だったのですよ。ああ、この2005年の仕事は本当に素晴らしいもので、舞台装置・効果の美しさを忘れたことはありまあせん。今でも心に焼きついています。

Q. ですが、もしMetデビューを飾るなら、ほんとうはこの作品でやりたかった・・・というような、いえ、大切な機会なだけに、なにか別の作品への思い入れなどはなかったんですか?
A. ありませんよ! 正真正銘《ドン・カルロ》でMetデビューできて幸せでした。たしかに《ドン・カルロ》は難曲です。重いし、長いし、指揮するほうは、心底大変なのです。けれど、だからこそ、挑む喜びがあります。そのような重要な作品でのオファーだったからこそ、引き受けたい!という気分もなおさら高揚したのです。

Q. そのときの印象を、オーケストラ、合唱、また、劇場のスタッフに関して、それぞれ覚えていたらお話しください。
A. もちろん、Metのオーケストラの評判は知っていました、一流の演奏家集団です。でも友に仕事をするのは2005年のそのときが初めてだったわけです・・・一緒にやってみて「ああ、評判の通りだ、世界最高だ。」と思いましたよ、本当に。そしてこの2005年の印象は、その後、何回ニューヨークに戻ってきても、変わりません。そのたびに彼らの高いレベルを再確認します。メトロポリタン・オペラのオーケストラは世界最高です。そしてここは、世界最高のオペラハウスです。
合唱団員たちに対しても同様です。たいへん積極的で、あらゆることに注意をむけるメンバーで、度量の大きな合唱団です。考え方も行動もとても柔軟です。反応が活き活きしていることにかけてはピカイチです。
彼らはみな、新しいもの、まだ自分たちが知らないものに強い興味を持つ人たちだと思います。彼らの最大の長所は「良いもの、って、なんだろう?」という視点をつねに持っていることでしょう。しかも、そこに余計な先入観がありません。ただね、音楽家は音楽家、世界共通で、アメリカとヨーロッパにあまり大きな違いはないと思います。日本の演奏家の方々もね、同様ですよ。ですが、あえて申せばMetのオケのよさは、高い技術水準でまとまった演奏家たちであること、気持ちが広く、音楽的理解力に優れていることですね。

Q. では、《劇場》という単位で比較したとき、マエストロも数々ご存知のヨーロッパ各地の劇場と、Metとの最大の違いは、なんですか?
A. 劇場のシステムそのものには、これといって違いはないのですが、やはりMetはその仕事の濃さが歴然と違います。なにしろ、1週間に7回もの公演を、シーズンを通してずっとやっているんですから! 年中無休のオペラハウスですよ、世界のほかの場所にはありません、こんなの!ニューヨークだけです。

Q. マエストロはMetに恋してしまったようですね? すっかり惚れ込んでしまって、ついに最近ニューヨークにお引っ越しをされた、と聞きました。
A. その通りです。でも、惚れた理由は複数あります。仕事がデキルだけでなく、性格もいいんですよ(笑)。メトロポリタン・オペラは、人をあたたかく迎え、ヒューマンな空気に溢れている場所です。そして風通しがいいんです。今まさに引っ越しの真っ最中なんですが、とても幸せです。2012年からはニューヨークとチューリヒの二つの場所が、私の仕事の本拠地となります。

Q.  ところで、今回指揮される《ラ・ボエーム》《ドン・カルロ》、どちらもストーリー中ではフランスに題材を取っているとはいえ、イタリアオペラのまさに代表作なわけです。これらのイタリア・グランド・オペラを指揮する際に、とくに難しい点、あるいはそれらを指揮する喜びは、どんなところにありますか?
A. まずわたしがイタリア人であること、自身の“根”がまさにイタリアという国にあることが、これらの作品を理解することの大きな助けとなります。同国人であるヴェルディ、そしてプッチーニと、その感情・感覚を分かち合うことができるからです。彼らがこれらの作品を書いたとき、彼らの心のうちに何があったのかを理解する手引きが“イタリア人の血”の中にあります。私はそれらの作品と“土壌を同じくする”のです。ですので、理解できない、という難しさはまったくありません。そしてさらに、演奏する喜びはひとしおです。

Q. マエストロは、音楽のお勉強も、また重要なキャリアも、そのかなりの部分をドイツ語圏の国で積み上げていらっしゃって、ゲルマンの風土にお詳しいし、馴染んでおられますね。そのようなご自身の半生を経ても“イタリアの血”は薄くはならないのですね?
A. なりません。少なくとも私は、そうならないと信じます。ある個人の人としての“根”は、シャツを毎日着替えるようには、変わったりしないもののはずだ、とね。流れる血の中に、魂の中に、精神の中に、永遠に宿ります。未知の環境にその後、身を置くことによって、視野が豊かなになることはあるでしょう。けれども、そんな経験さえも、奥底にある“根”をさらに際立たせる役割を果たすことになるのでしょう。確かにドイツ語圏での私の経歴は、長かったですし、大切なものでしたし、また音楽家の自分にとても役立つものでした。そのおかげで自分の人間性を深めることもできました。けれど、そのかわりに“根”が変わってしまったかというと・・・いいえ、そんなことはないのです。

Q. 《ラ・ボエーム》でミミを歌われるネトレプコさんとは、すでにご一緒にお仕事をされていますよね?
A. はい。彼女とはもう何回も共演してますし、いつもよい結果を得ています。オペラ公演、コンサート、そして一緒に収録したCDもあります。なにより、彼女自身が素晴らしい歌い手ですから、今回の《ラ・ボエーム》でも信頼して臨みます。

Q.  今回の演出はフランコ・ゼッフィレッリです。ゼッフィレッリ氏といえば、もはやオペラの世界では大御所中の大御所。このような大演出家の舞台を前に指揮されるお立場では、なにか難しい点はあるのでしょうか? 歯に衣着せずに伺いますが、やりづらいことはないですか?
A. やりづらい、という言い方は当たりません。マエストロ・ゼッフィレッリは、大演出家中の大演出家です、しかも、同世代の芸術家のうちで、お元気に活躍されているのはもう、彼だけです。私はやっと近年になって、ジェノヴァでの《道化師》上演に際して近しく知りあうことができましたが、驚くべき知識と、類い稀な感性との持ち主です。彼は人とよく話をし、けして気難しい人ではないです。考えてもみてください・・・あれだけの演出家です、そんな彼が生み出す作品に対して、畏敬の念を持つことすらあれ、やりづらい、とか、自分とは合わない、という異論を差し挟むことなど、ありえません。美的な観点からも、非の打ち所がないじゃありませんか。もちろん良くも悪くも、“伝統的”と評することはできます、けれども、彼の演出は、つねにストーリーを正確に語り、説明するものです。それは、作曲家の楽譜が語りたいところから外れたりはしません。ゼッフィレッリ氏の手が入ることで、それが正しく優雅に行なわれるのです。偉大な演出家以外の何者でもないですよ。
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Q. あまりにも素人的な質問だったかも知れません。ですが、オペラの上演を数々見てきますと、指揮者と演出家が、どちらも優れた芸術家であるがゆえに起こる、音楽と舞台との折り合いの悪さ、という話も、よく伺うものです。それが、よい意味での“せめぎ合い”に昇華されれば素晴らしいと思うのですが。
A.  おっしゃることにも一理あります。表現者であれば、誰もが自分のアイディアを持っています。私には私の発想、これはたしかにあります。他の人の意見とぶつかることもあるでしょう。けれども、それは、マエストロ・ゼッフィレッリのレベルでは話が違いますよ。私はこどもの時から彼の映画になじみ、彼のオペラの舞台に親しみ、つねに尊敬を捧げてきました。あんなに美しい作品群を産みだした方です・・・偉大です。

Q. さて、今回の来日公演ですが、いま、日本がこれだけ災害のダメージを受け、国民すべてが困難な心情にあるとき、あなたのような指揮者をお迎えできることを、私たちはほんとうに喜ばしく感じております。ですが、現実的な話として、今日本にいらっしゃることに、マエストロご自身は個人的にご心配はありませんか? 正直なところをお聞かせください。
A. 私の場合をお話しますと、まず、日本に親しい友人が少なからずおります。震災やその後の状況に関しては、そのような方々から直接ご報告をいただいておりましたので、日本に行く事にはなんの恐怖もありません。それよりも、それらの友人知己の日常について非常に心配しております。また、直接存じ上げない方々のお気持ちも、察すると、胸が痛みます。仕事関係で親しくしている皆様とは、どなたとももう長いおつきあいなので、お互いに情が湧いていますが、そんな皆さんがお心を痛めているということが、私にもいちばん辛いことです。
今、日本は国全体で大変な時期を乗り越えようとしていることを、私たちは知っています。地震と津波、それに続く福島の原子力発電所の状況・・・これら困難のただ中にあるときだからこそ、いま、我々が音楽を携えて日本に伺うことは、人の道にかなったことと信じます。音楽を生業とする我々が、自分たちの存在をみなさんの身近にお見せして、他には何もできないのだけれども、音楽を提供することだけはできる、という事実こそを表明したいと願うのです。それが少しでもみなさんの助けになることを信じて。

Q. そのお言葉を伺って安心いたしました。海外の報道などを拝見しますと、日本国内のそれに比べ、どうしても大筋だけの報道になってしまっているようです。ですので、マエストロはじめMetのみなさんが、事実への誤解から、不要な心配をお持ちではないかと気になっていました。
A. 心配無用です。正確な情報をいただいております。

Q. いままさにマエストロがおっしゃったように、音楽は、ときに奇跡を起こします。絶望にあえぐ人々に希望を与えることもしばしばです。マエストロは、ご自身の身に実際に起こったご経験として、このような“音楽が起こす奇跡”を味わったことがあおりですか?もしありましたら、ぜひ教えてください。
A. 私は、音楽が起こす奇跡は、ささやかなものも含め、私たちの日常で頻繁に起こっていると思うのです。そして、そこから救われるべき悲しみの瞬間、苦しい時期というのも、私たちの人生にはいろいろとあるものです。
私は、3年前に父を亡くしましたが・・・私自身にとって、とても苦しい体験でした。その父が晩年、重い病気と闘っていたときのことです。もはや余命数週間というころ、妻と、当時10歳だった私の息子とで、父の病院に見舞いに通っていた時期に、息子が電子ピアノのキーボードを持って父の病室に行きたいと言ったのです。息子はすでにピアノを習い始めていたのですが、知っていた楽曲のいくつかを、一生懸命、父の枕もとで弾いて聞かせました。僅かな音の小編が部屋の空気を満たしたときに、私たち一家が感じ取った喜びは、まさに“音楽の奇跡”でした。肉体の苦痛を耐え忍んでいた父の表情が、喜びの涙で満たされました。与えられた命のその最後のつらい時間のなかで、父は、おそらく、心が軽く高揚するような気分を味わったのでしょう。

Q. マエストロ・レヴァインの健康状態がすぐれない、ということで、私たちは心配しておりますが、けれども同時に、彼のピンチヒッターとしてマエストロ・ルイジに日本で再会できる、というニュースが舞い込み、また心踊る期待の日を過ごすことができています。もうまもなくの日本へのご到着を心からお待ちしていますね。どうぞ、お気をつけていらしてください。
A. ありがとうございます。私も、皆様との再会をとてもとても楽しみにしています。

Q. そして、このインタビューにお答えくださっているこの時間は、まさにMetの楽屋で、本日の公演にむけてご準備中の時間ですね。ご協力ありがとうございました。今夜のご成功をお祈り申し上げます。
A. 今日の演目は《ナクソス島のアリアドネ》です。よい演奏ができるよう、がんばりますよ。

(通訳:高橋美佐)


  
いよいよ来日間近!!『メトロポリタン・オペラ』2011
http://www.japanarts.co.jp/MET2011/

『ラ・ボエーム』
6月8日(水) 19:00 NHKホール
6月11日(土) 15:00 NHKホール
6月17日(金) 19:00 NHKホール
6月19日(日) 19:00 NHKホール

『ドン・カルロ』

6月10日(金) 18:00 NHKホール
6月15日(水) 18:00 NHKホール
6月18日(土) 15:00 NHKホール

『ランメルモールのルチア』

6月9日(木) 18:30 東京文化会館
6月12日(日) 15:00 東京文化会館
6月16日(木) 18:30 東京文化会館
6月19日(日) 12:00 東京文化会館

『MET管弦楽団 特別コンサート』 売切れ
6月14日(火)19:00 サントリーホール

掲載情報(女性誌HERS)[メトロポリタン・オペラ(MET)]

*2011年5月号『HERS』
長年、メトロポリタン・オペラを担当をしてきた弊社スタッフのインタビュー。
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2011年05月10日

掲載情報(ルネ・パーペ)[メトロポリタン・オペラ(MET)]

*2011年6月号『サライ』
「バスの黄金時代」と題してその魅力について話しています。
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2011年05月07日

メトロポリタン・オペラ 指揮者変更のお知らせ

音楽監督のジェイムズ・レヴァインは、現在治療中の背中の痛みによる体調不良により、医師のアドヴァイスに従い、5月15日から療養に入ることが、本日(5月7日)未明にメトロポリタン・オペラより発表されました。
従いまして6月の日本公演はやむなく降板することになり、代わりましてメトロポリタン・オペラの首席客演指揮者のファビオ・ルイジが「ラ・ボエーム」「ドン・カルロ」「特別コンサート」を指揮いたします。
日本でMetデビュー40周年を迎える予定だったジェイムズ・レヴァインの公演に、ご期待くださいました皆様には大変申し訳ございませんが、どうぞご理解賜りますよう、お願い申し上げます。

◆ 「ラ・ボエーム」NHKホール
6月4日(土)15時 愛知県芸術劇場 大ホール
6月8日(水)19時 NHKホール
6月11日(土)15時 NHKホール
6月17日(金)19時 NHKホール
6月19日(日)19時 NHKホール

◆「ドン・カルロ」
6月5日(日)15時 愛知県芸術劇場 大ホール
6月10日(金)18時NHKホール
6月15日(水)18時NHKホール
6月18日(土)15時NHKホール

◆「特別コンサート」 サントリーホール
6月14日(火)19時

◆「ランメルモールのルチア」
予定通り、ジャナンドレア・ノセダが指揮をいたします。
6月9日(木)18時30分 東京文化会館
6月12日(日)15時 東京文化会館
6月16日(木)18時30分 東京文化会館
6月19日(日)12時 東京文化会館

*なお、指揮者変更に伴う払い戻しはございませんので、どうぞご了承ください。

ファビオ・ルイジ Fabio Luisi プロフィール
Luisi.JPG1959年イタリアのジェノヴァ生まれ。
ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団芸術監督・首席指揮者(1995年〜2000年)、スイス・ロマンド管弦楽団音楽監督(1997年〜2002年)、ライプツィヒ放送交響楽団(中部ドイツ放送MDR響)芸術監督(1999年〜2007年)、ドレスデン国立歌劇場の音楽総監督および同歌劇場管弦楽団の首席指揮者(2007年〜2009年)を歴任。
現在ウィーン交響楽団の首席指揮者(2005年〜)、PMF(札幌)芸術監督(2010年〜)の任にある。
2012年よりチューリッヒ歌劇場音楽総監督に就任予定。
メトロポリタン・オペラには2005年に「ドン・カルロ」でデビューし、2010年よりメトロポリタン・オペラ首席客演指揮者に就任。今シーズンは「ラインの黄金」(レヴァインの代役)を、また「ナクソス島のアリアドネ」「リゴレット」を指揮し、次シーズンは「マノン」(新演出ネトレプコ、べチャワ主演)を予定している。
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2011年05月02日

Metアンドロイド専用日本公演アプリがリリース![メトロポリタン・オペラ(MET)]

日本公演の来日を記念してアンドロイド用アプリがリリースされました!
現在、Android Marketにてリリース中。近日、au one Marketでもリリースされます。
https://market.android.com/details?id=kddi.metjapan2011&feature=search_result

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公演日程、演目がすぐにチェックできます!
無料ですので、ぜひダウンロードください。


 

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『ラ・ボエーム』
6月8日(水) 19:00 NHKホール
6月11日(土) 15:00 NHKホール
6月17日(金) 19:00 NHKホール
6月19日(日) 19:00 NHKホール

『ドン・カルロ』

6月10日(金) 18:00 NHKホール
6月15日(水) 18:00 NHKホール
6月18日(土) 15:00 NHKホール

『ランメルモールのルチア』

6月9日(木) 18:30 東京文化会館
6月12日(日) 15:00 東京文化会館
6月16日(木) 18:30 東京文化会館
6月19日(日) 12:00 東京文化会館

『MET管弦楽団 特別コンサート』 売切れ
6月14日(火)19:00 サントリーホール

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インタビュー5 スザンナ・フィリップス(2)(ソプラノ)[メトロポリタン・オペラ(MET)]

スザンナ・フィリップスのインタビュー第2弾です。
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Q:指揮者について伺います。
レヴァインさんの指揮で歌うということはどういうことなのでしょうか?
―それについては本当に言葉でどうやって現したらいいのか分からないというのが私の本心です。
最初にレヴァインさんの指揮で歌えると聴いたとき、とてもじゃないけれど現実と思えなかったくらいです!彼に初めてお会いしたときの印象は、本当にあたたかく、音楽そのもので呼吸しているような方だなと思いました。
現実になるなんて、本当にただただエキサイティングに思っています!

Q:先日楽屋にお邪魔させていただいた際に、ちょっと例えが悪いんですが、野球で言うとホームランバッターが今まさにバッターボックスに入っていくというようなすごい気迫を感じたのですが、舞台に出て行くときのフィリップスさんの精神はどんな風になっているのですか?ある種のスイッチが入っているような、神がかり的な状態になっているように外からは見えたのですが?
―あははは!(笑)その例えすごくいいわ!本当にバッターボックスに入る前のあの瞬間にとても似ていると思います。
自分自身をすごく集中させなくてはいけないし、言ってみれば「ゾーン」にはまらなくてはいけないのです。
とにかく私がしていることは、人生って気が紛れてしまうことがたくさんあり、時に自分がいかにオペラを好きか、音楽を好きかということを忘れがちになってしまうことがあります。ですからこそ舞台に立つ前は今自分がやっていることは自分自身が本当にやりたいことなんだ、ということを自分自身が思い出すということがとても必要だと思っています。
そして、自分が楽しければきっと聴衆の皆様も楽しんでくれると信じています。ですからその「ゾーン」にはまり、今まで先生方にどのようなことを言われてきたか、自分が達成するためには何をしなくてはならないのかそういうことに意識を集中させます。まさにスポーツで言ったらゲームに入る前のような瞬間の集中力だと思います。

Q:先ほどレヴァインさんはアメリカ音楽のアイコン的存在とおっしゃっていましたが、たとえばヨーロッパのオペラと比べてアメリカのオペラ、METのオペラはどういうところが特徴や美点はどういうところですか?
―そうですね、全般的にアメリカのオペラハウスはヨーロッパよりも劇場そのものの規模が大きいと思います。そのことが結果的にどういうプロダクションになるかということに非常に大きな影響を与えていると思います。また、聴衆も良し悪しではなくて、全く異なっていると思います。さらにはオペラそのものの文化の中での位置づけも違いますね。
ヨーロッパのオペラハウスはより狭いと思います。ドイツのオペラハウスでは、前衛的でとんでもないプロダクションもあったりしますので、比べるのはとっても難しいことだと思います。しかしMETということになると、伝統的なものと前衛的なものの両方を楽しむことができる良さがあると最近とても感じられます。例えば、新しい「リング」のツィクルスですが、これは技術的な面でも非常に前衛的で、ライティングを駆使してある大きな機械が動くようなプロダクションもあれば、ラボエームのような美しい伝統的なオペラもあります。

Q:METのカウンシルオーディションに入って2005年に育成コースに入られたと伺いましたが、そのシステムについて
お聞かせください。スザンナさんにとっては良いことでしたか?
―オーディションは2005年ですが、METのプログラムではなくてシカゴの方のヤングプログラムに2005年から2年間行っておりました。
それは素晴らしいプログラムでした!
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Q:最近のスザンナさんはたくさんの役柄に挑戦していますが、今後取り組んでみたい役柄はありますか?
―そのチョイスは大変です!だって全てなんですもの!(笑)
例えば次に決まっている「ランメルモールのルチア」では何箇所か歌うシーンがあるのですが、どれも本当にチャレンジで、私自身の声楽的、演劇的な幅をすごく広げてくれると思っています。もちろん、『椿姫』のヴィオレッタなども歌ってみたいと思っています。また、これは本当に夢の夢かもしれませんし、もしかしたら私には歌えない役かもしれませんが、将来的には例えば『さまよえるオランダ人』のゼンタやR.シュトラウスの「ばらの騎士」の元帥夫人などもやってみたいと思っています。それからスザンナやツェルリーナなども歌いたいと思っています。

Q:でもスザンナさんはどんどん夢を叶えていますから、その日も遠くはないのでしょうね!
−そうね、頑張るから幸運を祈っててね!

Q:プーランクの「カルメル派修道女の対話」もありましたが、それもこれから取り組むのでしょうか?
―それはもう歌いましたよ!本当に感動的な歌ですよね!私はサンタフェに行く機会があったのですが、そこでちょうどカルメル会の修道院があり、そこの近くに行くと中から本当に歌っている声が聞こえてくるのです。私の頭の中ではオペラのストーリーが広がり、同時にその歌声が聞こえてきた瞬間は本当に感動的でした!

Q:好きな歌手、もしくは影響を受けた歌手はいらっしゃいますか?
―本当は長〜いリストになってしまうんですが、ジョーン・サザーランド、マリア・カラスや、他に現在も活躍していらっしゃって私はまだお会いしたことはないのですが、シュアル・イズコフスキーさんです!


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『ラ・ボエーム』
6月8日(水) 19:00 NHKホール
6月11日(土) 15:00 NHKホール
6月17日(金) 19:00 NHKホール
6月19日(日) 19:00 NHKホール

『ドン・カルロ』

6月10日(金) 18:00 NHKホール
6月15日(水) 18:00 NHKホール
6月18日(土) 15:00 NHKホール

『ランメルモールのルチア』

6月9日(木) 18:30 東京文化会館
6月12日(日) 15:00 東京文化会館
6月16日(木) 18:30 東京文化会館
6月19日(日) 12:00 東京文化会館

『MET管弦楽団 特別コンサート』 売切れ
6月14日(火)19:00 サントリーホール

2011年05月01日

朝日新聞、掲載情報[メトロポリタン・オペラ(MET)]

*2011年5月1日朝日新聞 朝刊 (Globe内)
公演情報は掲載されました。
110501asahi.jpg
※画像をクリックするとPDFで内容をご覧いただけます。

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