2009年03月12日

ヴェデルニコフ・レポートその2[ボリショイ・オペラ]

先日、NHK交響楽団定期公演を大成功させてたアレクサンドル・ヴェデルニコフ。
今回は音楽ジャーナリストの山田治生さんがレポートしてくださいました。
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 ボリショイ劇場音楽監督兼首席指揮者のアレクサンドル・ヴェデルニコフが、3月7日、NHK交響楽団のオーチャード定期に登場した。予定されていたヤープ・ヴァン・ズヴェーデンが健康上の理由により来日が不可能となり、急遽、ヴェデルニコフが代役を務めることになったのだ。
 ヴェデルニコフは、演奏会の2日前に成田空港に着き、そのままN響の練習場に向かったという。

 ヴェデルニコフは1964年生まれ。モスクワ音楽院で学ぶ。2001年、37歳の若さでボリショイ劇場の音楽監督に抜擢された。ミラノ・スカラ座、コヴェントガーデン王立歌劇場、パリ・オペラ座などの一流歌劇場に客演するほか、ロンドン・フィルやバイエルン放送響などのオーケストラも振っている。
 日本では93年に東京フィルに客演した。
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 当日のプログラムは、ハイドンのチェロ協奏曲第2番(チェロ独奏は石坂団十郎)とマーラーの交響曲第1番「巨人」。ヴェデルニコフは、ズヴェーデンが予定していたプログラムを変更しないで、そのまま受け継いだ。
 ロシアの指揮者だけに個性の強い濃厚なマーラーになるのかと思っていたが、音楽の流れが良く、意外とオーソドックな演奏だった。第1楽章では弱音での軽く淡い音色が印象に残った。一方、第4楽章の嵐のような強音は引き締まっていた。
 曲想によって、指揮棒を持ったり、持たなかったりの指揮だが、その音楽に曖昧さはない。代役とは思えない明確な音楽作り。メリハリもある。ヴェデルニコフがロシアの新しい世代を代表する指揮者の一人であることが実感された。終演後、突然の指揮者変更にいささか不安を感じていた満員の聴衆は、予想以上(?)の名演に、熱い喝采を贈り、舞台上ではN響のメンバーたちがピンチを救ったマエストロを讃えていた。ヴェデルニコフ&N響は、このオーチャードホールでの演奏会の後、広島、佐世保、大分への演奏旅行に出掛けた。

 ヴェデルニコフは、今回、既に決められていたドイツ系のプログラムを振って指揮者としての腕の確かさを日本の聴衆に印象付けたが、6月のボリショイ劇場を率いての来日公演では、十八番ともいえる「エフゲニー・オネーギン」を取り上げる。21世紀のロシア音楽界を担うマエストロの本領が聴けることだろう。
山田治生(音楽ジャーナリスト)

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posted by Japan Arts at 12:53 | ボリショイ・オペラ2009>NEWS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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