2009年06月25日

2/24「エフゲニー・オネーギン」初日レポート[ボリショイ・オペラ]

24日、「エフゲニー・オネーギン」初日は大成功のうちに幕を閉じました!
幕が開いた瞬間、絵のような美しい舞台に観客席からは感嘆の声が聞こえてきました。タチアーナ役のモノガローワの演技力には皆さん心を打たれたことでしょう。オネーギン役のスリムスキーも抜群の表現力で聴衆に訴えかけました。
またタチアーナの「手紙のアリア」、レンスキーやグレーミン公爵のアリアでは素晴らしい歌声を聴かせてくれました。
ボリショイ・オペラ来日公演は残すところ本日25日と26日の2日間となっております。
皆さまお見逃し、お聴き逃しのないように!

今回のプレ・トークは堀内修さん(音楽評論家)と「エフゲニー・オネーギン」の演出を手がけたチェルニャコフです。その内容を一部お届けします。
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堀内さん:ぎりぎりまで、リハーサルを繰り返していたとか。
チェルニャコフ:はい。私たちは最後の最後まで時間を使わせて頂いて、リハーサルを重ねてきました。まさに開演直前まで行っていました。
今回の「エフゲニー・オネーギン」は、私が演出してから3年経ちました。
劇場というのは生き物ですから、ほんのちょっと気を抜いてしまうと、元気がなくなってしまうので常に細かいディティールに至るまでをトレーニングや稽古を重ね、元気で生き生きとした公演を皆さんにご提供できるようにしています。ボリショイ劇場の最高の舞台をご披露できると思います!

堀内さん:これまでのお仕事について教えていただけますか。
チェルニャコフ:「エフゲニー・オネーギン」については私にとって初めてのオペラではありません。劇場では30回ぐらい上演しましたし、ラトビアやフランスでも上演しました。
ご質問のお答えですが、私は10年ぐらい前からオペラの演出を手がけていまして、作品数は16か17だったと思います。
ボリショイ劇場で手がけたものはストラヴィンスキーの「放蕩者のなりゆき」、プロコフィエフの「賭博師」、ムソルグスキーの「ホヴァーンシチナ」・「ボリス・ゴドゥノフ」、ショスタコーヴィチの「ムツェンスク郡のマクベス夫人」、リムスキー=コールサコフの「見えざる町キーテジと聖女フェヴローニャの物語」、手がけているものの多くはロシアの古典作品になります。
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堀内さん:
「エフゲニー・オネーギン」で1番共感した人物は誰ですか。
チェルニャコフ:できるだけ平等にえこひいきのないようにし、それぞれの登場人物を活かせるように心掛けています。
皆さんご存知の通り、タイトルに登場人物のオネーギンの名前がついています。しかし、一番重要な人物はヒロインである“タチアーナ”かもしれません。そいうところでは原作者のプーシキンと共感するところはあると思います。
そして1番叙情的で音楽的モチーフというのは“タチアーナに捧げられている”というふうに私は思います。この作品のオーケストラの序奏部分はまさにタチアーナの心を表している音楽だと思います。皆さんもその様にお感じになるのではないでしょうか。なので、そのような原作の特徴から目を逸らすことはできないと思っています。そして 序奏の音楽は劇中に何回も登場しますが、最後タチアーナが大人の女性へとなった時にはこの序奏がわずか1回しか登場してこないのです。
今回の演出について少しお話しますと、幕が開いてから音楽がなります。そして大勢いる中の少し離れたところにタチアーナがいます。団体と1人というすでにそこでタチアーナの孤独感を表しているのです。皆さんもそういったタチアーナの孤独感というのを感じられると思います。
実は舞台では大きなテーブルが真ん中に置かれていますけど、それはありふれた日常ではなく私が表現したかったのはロシアで親戚や親友が集まった時にどういう風に時間を楽しく過ごすかを皆さんにお見せしたかったのです。また、タチアーナが大勢いるテーブルに入れずにいて孤独を感じていたり、一人になった時にはそのテーブルに座ったり心を開いた時には近づいてたりする。また、後半にも大きなテーブルが置いてあるのですが前半とは全く違った意味をもっているのです。社会性も座っている人々も違っていてそこにタチアーナが居心地良く座っている、そいった彼女の変化をご覧頂けると思います。

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堀内さん:今日はありがとうございました。時間ですので、実際に皆さまにご覧いただきたいと思います。

公演後、タチアーナ役のモノガローワ。
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写真を頼むと快くOKしてくれました。
彼女はとても役に入り込んでしまうようで、終演後はとってもお疲れのよう、なのでインタビューはできませんでした。明後日も楽しみにしてますね!

<- おまけ - インタビューしました>
レンスキー役のドゥナーエフ。
婚約者に蔑まれ、ラーリナ夫人に頬を叩かれ、最後には友人に殺されてしまうレンスキー。
演技にしても頬が痛々しかったのですが、本人は「そりゃぁ、演技だからね!相手もプロだし、全然平気だよ!」と笑顔で答えてくれました。
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―本当に不幸なレンスキーですけど、この役についてどうお思いですか。
本当に不幸で悲劇的な存在ですね。最初から皆と離脱しているという事を強調されて描かれています。
でも、私はこの役が結構好きなんです。ただあまりにも多く演じているのでたまにはブレーキをかけなければ・・・と思っています。
―役になりきるために何か特別なことはしてますか。
特にしていませんが、その音楽をよく理解すること、あたりまえですが演出を理解することです。演出さえ納得できるものであれば後は自然に演技ができるのです。
すべての感情は音楽に含まれていますからそれをどうやって表現するか、という問題だけなんですね。 
終始、笑顔で「僕も日本語で話したいなぁ〜」と、とっても感じの良い人でした!

明日のプレ・トークは、本日インタビューに答えてくれたドゥナーエフと岸純信さん(オペラ研究家)をお迎えして17:55〜18:10に行います。

posted by Japan Arts at 13:24 | ボリショイ・オペラ2009>レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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