2009年09月17日

トリノ王立歌劇場総裁が記者会見を行いました。[トリノ王立歌劇場]

9/15 トリノ王立歌劇場の総裁、ヴァルター・ヴェルニャーノ氏が来日し、記者会見を行いました。
「本日は、お忙しい中このようにたくさんの皆さまにお集まり頂きましたことを、光栄に思います。この機会に私が総裁を務めておりますトリノ王立歌劇場につきまして、皆様にご紹介させて頂きます。
イタリアの各歌劇場の総裁の中で、最も長く総裁を務めているのが私なのです。と言っても私が一番年長という訳では無いのですよ・・・」と冗談を交えながらお話を始められた、ヴェルニャーノ総裁は、白髪が素敵なイタリア紳士でした。
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そしてトリノ王立歌劇場の歴史及び、トリノという町の素晴らしさを、この機会に皆様にぜひ知って頂きたい、と熱く語り始めました。
トリノの町は、2006年のトリノ・オリンピックで皆様にはようやく知られるようになったかと思いますが、まだまだ他の都市に比べて馴染みが無いかもしれません。
しかしその歴史は深く、都市国家イタリアが統一するに至った際の統一運動が起こった都市がトリノであり、最初にイタリアの首都となったのもトリノなのです。ローマ、フィレンチェ、ナポリとは全く違った特徴を持つ町で、1700年代に町全体が再建されたのですがその当時の町の建築様式がそのまま残っているのです。
トリノ王立歌劇場が建築されたのは1740年。当時2500席というヨーロッパ最大の収容人数を誇る劇場でした。イタリアで最も古い劇場はナポリのサン・カルロ劇場で、トリノの3年前の1737年に建設されました。現在皆様も良くご存じのミラノ・スカラ座劇場は、これよりもずっと後に建てられました。その後トリノ王立歌劇場はイタリアの歌劇場の中で重要な位置を占め、オペラの発展に貢献し続けてきました。
1800年代末にはアルトゥール・トスカニーニを音楽監督に迎え、プッチーニ「ラ・ボエーム」は1896年にトスカニーニの指揮により初演が行われました。この「ラ・ボエーム」を私達は初来日の日本での演目に入れさせて頂きました。
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1936年の大火でほとんど劇場は全焼し、第2次世界大戦でも大きな被害を受けましたが、1973年にモダンな建造物として再建されました。

私は総裁を務め始めてから10年以上になりますが、私が歌劇場を運営するにあたり最も重要と考えていることは、質の高いオペラの上演を行うことです。何故ならイタリアにとって音楽、歌劇場というのはまさに文化財であり、その文化財を未来に繋げていくことが私達の最も重要な務めだと思っています。
実際にそれを実現することは非常に大変なことですが、私達はその為に一歩一歩、積み重ねてきました。
私はピエモンテ州の人間ですが、ピエモンテ州の人間はイタリア人の中でも少し特殊な気質を持っていて、例えば家を建てる時には土台からしっかり、レンガを一個一個積み上げて建てて行くような気質を持っています。毎日長い時間をかけ決断したことを貫き通す、そして決断する時には、またその上に何かを積み上げる。ジャナンドレア・ノセダ氏を音楽監督に迎えたという決断もその一つでした。そして私達は、そのマエストロと共に自信を持って日本公演を行えるということになりました。
トリノ王立歌劇場は、現在非常に信頼の高い、上質の公演を行う劇場になりました。
過去10年間でイタリアの歌劇場には珍しく、一度もストライキによって上演を中止したことが無い劇場です。これはきっとイタリアの歌劇場の中でも記録的なものだと思います!

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私達は既に2015年までの予定が組まれています。このように前もって計画を立てられるということで、最高の演出家、指揮者、歌手が出演するオペラを制作することができ、最高キャスティングで最高の内容を持ってこられるということは、他に類をみないと誇っています。
今回も、フリットリ、アルバレス、ナタリー・デセイなど、必ず連れて参りますという形での演目が組めるというのは、長期に渡る計画が立てられてその予定を守る劇場だから。イタリアの最も素晴らしいオペラの傑作「ラ・ボエーム」と「椿姫」を最高のキャストで、最高にプレステージの高い演出で持ってこられるというのは、私達のこれらの長期の計画によって成り立っているのです。

私達は2009/2010のシーズンに「オペラは勝利するだろう(Opera Vincera/Opera will win)」というタイトルをつけました。過去に戦争や大変な時代の中でも、オペラは人々に前向きな気持ちを伝え人々の未来を明るいものにしてきました。オペラによって人々はその逆境を乗りきって行くだろう、そのような気持ちを込めて、このようなタイトルを付けました。オペラは人々が難しい世の中を生きて行く上での力になるだろうと、私達は確信しているのです。
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最後に質疑応答がありました。
Q.数ある有名な作品の中でも「椿姫」を今回の日本公演の演目に選んだ理由は?またトリノ王立歌劇場が演じる「椿姫」の魅力や特徴は?
A.理由は3つあります。1つはこの作品自体が傑作であること、2つめは演出家ローラン・ペリとナタリー・デセイという最高の組み合せが揃ったこと、そして3つめはこの「椿姫」が今までとは全く違う「椿姫」だと感じて頂けるということです。
この「椿姫」はサンタフェ・オペラ・フェスティヴァルとの共同制作で、今年の夏にサンタフェで初演されたのですが、この初演を見た時、私は本当に驚くと共にうっとりとしました。今まで数多くの「椿姫」をこれまで私は観てきましたが、こんなにうっとりするような「椿姫」は見たことがありませんでした。
あまりにも感激して、終演後にナタリー・デセイに「他の人がヴィオレッタをやるにはどうしたら良いの?」と聞いたところ、「このヴィオレッタは私だけのヴィオレッタよ。」とおっしゃいました。
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Q.ノセダ氏を音楽監督に選ばれた最大の決め手は?またその前のポストはどうなっていたのですか?
A.
ノセダ氏には、それまでも「ドン・ジョヴァンニ」やプロコフィエフの「修道院での結婚」を客演をして頂いたりお目にかかる機会があり、その中で尊敬と友情が芽生えました。非常に優秀な指揮者で、特に合唱を引っ張って行く力が素晴らしいと思いました。エネルギッシュでパワーがあり、彼の音楽をしっかり貫く指揮ができる方だと思っています。ノセダ氏が指揮をすると、オーケストラという楽器をノセダ氏が演奏しているかのような印象を与えます。ノセダ氏もトリノ王立歌劇場での仕事が非常に居心地が良いとおっしゃって下さったので、2年前に音楽監督をお願いすることになりました。
ノセダ氏以前の音楽監督は、しばらく空席でした。音楽監督というのは、非常にデリケートな役割なので、間違いなく適任だという方が現れるまでは決めないでおこうと思っておりました。そのような状況で満を持して、そして幸運なことにノセダ氏にお願いすることができました。

ぴあでも記者会見の模様をご覧になれます。

posted by Japan Arts at 17:56 | トリノ王立歌劇場2010>NEWS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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