2011年02月07日

ベルリオーズの大作!「トロイアの人々」[マリインスキー・オペラ]

berlioz.jpg 一度観てみたいと思いつつも、それが叶わないオペラがある。その代表的な例がベルリオーズの「トロイアの人々」であった。初演の時は一晩では上演出来ず、ベルリオーズが泣く泣く全体を2部に分けて上演したぐらいだ。ベルリオーズが最も力を入れた作品であるにも関わらず、上演に接する機会が極めて稀なのである。近年では1987年のリヨンにおいて第1部、第2部のフランス語完全初演が行われ、2003年のパリ・シャトレ座でも公演が行われた(一部カットがあったが)。その度に新聞紙面などでも大きな話題となるほどだ。
 有名なトロイア戦争と、破れた後のトロイアの人々を描く壮大な物語は、ベルリオーズの精緻なオーケストレーションによって、見事に現代に蘇る。ゲルギエフはこの大作を演奏会形式で昨年のカーネギーホールで上演した。そして今回の日本公演。たった1日だが、ついに生の音で「トロイアの人々」を聴く事が出来る。
 私はカーネギーホールの公演をチェックしていないので、ゲルギエフがどんな風に選曲をし、この重厚な作品をまとめあげたか分からないのだが、ともかく4時間ほどの公演になることは覚悟しなければならないだろう。しかし、この波乱万丈の物語を味わうのには、あっと言う間の時間かもしれない。
 ゲルギエフとマリインスキー劇場管による演奏は、常に完全燃焼だ。聴きどころ満載のこの作品では、特に管弦楽と合唱が大きな比重をしめているが、それもゲルギエフなら望むところだろう。歌手陣では将軍エネ(テノール)を歌うセミシュクール、預言者カサンドル(メゾ・ソプラノ)のフドレイ、カルタゴの女王ディドン(メゾ・ソプラノ)を歌うセメンチュクなど、ゲルギエフが信頼を置くマリインスキー劇場のスター歌手たちが並ぶ。会場はサントリーホールなので、オーケストラの作り出す音楽の魅力とこの歌手陣の歌声が圧倒的な力で迫ってくることだろう。
 この1日を逃すと、次に「トロイアの人々」に出会えるのはいつのことやら。そんな絶好の機会を逃す訳にはいかない。この歴史的な大作の真価に触れるのは今だ。

文:片桐卓也(音楽ライター)


≪マリインスキー・オペラ2011来日公演情報≫
トロイアの人々の詳細はこちら

[日程]
2011年2月12日(土) 16:00 東京文化会館 「影のない女」
2011年2月13日(日) 14:00 東京文化会館 「影のない女」
2011年2月14日(月) 18:30 サントリーホール 「トロイアの人々」日本初演!
2011年2月15日(火) 19:00 サントリーホール 「ワーグナーの夕べ」
2011年2月16日(水) 19:00 横浜みなとみらいホール 「ロシア音楽の夕べ」
2011年2月18日(金) 18:30 NHKホール 「トゥーランドット」
2011年2月19日(土) 14:00 NHKホール 「トゥーランドット」
2011年2月20日(日) 14:00 NHKホール 「トゥーランドット」
詳しい情報は公式ホームページへ
posted by Japan Arts at 16:38 | マリインスキー・オペラ2011>NEWS | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。