2011年02月12日

『影のない女』リハーサル・レポート[マリインスキー・オペラ]

公演初日の前日2月11日、東京文化会館にて「影のない女」の舞台稽古が行われました。
ジョナサン・ケントの演出は紗幕と映像を駆使した絶品の舞台!
_DSC0280.JPG
美しい絵画を一枚一枚めくるように場面が展開します。歌を邪魔することは決してなく、かつ視覚的にも絶妙な人物配置は熟達の演出家の真骨頂です。また超重量級の歌手5人を必要とすることから、世界でも上演頻度が低いこの作品ですが、マリインスキー劇場の歌手たちの充実ぶりは特筆すべきです。この演目を自前の歌手だけで上演してしまうのですから、この劇場のレベルの高さは驚愕もの。合唱や裏方音楽スタッフのレベルも最高レベル!さらに短時間でこの演出を理想の状態に仕上げてしまう我が国の舞台&照明スタッフの完璧な仕事ぶりには頭が下がると同時に誇りをも感じます。また日本語字幕はR.シュトラウスを専門とする広瀬大介氏の渾身の力作で作品を分かりやすくご紹介します。
近年、世界中の劇場で予算の縮小など様々な理由から、歌手たちが短時間の稽古で作品を舞台にかける傾向にありますが、本作品はマリインスキー劇場所属の歌手たちがじっくり腰を据えて入念に仕上げた作品。ゲルギエフが「絶対の自信を持ってのぞむ」と意気込む本作品にご期待下さい。
_DSC0297.JPG
<サイドから見ても美しい舞台>

_DSC0272.JPG
<客席からの合唱が効果的に使われています。>

_DSC0278.JPG
<来日を記念して作られたサインボード。出演者が次々にサインしていきます。>

【インタビュー】
エデム・ウメーロフ(バラク役:2/12、13両日出演)
_DSC0276.JPG
リハーサルの第1幕と第2幕の休憩中に聞きました。
Q:朗々と響きわたる素晴らしい声、そしてあなたの舞台姿を見ているとバラクの悲哀が溢れるばかりに伝わってきますが、どのようにこの役を準備されたのですか?
A:そう言っていただいてとても嬉しいです。この役を準備する上で気を付けていることは音とテキストの内容を吟味することです。もちろんテキストや原作も注意深く読みました。しかし何よりも譜面(音楽)が教えてくれることが多いです。譜面に委ねることにより自然にバラクの気持ちを伝えられると感じています。また自分の人生で体験したことも役立っています。例えば女性は何をやっても満足しない。指輪をプレゼントしたら、その場では喜ぶけれど、すぐに次のものが欲しいなどと言い出します。あなたにも分るでしょ(笑)。
この作品を勉強するには時間がとても時間がかかりました。最初はなかなか頭に入ってこなかったのです。しかし勉強を重ねているうち、ある瞬間から自然に頭に入ってくるようになり、そこからは覚えるのがとても速かったです。

エレーナ・ネベラ(皇后役:2/13出演)
_DSC0290.JPG
リハーサルの第2幕と第3幕の休憩中に聞きました。
Q:来日の経験は?
A:初めての来日です。ここにいることが出来て幸せです。これが最後の来日にならないことを祈っています。ただし来年は東京交響楽団のシェーンベルク「期待」で来日するのでまた日本に来ることが出来ます。(笑)

Q:ドルトムントの劇場をはじめドイツを中心に活躍されていますが、あなたにとってマリインスキー劇場とは?

A:ドルトムントはキャリアの初期の話で現在はフリーで活動しています。ボローニャやヴェネツィアのフェニーチェ劇場などにも出演しています。もちろんマリインスキー劇場にも何度も出演させていただいています。マリインスキー劇場は私にとって根本のような存在です。母国の劇場ですし、オーケストラ、歌手に最高レベルの素晴らしい音楽家が揃っています。マリインスキー劇場への出演は私を成長させてくれます。
_DSC0295.JPG
<出番前に役になりきって写真に応じてくれました>

Q:「影のない女」という作品と皇后役の魅力を教えてください。
A:この作品はあまり上演頻度の高くない作品ですが、私自身とても気に入っていたます。
皇后役は今の私の声にぴったりとあっています。私の持っている声の可能性を全て披露出来る役だと感じています。また最後に「自己を犠牲にする」というのも個人的に共感しています。日本でこの役を歌えることは本当に嬉しいです。
実はこの作品のもう一人のソプラノが歌う、影のない女役(バラクの妻)にも興味があります。今の私の声にはあっていませんが、将来は必ず歌ってみたいです。

公演初日、皇后役を歌うムラーダ・フドレイからもコメントをもらいました。(皇后役:2/12出演)
fotoN.Razina 046.JPG
Q:日本の聴衆やホールの印象をお聞かせください。
A:本当にどこのホールも素晴らしい響きで、歌いやすいです。
どこのホールで歌っても聴衆の皆さんはとても暖かい雰囲気ですね。

Q:来日は何回目ですか?
5回目です。今回、マリインスキー劇場と共に来日できて嬉しいです。

Q:今回の来日公演では「影のない女」の皇后、そして「トロイアの人々」でカサンドルという難しい役に挑戦されてますが。
A:そうですね。両方ともとてもやりがいのある難しい役ですね。特に「トロイアの人々」は今回コンサート形式なのでどのようになるか少し緊張していますが、素晴らしい演奏会になると思いますので期待していて下さい。
posted by Japan Arts at 00:55 | マリインスキー・オペラ2011>レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。