2011年02月28日

歌手インタビュー2:マリウシュ・クヴィエチェンのインタビュー[メトロポリタン・オペラ(MET)]

<歌手インタビュー>の2番手はマリウシュ・クヴィエチェン。
来日公演の特別コンサートはすでに売切れ!他に彼の歌声を聴けるのは「ラ・ボエーム」のマルチェッロ。
今最も輝いているバリトンのクヴィエチェンにご注目ください。
Kwiecien.jpg

Q:「ラ・ボエーム」ではマルチェッロという複雑な役柄を演じますが、どのような気持ちで取り組みますか?
― マルチェッロは素晴らしい役です。プッチーニの作品で僕が歌える貴重な役ですし、METで初めて歌った大きな役でもあり、非常に思い出深い作品だと感じています。マルチェッロは若く、そして情熱あふれる画家です。彼は絵を通して世界を変えようという大志を抱いていますが、それでいてムゼッタとの恋愛にふりまわされてもいます。ムゼッタとくっついたり、けんかをしたりして・・・。
この作品は“若さ”が最大のテーマであり、貧乏な芸術家たちの青春、という人生において特別な時期にある人間模様を描いている物語です。

Q:ゼッフィレッリ演出のこの作品は特別なものだと思いますが、いかがですか?
― 「ラ・ボエーム」という作品における、最高の“女王”と讃えても良いくらいの演出だと思っています。これ以上の「ラ・ボエーム」はありえないでしょう。とても伝統的ではあり、METでも広く愛されているプロダクションです。ご覧になったお客さまの多くは、ステージにあれだけたくさんの人がいること、素晴らしい衣装、豪華なセットなどに驚き、感動されるはずです。観れば観るたびに、感動するプロダクションだと思います。そしてご覧になっている方々が“ステージを見ている”のではなく、自分もその場面の中にいるように感じさせることができる、というところも素晴らしい。本当にこれ以上の「ラ・ボエーム」の演出というのはないのではないかと思っています。
先ほども申し上げましたが、このプロダクションは伝説的なもので、パヴァロッティ、フレーニ等もこの舞台で歌っていました。彼らがいなくなった後、その伝統を受け継いで演奏できることは素晴らしいことですし、名誉なことだと感じています。

Q:あなたにとって、見どころはどの場面ですか。
― マルチェッロという人物は、自分自身がどういう人間であるのかということに苦悩し続けます。そして、その答えは最後まで出ない・・・。もしかしたらミミが亡くなった場面で、若さというものの未熟さ、人生に対する自分自身の浅はかさを感じ、そこからマルチェッロは成長していくかもしれないのですが、それについては描かれていません。僕は、悲劇の最後のシーンでお客さんに何を感じてもらえるか、その余韻を深く感じてもらえるように幕が開いたときから演じ続けるのです。
と考えると、マルチェッロが仲間たちとクリスマスを祝い歌っている場面が、一瞬の若さがもつ華やかさが見られる場面であり、その後の哀しさをよりいっそうひきたたせる大切なシーンだと思っています。
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<「ラ・ボエーム」より>

Q:この演目を日本で演じることをどのように思いますか。
― 日本では2004年にロバート・カーセンの演出で同じ役を演じました。今回ミミ役のアンナ・ネトレプコはムゼッタ役で出演していました。今回の公演で素晴らしいのは、同じポーランド人、ピョートル・ベチャワがロドルフォ役で出演することです。僕たちは友人役で同じステージに立ちます。同じ作品の中でポーランド人が二人も出演する機会はなかなかないので、とても楽しみにしています。僕はよく「本当に音楽の好きな人、そして音楽を心から愛し、その気持ちを表現する人に会いたければ日本に行け!」と。日本の聴衆はそれほど素晴らしいと思っていますし、日本で演じることを楽しんでいます。

Q:ネトレプコさんと親交が深いと聞きますが、彼女はどのようなソプラノですか。
― 彼女は本当に素晴らしい歌手であり、女優であり、そして良き同僚です。彼女からはいつも大きなインスピレーションを受けます。同じスラブ語族圏の出身で、ロシア人とポーランド人ではありますが、私たちは文化を共有しているように感じます。音楽や歴史も共通しているので、本当に近隣の国という親しさを感じます。彼女は豪華客船のようですね!小さいボートでは荒れて、航海も困難ですが、大きな豪華客船は快適ですし、僕が投げかけたものを懐深く受けとめてくれる、彼女はそのような存在だと思っています。今回一緒に日本に行けることを楽しみにしていますし、今後も長く彼女と色々な作品で共演していきたいと思っています。ただひとつ残念なことは、僕とアンナの共演を、僕自身が客席で楽しむことができないことです!



メトロポリタン・オペラ 日本公演の詳細は下記より
http://www.japanarts.co.jp/MET2011/

『ラ・ボエーム』
6月8日(水) 19:00 NHKホール
6月11日(土) 15:00 NHKホール
6月17日(金) 19:00 NHKホール
6月19日(日) 19:00 NHKホール

『ドン・カルロ』

6月10日(金) 18:00 NHKホール
6月15日(水) 18:00 NHKホール
6月18日(土) 15:00 NHKホール

『ランメルモールのルチア』

6月9日(木) 18:30 東京文化会館
6月12日(日) 15:00 東京文化会館
6月16日(木) 18:30 東京文化会館
6月19日(日) 12:00 東京文化会館

『MET管弦楽団 特別コンサート』
6月14日(火)19:00 サントリーホール

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