2011年03月10日

インタビュー3安楽真理子(ハープ)[メトロポリタン・オペラ(MET)]

メトロポリタン歌劇場管弦楽団のハープ奏者、安楽真理子さんのインタビューです。
レヴァイン氏から信頼されるベテランのハープ奏者です。
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Q:METに入団して何年目になりましたか?

A:私は1995年に入団しましたので、今年で16年になります。

Q:では、もうオーケストラの中ではベテランですか?
A:それについてはあまり考えたことがないんですよ(笑)
私よりも長く在籍されている方はたくさんいらっしゃいますが、多くの方がリタイアされるなどしていますので、私が入団した頃のメンバーとは随分変わっています。

Q:安楽さんが入団された頃と比べてオーケストラに変化を感じますか。
A:そうですね、いい意味で変化を感じています。
例えば弦楽器では、私がジュリアードに在籍していた頃に一緒だった若い人や後輩達が次々と入団しており、彼等はとても優秀です。

Q:オーケストラのメンバーの出身地は、やはりニューヨークが中心なのでしょうか。
またはアメリカ全体や、外国からの人が多いのでしょうか?

A:世界中様々なところからメンバーが集まっていますね。
今ヴァイオリンには新しく入団された方がとても多いのですが、その中にはアメリカ育ちの韓国系の女性が多くいます。フルートで最近入団した方はカーティスを卒業したばかりの20歳くらいのイスラエル人ですし、新しいフルート首席2人はアイスランド人とロシア人です。新しく入団される方にはジュリアードやカーティスの卒業生など、アメリカで勉強した方が多いのですが、アメリカ人ばかりというわけではありません。
様々な人種が集まるニューヨークという町の縮図のようなオーケストラです。

Q:安楽さんから見て、ジェイムズ・レヴァイン氏はどのような指揮者ですか。
A:音楽だけではなく、すべてに対して気を配り、繊細で理知的で音楽に対してとても誠実な方だと思います。
色々な仕事に取り組み忙しくされていますが、どんなに忙しいときも周囲に気遣いを忘れない優しい方です。

Q:レヴァイン氏が考えている理想のオペラのオーケストラとはどのようなものだと考えますか?
A:彼がどのような理想を抱いているか、本当のところは分かりませんが、40年このオーケストラを率いてこられていますので、今のオーケストラは、彼の理想に近いものなのではないでしょうか。

Q:レヴァイン氏にかけられた言葉で印象的なものはありますか?
A:私は体調を崩して1年半程弾けなくなってしまった時期があったのですが、休養中や、復帰して間もない頃、偶然マエストロと顔をあわせることがあった際に「顔色が良くなってきたね」「元気そうだね」と必ず声を掛けて下さいました。長い会話ではなかったのですがとても印象的でした。

Q:来日公演の3演目には全てハープのパートが入っていますね。どちらの公演で演奏されるのですか。
A:今のところ「ランメルモールのルチア」と「ドン・カルロ」で演奏する予定です。

Q:3演目とも作曲家が異なりますね。曲中のハープの使い方から、作曲家の考えが伝わってくるかと思いますが、どうお考えですか。
A:どの作曲家もハープの特徴や音色、特殊な使い方をよく理解して作曲していることが分かります。
ヴェルディはハープを効果的に用いるために、鳴らす場所を良く選んでいます。ハープの音色が聴衆の感情にどのような影響をもたらすのかをよく分かっている作曲家なのでしょう。 
また、プッチーニは曲中にハープを多く用いるので、ハープ奏者にとっては演奏していて楽しい作曲家です。
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Q:確かに、先日「ラ・ボエーム」を2階正面席から聴きましたが、オーケストラの音とともにハープの音がよく聴こえ、その重要性をとても感じました。
A:そうでしたか、それは嬉しいです。
「ランメルモールのルチア」や「ドン・カルロ」などの作品では、ハープにソリスティックな演奏が求められる箇所がありますが、プッチーニの作品はハープとオーケストラとの音色の調和を大事にしている印象があります。ですから、演奏する際はオーケストラの音と混ざり合って聴こえるよう心がけています。

Q:ハープと言うと“天上” “神様” “お姫様” ・・・といったイメージがありますが、どう思いますか。
A:たしかに「ドン・カルロ」の曲中では、ハープの音色は“天上”のイメージとして使用されていますね。「仮面舞踏会」の後半も、そういったイメージを目的として用いられていると思います。

Q:では次に、来日公演の「ランメルモールのルチア」で指揮をされるジャナンドレア・ノセダ氏の印象をお聞かせ下さい。
A:彼は本当に素晴らしい方です。大好きな指揮者の一人です。
数年前、ゲルギエフ指揮で「戦争と平和」をMETで初めて上演した際、最後の1公演が彼の指揮でした。
その時の指揮は大変素晴らしく、彼が最初に振り始めたその瞬間からオーケストラの皆は感激していました。
大胆でスケールが大きいのに、とても繊細な気遣いをされていて、オーケストラ皆のことをよく考えて下さっていることが、指揮を通して伝わってきました。
彼が最初にMETでデビューされた際、今後もMETで振る機会が多くなればいいねとオーケストラの皆で話していたのですが、実際にその通りとなり皆で喜んでいます。

Photo by GION


 

メトロポリタン・オペラ 日本公演の詳細は下記より
http://www.japanarts.co.jp/MET2011/

『ラ・ボエーム』
6月8日(水) 19:00 NHKホール
6月11日(土) 15:00 NHKホール
6月17日(金) 19:00 NHKホール
6月19日(日) 19:00 NHKホール

『ドン・カルロ』

6月10日(金) 18:00 NHKホール
6月15日(水) 18:00 NHKホール
6月18日(土) 15:00 NHKホール

『ランメルモールのルチア』

6月9日(木) 18:30 東京文化会館
6月12日(日) 15:00 東京文化会館
6月16日(木) 18:30 東京文化会館
6月19日(日) 12:00 東京文化会館

『MET管弦楽団 特別コンサート』
6月14日(火)19:00 サントリーホール

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