2011年06月02日

名古屋公演「ラ・ボエーム」のリハーサル・レポート[メトロポリタン・オペラ(MET)]

6月1日「ラ・ボエーム」のドレス・リハーサルが行われました。
当日の朝、まずはこの作品に登場するロバ、そして馬が劇場に!
搬入口にスタッフがたくさん集まり、このビックスター(!)を見守ります。
優しい目をしたロバ、そしてみんなの顔を見るなり「ヒヒヒヒ〜ン」と声を披露した馬。
舞台を一周し、その雰囲気に慣れた後、小道具をつけてリハーサルに備えます。

そして午後からは、いよいよゲネプロ開始!
幕が開くと、そこはパリの屋根裏部屋。
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思い思いに夢を語る若者たちが、本当にいきいきとしています。

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ショナール役のエドワード・パークス(バリトン)、コリーネ役のジョン・レリエ(バス・バリトン)二人の低音歌手たちが、声の魅力たっぷり歌います。

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そして何と言っても素晴らしいのは、ロドルフォ役のピョートル・ベチャワと、ミミ役のバルバラ・フリットリのカップル。
二人が出会うシーンでは初々しく、恋に落ち二人で歌うアリアのハーモニーはふくよか。
声色を多彩に操り、その響きの中に感情までをも表現してしまう。
まさに声の魅力を満喫できる舞台。これぞオペラ!!と、ゲネプロなのにブラボーと拍手があがります。
第2幕は、やはりニューヨークの時と同様、幕が開くとともに、どこからともなく拍手が。

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約200名が舞台で歌い、踊り、演じる・・・まさに夢の舞台を実感するシーン。

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ムゼッタ役のスザンナ・フィリップスを乗せた馬車を引く馬が、少し脱線??するというハプニングが!
でもそんなことも、Metのスタッフはスムーズにささっと対応。
その間にも、マエストロ・ルイジはオーケストラとリハーサル。
豊かに弦楽器と管楽器の音が鳴り響き、グランド・オペラの醍醐味を感じさせます。

ここでも、主役陣の素晴らしさは変わらないのですが、ムゼッタ(フィリップス)とマルチェッロ役のマリウシュ・クヴィエチェンの演技がこの「ラ・ボエーム」の作品に深みをもたせます。
恋のさやあて!
若者たちの楽しさと、若い時代のはかなさが、この二人の演技でまさます印象づけられます。
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第3幕の雪のシーンでは、それまでの華やかさとはうってかわった静ひつで、しっとりと。
そのまま、最後のミミが絶命する悲劇へ・・・。

METはやっぱり凄い!
この言葉を実感させられたゲネプロでした。
ぜひ本物の舞台をお楽しみください!

〜カメラマン 三浦興一がみたMET〜
長年、METの日本公演を撮り続けてきた、カメラマンさんから。
中部国際空港で歓迎の花束を受け取る様子から感じとれたことでしたが、ボエームのチームはいつも陽気で楽しそうな、とにかく仲の良いチーム。
第一幕のリハーサルで、マエストロ・ルイジがオーケストラだけの練習を繰り返していると、ステージ上の歌手たちはジョークの応酬ではしゃいでいます。
例えば気を失ったミミを起こそうとするロドルフォは、水差しの水を頭から浴びせようとするし、ミミのフリットリはロドルフォがワイングラスを差し出すと、グラスではなくボトルをひったくって飲む真似をするというように、それはそれは楽しい舞台を勝手に繰り広げています。
にも関わらず、オーケストラが鳴り始めるや、涙なくしては見られないシーンにさっと戻ってしまう様子は、なるほど第一級のオペラ・カンパニーでトップの歌手たちというのは、これほどまでに余裕を持った人たちなのだと、圧倒されました。

METのスタッフのチームワークも最高!

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今日はロバとお馬さん、そして大勢の子供たちがリハーサルに加わりました。
ロバはパピニョールの馬車を引き、お馬さんはムゼッタが登場する時に乗って来る馬車を引いて登場するのですが、日本人調教師の方への指示から、大勢の児童合唱の子供たちへの立ち位置、動き、演技の指導まで、演出家のニースさん以下、見事なチームワークで広い舞台を縦横無尽に駆け回っていました。
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テキパキと短い時間内に大勢の登場人物を交通整理して行く様は見事。
カメラマンから見てもゼフィレッリ演出のカフェ・モミュスの場はまさに圧倒的な舞台。あのシーンを創り上げるということは、なるほどこれだけのチームとスタッフに恵まれているからこそできるのだと、納得させられました!
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ロバのハナちゃん。

Photo by 三浦興一

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