2009年06月27日

6/26「エフゲニー・オネーギン」最終日レポート[ボリショイ・オペラ]

全てのお客さま、スタッフとともに素晴らしい公演は、大成功のうちに幕を閉じることができました。本当にありがとうございました!
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<ロシアと日本の舞台スタッフの皆さんと記念撮影>
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<小さな共演者たち。ちゃんと演技もできてましたね!>

そして最終日も大変盛り上がり、開演前にはなんとマエストロがプレ・トークに登場してくださいました。その様子をお届けします。
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ひのさん:今回、ボリショイ劇場は1995年以来、14年ぶりの来日ですが、その頃のロシアというのは国の体制が生まれ変わって、激動の時期だったと思います。その時、ヴェデルニコフさんは何をなさっていらっしゃいましたか? どのような立場にいらっしゃったのでしょう?
ヴェデルニコフ:まずは皆さま、こんばんは。 ボリショイ劇場のメンバー一同、今宵、この素晴らしい東京文化会館でオペラを演奏できることを本当に嬉しく思っております。
さて、私自身のことですが、モスクワ音楽院を卒業いたしまして、すぐにスタニスラフ・ダンチェンコ・モスクワ音楽アカデミー音楽劇場に入りました。その後、つい最近も日本に来日しておりましたモスクワ放送交響楽団でマエストロ・フェドセーエフのアシスタントを務めさせていただきました。その後、実は、1995年にロシア・フィルハーモニー交響楽団を創設し、そちらで指揮の活動をしておりました。その後、オランダで仕事をしておりましたが、2001年からボリショイ・オペラの音楽監督・首席指揮者に就任いたしました。

ひのさん:ボリショイ劇場はロシアを代表する大劇場ですね。総勢2300名の人員を抱える大きな機関ですが、2001年当時、37歳という若さで音楽監督として招かれた時、そのような機関で働く事への迷いは無かったのでしょうか?
ヴェデルニコフ:実は、私の父親は40年近くボリショイ劇場のオペラ・ソリストとして働いておりましたので、小さい頃から私にとりまして、ボリショイ劇場はとても身近な存在でした。学生の頃も本当にたくさんの演目も見に行きましたし、演奏会を聴きに劇場にもよく通いました。ですから、ボリショイ劇場は私にとりまして決して遠い存在ではなかったのです。
音楽監督というご提案をいただきました時、ボリショイ劇場の複雑な内部機構も知っておりましたし、複雑で大変な仕事になるであろう事を感じておりました。若干迷いはありましたが、ロシアを代表するボリショイ劇場に変革をもたらさなければならないと感じていた矢先でしたので、私がその変革をもたらす指名をもらったのだ、チャンスではないか!と考え音楽監督のお話を承諾いたしました。
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ひのさん:そしてマエストロはボリショイ劇場に乗り込み、様々な変革をされたわけですが、そのたくさんの改革の中で一番大変だったことはどのような事でしょうか?
ヴェデルニコフ:自分の成し遂げた事を自らの口で語るのは難しいですね・・・。むしろ、ボリショイ劇場の変化を感じやすい観客のみなさん、私の同僚たちから意見を聞くのが無難なのかもしれませんが、あえて客観的にお話させていただくと、そうですね、私が「なかなかうまくいった」と思ったことは合唱団とオーケストラの変革です。「平均年齢」「モチベーション」「質」を変えることができました。そして私がとても大切な事だと思いましたのは、ボリショイ劇場をオープンにするということです。それはどういう事かと言いますと、共同演出を制作する、他の劇場からの指揮者、ソリストの起用などを通し、他の劇場とより協力関係を固めるという事です。
ひのさん:そのようなマエストロの改革成果というのは、今回の来日公演でも見事な実りを結んでおりますね。先週の「スペードの女王」の公演でも「さすがボリショイ劇場だ!」という声がたくさん聞こえてきました。そして、本日の「エフゲニー・オネーギン」もマエストロの改革成果が表れておりますね。チャイコフスキーが望んだ通り、若い主役達による若々しい公演といえますね。そして、演出が、チェルニャコフさんという斬新な演出が話題となっている演出家ですよね。マエストロには、今夜の「エフゲニー・オネーギン」の特徴、あるいは魅力をご紹介していただきたいのですが。
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ヴェデルニコフ:今回の「エフゲニー・オネーギン」の演出は、日本の観客の皆様にはとても斬新に映ることと存じます。ボリショイ劇場で「オネーギン」が上演されていることは皆様もご存知だったと思います。しかし、皆様にお馴染みの演出は1944年の演出。昔から上演されてきた伝統的な演出です。そして私たちのチェルニコフ版ですが、モスクワで初演を迎えその後何回か上演されたのですが、賛否両論でした。このような新しいものが議論の対象となることは、ごく当たり前のことですが、それだけ注目されたということだと考えております。
今日ご覧いただきますので、あまり詳しくはお話いたしませんが・・・一言お話させていただきますと、私達の「オネーギン」は非常に深く、細かい、現代的な演出です。色んな人が登場してまいりますが、一人として無駄な人間、登場人物は居ないのです。ひとりにひとりに皆様が共感されると思います。私が思います、この演出で一番重要だと思うことは、社会には多数派、少数派がいるということです。つまり、社会があり、その中に溶け込めない孤独な人々がいるということ。それが、非常によくあらわされていると思います。タチアーナやレンスキーは、まさにその少数派の社会に溶け込めない人々だと思うんですね。彼らは、社会から笑われ、嘲られ、そして悲しい運命になってします。オネーギンは一幕では多数派、社会にうまく溶け込み、社会の波にうまくのっていく人物ですが、そのオネーギンですら最後には社会からはみだし、悲しい運命を辿ってしまう。
ひのさん:マエストロからのお話をお心にとめて今宵の舞台を見ていただければ、一人ひとりの動きが胸に沁みてくることと思います。そして、マエストロが引き出してくれる瑞々しい音楽もお楽しみください。

< - おまけ - インタビューしました>
公演終了後、日本の聴衆やホールについての感想を聞きました。
★最終日も素晴らしい演技力で聴衆を魅了したモノガローワ。
普段の彼女はとても慎ましくとっても優しい!ファンからもらった花束やメッセージを本当に嬉しそうに眺めていたのが印象的でした。
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「日本のすべてのホールは素晴らしかったですし、本当に感動的な公演になったと思います。でも、一番感動したのは日本のお客さまですね。
会場はとても特殊な雰囲気で、皆さんが心を通して公演をご覧になっているのが良く分かりました。それは単なる“集中”ではなくて感情や緊張感を感じられて、私たちが舞台に立っていると、もちろんお互い言葉は分からないのですが、私たちがやっている事の意味などが確かに伝わっているという反応を示してくれています。あの素晴らしい沈黙は公演を行っている側としても嬉しいことですし、本当に幸せなことだと思います。
こんなに、いろんな事が分かっているお客さまを育てることは難しいと思いますので、私たちもそういった“礼”を真似しながら、そして世界でもこういったお客さまを育てるべきだと思ってます。」

★ボリショイ劇場でも一押しのバス歌手、タチアーナのすべてを理解し優しい歌声で観客を魅了したグレーミン公爵役のカザコフ。
インタビューをお願いすると優しい笑顔で答えてくれました。普段も落ち着いていてとってもジェントルマン!
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「私は日本は初めてではありません。2002年にチャイコフスキー・コンクールの優勝者として招かれました。その時にたくさんの町や舞台・会場を見てきました。NHKホールでも歌っていたのですが、本当に素晴らしいホールで音響もとても良く、完璧に近い状態だと思っていました。
あとはどこのホールもデザインがいいですね。木材がとても豊かに使われていて音響ももちろん良いのでが、いきいきとしているホールが多いですね。歌手としてそういった雰囲気で歌えるのは最高に嬉しい事だと思います。

前回も驚きましたが、今回も驚いたのはお客さまの様子・特徴は本当に静かで静かで、それはただの静寂ではなく心のこもった感情の溢れる静かさですね。見どころのあるところでは熱心に情熱的に拍手をしてくださいます。それも次の雰囲気を邪魔しないように短い拍手をしてくださり、歌手としてもムードや気持ちを失わないうちに続きを歌えるのです。そして最後は心のこもった拍手をしてくださいます。本当にありがとうございました。」
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2009年06月26日

6/25「エフゲニー・オネーギン」2日目レポート[ボリショイ・オペラ]

「エフゲニー・オネーギン」2日目も、大盛況のうちに幕を閉じました!
タチアーナ役のシチェルバチェンコは透明感のある美しい声を披露、オネーギン役のラデュークも若々しい演技で観客を魅了、またレンスキー役のシュラコフはアリア“我が青春はいづこへ”を切なく歌い上げました。マエストロ・ヴェデルニコフの細部に至るまでの美しいチャイコフスキーの叙情的なメロディーはホール全体を優しく包み込んでいるようでした。
ぜひ、最終公演もご期待ください。
いよいよ本日(26日)は来日公演最終日となっております!
ぜひ、お観逃し、お聴き逃しのないように!
当日券・上演時間はこちらからご覧下さい。
キャスト表はこちらから。

開演前のプレ・トークは岸純信さん(オペラ研究家)と昨日レンスキー役を演じたドゥナーエフです。その一部をご紹介します。
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岸さん:皆さんこんばんは。
ドゥナーエフさんはとても日本語に興味を持っていて、今日は一言でも多く皆さんに日本語で喋りたいと意気込んでおられます。
ドゥナーエフ:(日本語で)「とても素晴らしい」「ありがとう」「こんにちは」もう一言・・・、「酒!」(笑)

岸さん:昨日ドゥナーエフさんは、レンスキー役を歌われまして、この開場の音響の素晴らしさを実感されたので日本語で「素晴らしい、素晴らしい」と何度も繰り返しておられました。
ドゥナーエフ:本当に素晴らしいホールで歌わせていただいて、とても歌いやすさを感じました。それは私だけではなくて共演した仲間たちも同じ様なことを言っていました。

岸さん:さて、今回の「エフゲニー・オネーギン」ですが、演出家のチェルニャコフさんの演出はとても斬新ですね。その中でレンスキー役はとてもたくさんの動きや音楽がつけられていると感じましたが、ご自身が感じる演出の特色・面白さ・新しさについて教えて頂けますか?
ドゥナーエフ:この演出の中でレンスキーというのはとても重要なキーパーソンであり役割を持っていると思います。そして同時に負担が大きいと思うのですね。と、言いますのは一つの場面で出てくる小さな社会の中で自分の身をどのように置いたらいいのか、どの様に動いたらいいのか、模索しながら演技をしなければいけないのです。

岸さん:最初のアリアについて思うことを教えてください。
ドゥナーエフ:レンスキーというのはとても若い詩人で、その彼が愛しいオリガに愛の告白をする場面ですね。人を好きになるとその人を理想化してしまうと思うのですけれど、レンスキーもオリガのことが好きで最初は「あなたのことが好きです」と歌っています。
それが、歌っているうちに感情が高まり「君が好きです」に台詞が変わっているのです。
チャイコフスキーは本当に素晴らしい愛の告白のメロディーをレンスキーに与えています。
私もそれを意識しながらオリガに一生懸命、愛の告白をしているのですけれど、それが皆さんに伝わっていれば、それ程の喜びはないです。
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岸さん:第2幕の第2場を締めくくる部分では通常の「エフゲニー・オネーギン」の楽譜にはないパッセージが含まれているんですね。
ドゥナーエフ:伝統的にカットされていた部分ですよね。今回の演出では復活しています。
そこにいる人々の感情がその部分によって、より皆さんに伝わりやすくなっているのではないでしょうか。
岸さん:それを私がプログラム用の資料として映像を見ていたら通常の「エフゲニー・オネーギン」より復活した部分によって22秒ほど長くなっています。お越しになった皆さんは通常より22秒ほど素晴らしい音楽を楽しんでいただけることになってます。
ドゥナーエフ:ぜひ、皆さん22秒ほど我慢して聴いてください。(笑)
岸さん:結構激しい音楽ですので楽しめると思いますよ。
ドゥナーエフ: (日本語で)「とても素晴らしい!」

岸さん:その後、残念ながらレンスキーは劇の途中でいなくなってしまうという、悲しい決闘のシーンになるわけですが。死んでしまう前に歌う美しいアリアについてはどうでしょう。
ドゥナーエフ:よくあることですよね。もっと生きたかったんでしょうが。悲しいことに私の役目はそこで終わってしまうわけです。
本当にドラマティックでチャイコフスキーが作り上げた素晴らしいメロディーですが、私は嬉しいことにそのアリアを何度も歌える機会がありまして、本当に幸せなことだと思っています。

岸さん:さて只今、ドゥナーエフさんの同僚の皆さんがスタンバイしているわけですが、その仲間たちに何か一声かけるとしたら。
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ドゥナーエフ:まず「皆、頑張れよ」と、言う言葉とともに会場に足を運んでくださった聴衆の皆さんにこの演目を楽しんでいただきたいと思います。
本当に素晴らしいオペラですので、心行くまで楽しんでほしいと心から願っています。

< - おまけ - インタビューしました>
25日タチアーナ役を演じたシチェルバチェンコ。
オネーギンのリハーサルでお伝えした、カーディフ国際コンクールでの優勝について聞くと、「私の人生の中でもキャリアの中でも、とっても重要なコンクールでした。将来への大きなきっかけになると信じてます!」と、真剣な眼差しで答えてくれました。
今後、世界で活躍されることと思います。期待してます!と言うと嬉しそうに「ありがとう、嬉しいわ!」と穏やかな笑顔を見せてくれました。
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―タチアーナを演じる上で気をつけていることはありますか。
まず、タチアーナの人柄を分かりやすく表現できるように気をつけています。
この役で1番大事なのは1幕から3幕へのプロセスの変化を強調して見せるということです。
大人しい女の子と成長した女性の演技の差を見せることが大事だと思っています。

−明日でいよいよ来日公演の最終日ですね。何か一言お願いします。
これは、本当にオペラの傑作なのです!
特に、今回の演出については各登場人物の性格など細かく設定されていますので、生き生きとしています。単なる、“オペラの歌”ではなくてライブのシーンのような、そんな風に身近に感じていただけると思います。

26日、本日のプレ・トークは17:55〜18:10ひのまどかさん(音楽作家)と、なんと本番前にマエストロ・ヴェデルニコフ(ボリショイ劇場音楽監督)が出演してくださいます!
ぜひ、お聴き逃しのないようにご来場ください。

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2009年06月25日

2/24「エフゲニー・オネーギン」初日レポート[ボリショイ・オペラ]

24日、「エフゲニー・オネーギン」初日は大成功のうちに幕を閉じました!
幕が開いた瞬間、絵のような美しい舞台に観客席からは感嘆の声が聞こえてきました。タチアーナ役のモノガローワの演技力には皆さん心を打たれたことでしょう。オネーギン役のスリムスキーも抜群の表現力で聴衆に訴えかけました。
またタチアーナの「手紙のアリア」、レンスキーやグレーミン公爵のアリアでは素晴らしい歌声を聴かせてくれました。
ボリショイ・オペラ来日公演は残すところ本日25日と26日の2日間となっております。
皆さまお見逃し、お聴き逃しのないように!

今回のプレ・トークは堀内修さん(音楽評論家)と「エフゲニー・オネーギン」の演出を手がけたチェルニャコフです。その内容を一部お届けします。
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堀内さん:ぎりぎりまで、リハーサルを繰り返していたとか。
チェルニャコフ:はい。私たちは最後の最後まで時間を使わせて頂いて、リハーサルを重ねてきました。まさに開演直前まで行っていました。
今回の「エフゲニー・オネーギン」は、私が演出してから3年経ちました。
劇場というのは生き物ですから、ほんのちょっと気を抜いてしまうと、元気がなくなってしまうので常に細かいディティールに至るまでをトレーニングや稽古を重ね、元気で生き生きとした公演を皆さんにご提供できるようにしています。ボリショイ劇場の最高の舞台をご披露できると思います!

堀内さん:これまでのお仕事について教えていただけますか。
チェルニャコフ:「エフゲニー・オネーギン」については私にとって初めてのオペラではありません。劇場では30回ぐらい上演しましたし、ラトビアやフランスでも上演しました。
ご質問のお答えですが、私は10年ぐらい前からオペラの演出を手がけていまして、作品数は16か17だったと思います。
ボリショイ劇場で手がけたものはストラヴィンスキーの「放蕩者のなりゆき」、プロコフィエフの「賭博師」、ムソルグスキーの「ホヴァーンシチナ」・「ボリス・ゴドゥノフ」、ショスタコーヴィチの「ムツェンスク郡のマクベス夫人」、リムスキー=コールサコフの「見えざる町キーテジと聖女フェヴローニャの物語」、手がけているものの多くはロシアの古典作品になります。
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堀内さん:
「エフゲニー・オネーギン」で1番共感した人物は誰ですか。
チェルニャコフ:できるだけ平等にえこひいきのないようにし、それぞれの登場人物を活かせるように心掛けています。
皆さんご存知の通り、タイトルに登場人物のオネーギンの名前がついています。しかし、一番重要な人物はヒロインである“タチアーナ”かもしれません。そいうところでは原作者のプーシキンと共感するところはあると思います。
そして1番叙情的で音楽的モチーフというのは“タチアーナに捧げられている”というふうに私は思います。この作品のオーケストラの序奏部分はまさにタチアーナの心を表している音楽だと思います。皆さんもその様にお感じになるのではないでしょうか。なので、そのような原作の特徴から目を逸らすことはできないと思っています。そして 序奏の音楽は劇中に何回も登場しますが、最後タチアーナが大人の女性へとなった時にはこの序奏がわずか1回しか登場してこないのです。
今回の演出について少しお話しますと、幕が開いてから音楽がなります。そして大勢いる中の少し離れたところにタチアーナがいます。団体と1人というすでにそこでタチアーナの孤独感を表しているのです。皆さんもそういったタチアーナの孤独感というのを感じられると思います。
実は舞台では大きなテーブルが真ん中に置かれていますけど、それはありふれた日常ではなく私が表現したかったのはロシアで親戚や親友が集まった時にどういう風に時間を楽しく過ごすかを皆さんにお見せしたかったのです。また、タチアーナが大勢いるテーブルに入れずにいて孤独を感じていたり、一人になった時にはそのテーブルに座ったり心を開いた時には近づいてたりする。また、後半にも大きなテーブルが置いてあるのですが前半とは全く違った意味をもっているのです。社会性も座っている人々も違っていてそこにタチアーナが居心地良く座っている、そいった彼女の変化をご覧頂けると思います。

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堀内さん:今日はありがとうございました。時間ですので、実際に皆さまにご覧いただきたいと思います。

公演後、タチアーナ役のモノガローワ。
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写真を頼むと快くOKしてくれました。
彼女はとても役に入り込んでしまうようで、終演後はとってもお疲れのよう、なのでインタビューはできませんでした。明後日も楽しみにしてますね!

<- おまけ - インタビューしました>
レンスキー役のドゥナーエフ。
婚約者に蔑まれ、ラーリナ夫人に頬を叩かれ、最後には友人に殺されてしまうレンスキー。
演技にしても頬が痛々しかったのですが、本人は「そりゃぁ、演技だからね!相手もプロだし、全然平気だよ!」と笑顔で答えてくれました。
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―本当に不幸なレンスキーですけど、この役についてどうお思いですか。
本当に不幸で悲劇的な存在ですね。最初から皆と離脱しているという事を強調されて描かれています。
でも、私はこの役が結構好きなんです。ただあまりにも多く演じているのでたまにはブレーキをかけなければ・・・と思っています。
―役になりきるために何か特別なことはしてますか。
特にしていませんが、その音楽をよく理解すること、あたりまえですが演出を理解することです。演出さえ納得できるものであれば後は自然に演技ができるのです。
すべての感情は音楽に含まれていますからそれをどうやって表現するか、という問題だけなんですね。 
終始、笑顔で「僕も日本語で話したいなぁ〜」と、とっても感じの良い人でした!

明日のプレ・トークは、本日インタビューに答えてくれたドゥナーエフと岸純信さん(オペラ研究家)をお迎えして17:55〜18:10に行います。

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2009年06月24日

6/23「エフゲニー・オネーギン」リハーサル・レポート[ボリショイ・オペラ]

本番を24日に控え、衣装を着けての通しリハーサルが行われました。
今回は上野の東京文化会館での上演となります。「エフゲニー・オネーギン」ですが、セットがとにかく豪華!小道具もたくさんあり、実に細かい指示があるようでした。大掛かりな転換もあり「スペードの女王」とは違った華やかさがあります。

まずは舞台裏レポートからをお届けします。
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リハーサル1時間前、前半のシャンデリアをこれからつけるところ。
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特注で作られた箱の中身は・・・・
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美味しそうなクリームケーキとアップルパイ!今日のリハーサルで全て消えてしまうそうです。
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こちらは冷蔵庫。またまた美味しそうな食べ物が。
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中からの舞台の様子を撮ろうと思ったら突然幕が開きびっくり。
テーブルには食器が少し置かれていました。

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リハーサル前に、ちょっと失礼してインタビュー。
今回は24日初日と26日最終日でタチアーナの乳母役を演じるエンマ・サルキシャンさんにお話を伺いました。
なんだか、とっても優しそうな方でした。
―乳母役について見どころなど教えてください。
乳母役は20年ぐらい前から歌っています。最近ではノーバヤ・オペラや昨年はザルツブルグでも演じました。
今回の演出では乳母はとっても大事な家族の一員として描かれています。ちゃんと地に足が着いていて、全てを、皆を見ているという役割をもっているんです。そしてタチアーナを溺愛し、本当に心の底から想っているのです。
私はこの役がとっても大好き!こんなに自分にぴったりな役があるなんて幸せです!
最後に、「昔は“カルメン”もたくさん歌ってたのよ!」とちょっと自慢げに話してくれました。
ありがとうございました!

リハーサル開始。
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1場のみ初日のキャストで行いました。1番右はモノガローワ。
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奥の左、オリガ役のマルガリータ・マムシーロワ。
中央左はレンスキー役のアンドレイ・ドゥナーエフ、右はオネーギン役のウラジスラフ・スリムスキー。
軽い声出しと立ち位置のチェックが行われました。
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また、1場から。今度は25日の出演者が衣装を着けてリハーサルを行います。
タチアーナを歌うシチェルバチェンコは、6月14日に行われたカーディフ国際コンクール2009で優勝してからの来日。
http://www.bbc.co.uk/wales/cardiffsinger/ 
タチアーナ役のシチェルバチェンコはとても美しく透き通った声。
役に入りきっているところで。。。
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演出家のチェルニャコフが細かい指示をだします。
細部までこだわり抜いた演出にご注目ください!
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「手紙のアリア」のシーンでは、シャンデリアの真下に立つようにと指示。
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「私は結婚には向いていません。」切々と歌うオネーギン役のラデューク。
「スペードの女王」では一途でも女性にふられてしまいますが、今回はふる役。
全く違ったラデュークが見られます。
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タチアーナの名の日のパーティー、日本でいうと誕生日のようなもの。
オネーギンにふられ、プレゼントを持ちながら心ここにあらずのタチアーナ。
その後、パーティーに出席したオネーギンは居心地が悪くなりオリガをダンスに誘います。
それを見たレンスキーは激怒しオネーギンと決闘をすることに。もみ合った末、レンスキーは銃弾に倒れます。
緊迫の決闘シーンはぜひ、劇場で!

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後半への転換。とんでもない大きさのシャンデリア!
舞台裏ではいろんな場所から大きな掛け声が聞こえてきました。まさに“戦場”。
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壁なども入れ替え、こうしてできたのが後半の舞台。
合唱団もドレスに着替え艶やかに!
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3年後、タチアーナは大変身!それを見たオネーギンは心を揺さぶられます。
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「昔、お会いしたことがありましたね。」と、タチアーナも心の動揺を隠せずにいられません。
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バラの花束を持ち、熱烈にプロポーズをするオネーギン。
「私は夫がいる身です。あなたとは一緒になれません。」と歌うタチアーナ。

パリとモスクワが熱狂した最も新しくもっともドラマティックなオネーギン、いよいよ開幕です!

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2009年06月23日

21日プレ・トークレポート[ボリショイ・オペラ]

「スペードの女王」最終日のプレ・トークレポートを届けします。
ゲストは明日、「エフゲニー・オネーギン」のタチアーナを歌うモノガローワさんとオペラ研究家の岸純信さんです。
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岸さん:昨日の公演で素晴らしいリーザを聞かせてくれたモノガローワさんにお話を伺います。
モノガローワ:まずはこの大きなプロジェクトを立ち上げた関係者の皆様に御礼申し上げます。
また私にとって初めての日本ですが、人々の心の温かさに触れることができて感激しています。 そして昨日は素晴らしいお客様にめぐまれました。

岸さん:「スペードの女王」は凄いスケール感で展開されるオペラです。
モノガローワ:気持ちよく歌うことができました。ホールも装置も大変に大きく、舞台の上での動き方や、心の持ち方、ハーモニーの感じ方など、自分の居場所をみつけることがとても大切だと感じています。
私たち歌手はとても舞台に責任感をもって臨んでいます。
ロシア語で歌いますので、日本のお客様に言葉以外で心の琴線に触れるよう、音楽という手段を使って皆さんに届けられるよう努めています。
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岸さん:今日は「スペードの女王」のフルスコアを持ってきましたが、落としたら足を怪我してしまうくらいの、こんなに厚くで重い! それだけに大作ですね。(笑)
リーザの歌う場面のはじめは一番静かな音楽から始まりますが、激しい音楽で出番が終わりますね。 感情の表現についてや、リーザを歌う上での抱負など聞かせてください。
モノガローワ:言葉で語るのは難しいですが、「エフゲニー・オネーギン」のタチアーナと比べるとわかりやすいかもしれません。タチアーナは、悩みながらもより高尚に生まれ変わることができました。一方でリーザは情熱的で悲しい女性で、理性を超えて運命のままに生き、心も壊れ死んでいってしまいます。 演技をしていてとても面白いです。歌い継いで行く歌手が皆で育てていく役柄だと思っています。
またチャイコフスキーのオペラは、人生の局面において心の強さを試されているような感じです。 「心をしっかりともたねばならない、澄んだ心を失ってはいけない」という人生の教訓を感じます。
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岸さん:リーザはエレツキー公爵から愛溢れる、真実味のある素晴らしいアリアを歌われます。
しかしそれを聴いても、リーザの心はまったく微動だにしないのですが、それについてモノガローワさんはどう思われますか?
モノガローワ:エレツキー公爵のアリアは心に沁み入り、純粋で心を惹かれて当然だと思います。 それでもリーザが心を動かされなかったのは、それ以上にゲルマンの魅力にとりこになってしまい、何も見えなくなってしまったのでしょうね。

岸さん:最後にプレトニョフさんのことについてお尋ねします。
モノガローワ:音楽的にとても面白いです。マエストロの要求はとても細かく、注意深いです。
とても言葉に対するイントネーションを大切にしますし、歌手のひとりひとりに至るまで注意深い指示があります。音楽を一緒に作っていくのは喜びです。
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岸さん:お時間がきたようです。モノガローワさん、ありがとうございました。

明日24日のプレ・トークは17:55〜18:10堀内修さん(音楽評論家)とチェルニャコフ (「エフゲニー・オネーギン」演出家)が出演予定です。

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2009年06月22日

6/21「スペードの女王」最終日レポート[ボリショイ・オペラ]

ボリショイ・オペラ「スペ−ドの女王」の公演は成功のうちに終了しました!
大きなNHKホールにスケール感のある舞台装置が映え、 プレトニョフ指揮のオーケストラがチャイコフスキーの厚みあるシンフォニックな音を響きかせ、そして天上的に美しい旋律でホールを満たしました。
そのオーケストラを凌駕するほどの声量のソリスト陣と合唱!
そしてドラマティックに展開される登場人物の心理描写をこと細かく表現するフォーキンの演出。
ゲルマン役のガルージンが狂気に陥っていく様、伯爵夫人役のオブラスツォーワの恐ろしいまでの存在感、リーザ役のポポフスカヤは運命に翻弄されていく女性の切なさ、エレツキー公爵役のラデュークの高貴さをはじめ、トムスキー公爵、ポリーナ、マーシャも誰もが役になりきり、これぞ「スペードの女王」!という高い演劇性、そして音楽的に充実した圧巻の舞台となりました。
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14年ぶりの来日公演でボリショイ劇場が威信をかけた上演です。
24日からはパリでも成功し、ヨーロッパでテレビ放送もされ注目されている「エフゲニー・オネーギン」がはじまります。
ご期待ください!


終演後は、舞台上で出演者が集まって撮影大会!
(カメラ担当も興奮してブレ気味です。。。ご了承ください!)
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初日に続き、素晴らしい歌声だったポポフスカヤ。

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いつもお茶目な笑顔をくれるガルージン。
「日本ではとっても気持ちよく歌わせてもらいました。次はいつになるか分からないけど、僕はいつでも戻ってきたいと思ってますから!」

<- おまけ - コメントもらいました>
マエストロ・プレトニョフ
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「チャイコフスキーの「スペードの女王」は聴衆の皆様に馴染みの有る旋律もあまり無いので、演奏する側にとっても聴衆の皆様にとっても難しいオペラだったと思います。
日本でオペラの指揮をするのは初めてですが、今回は音楽重視という意見が一致した演出家フォーキン氏の素晴らしい演出、一流の歌手の皆様、ベストを尽くしてくれたオーケストラと日本の聴衆の皆様の前で演奏出来たことを嬉しく思っています。
NHKホール、文化会館はオペラ上演にとって素晴らしい音響ですし、日本の聴衆の皆様は非常に集中して聴いて下さいますので今回の日本公演は自分にとっても大きな喜びとなりました。」

モノガローワからプレ・トーク終了後にコメントを頂きました。
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―今日のプレ・トークはどうでした?
なかなか良い言葉が出てきませんでした。
でも、ロシア・オペラの素晴らしさを皆さんに知ってもらいたかったからプレ・トークに参加しようと決めたのです。でも、やっぱり難しかったわ。。。(と、苦笑い)
どちらかというと、私は1人で物思いにふけるタイプだから、お客さんを目の前にしたら余計な事を言わないようにとか、何だかいろいろ考えてしまってちゃんと話せなかった気がします。

―緊張しました?
やっぱり、舞台で歌う時と違った緊張感でした。
言いたいことがいっぱいあったのに全部話せなかったです。

いつもにこやかで素敵なタチアーナ・モノガローワ。ですが、“1人で物思いにふけるタイプ”という彼女は「エフゲニー・オネーギン」のタチアーナに似ているのかも(?)しれません!(名前も一緒ですしね。)
24日・26日の公演が楽しみです。 ぜひ、みなさんもモノガローワにご注目ください!

また、25日にタチアーナ役を演じるエカテリーナ・シチェルバチェンコも元気に来日しました。笑顔が可愛らしく、とってもお洒落な人でした!
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2009年06月21日

6/20:2日目レポート[ボリショイ・オペラ]

「スペードの女王」2日目も大成功!
初日とはまた違った素晴らしい「スペードの女王」でした。

本日のプレ・トークは音楽作家ひのまどかさんとワシリー・ラデューク。
その一部をご紹介します。
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ひのさん:ラデュークさんは日本は初めてではないのです。
2005年静岡国際オペラコンクールで見事優勝し、4年後の2009年ソリストとして日本に戻って来る事を想像されましたか?
ラデューク:若い歌手は世界各地の舞台に立ちたいと思ってます。こんなにすぐ大きなオペラで大役を実現するとは思ってもいませんでした。

ひのさん:日本が生んだスターと言えますね。
ラデューク:コンクールはトランポリンみたいにステップ台のようなものだったかもしれません。
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ひのさん:エレツキー公爵はどんな役ですか?
ラデューク:皆さんご存知かもしれませんが、プーシキンの原作には出てきません。
チャイコフスキーが考えた役柄です。
ゲルマンとは相対する性格で、ゲルマンは狂人と紙一重、どんな手段を使っても目的を達成する人。それに対してエレツキーは厳かな雰囲気で明快なキャラクターです。

ひのさん:オペラの中では、ゲルマンと役柄の上でもテノールとバリトンという声の点でも対決がありました。
どのような手応えがありましたか?
ラデューク:ガルージンとは2回目の共演です。オペラ芸術の生んだ大アーティストと同じステージに立てるのは光栄なことです。

ひのさん:大歌手との共演で、どんな事を学んだり盗んだりしましたか?
ラデューク:世界のスーパースターと舞台に立てたことは夢の様です。貴重な経験となります。
同じ様な道を歩んで行ければいいですね。

ひのさん:今日の出演者ムラヴィツキーさん、モノガローワについてご紹介ください。
ラデューク:今回の仲間たちと知り合あったのは2年前のモスクワでのプリミエです。
本当にボリショイの素晴らしいソリストたちです!歌はもちろんですが、演技も素晴らしいです。今の時代のオペラ歌手は演技も要求されます。オペラ世界はとても進化していると思います。
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ひのさん:オーケストラと合唱がとても素晴らしく、マエストロ・プレトニョフが全身全霊で指揮をされています。そのマエストロについてどうでしょうか?
ラデューク:偉大な指揮者の1人であり、ピアニストである彼の指揮によるオペラに出演できてとても幸せに思ってます。

ひのさん:
モスクワで“オネーギン”を拝見して、ラデュークさんのように素敵な声とルックスにタチアーナが惚れてしまうのは納得してしまいます。オネーギンは性格は複雑で、共感を得難い役柄ですが、ラデュークさんのオネーギン像は?
ラデューク:“オネーギン”は私にとって特に大切なオペラです。キャリアのスタートを切った演目です。役柄としては、悲劇性が強く、自分自身を上手く見付け出すことができずに、自分を表現できない。
タチアーナに再会した時には傷つきやすい不幸なイメージがありますね。
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プレ・トークは終始和やかに行われました!
明日のプレ・トークは本日と同時刻の13:25〜13:40、岸純信さん(オペラ研究家)と本日リーザ役で観客を魅了したモノガローワ(24日「エフゲニー・オネーギン」のタチアーナ役)が出演予定です。どうぞ、お楽しみに!

今回も終演後に出演者の写真を撮ることができました!
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本日のゲルマン役、ロマン・ムラヴィツキー。日本でゲルマン役を歌えるのは今日だけだったので、リハーサルからとても熱が入っていました。本日も素晴らしい歌声を披露してくれました!ムラヴィツキーもとってもご機嫌。とても優しそうなジェントルマンでした。

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リーザ役のタチアーナ・モノガローワ。
「メイクを落とさなかったの。それでもいいかしら?」と言いながら、快く写真に応じてくれました。素敵な笑顔にこちらも思わず顔がほころんでしまいました。演技派として知られる彼女ですが、普段はとってもおっとりとした人でした。
24日「エフゲニ−・オネーギン」のタチアーナ役にも注目したいですね!

- おまけ - ラデュークさんに聞きました
―プレ・トークはどうでした?
ロシアではそういった習慣がないので初めての経験でした。
初めてと言えば、日本でフル・オペラに参加したこともそうですね。
公演の前はもちろんドキドキするのですが、歌う直前にはそれをなんとか抑えることができます。が、お客さんの前で座っていろいろ答えなければならなかったので、本当に最初から最後までドキドキしましたね、歌ってる方が楽です!

―エフゲニー・オネーギンについて聴きどころ、見どころを教えてください。
チェルニャコフの演出は1つのステージの中でいろいろ起きているんです。いろんな事が浮き彫りになるというか。出演者1人1人に余計なアクションがないのです。だからと言って全体的にバラバラになっていない、1つの大きな動きとして見れるのです。
例えば、ステージでアリアを歌っている歌手がいるとして、ステージの端にいる出演者たちはその歌に聴き惚れている演技をしていたり。それぞれの動きにとても意味があるのです。
そこが他のプロダクションとは違うところですね。
また、チェルニャコフは出演者1人1人と役作りについて一緒に考え作品を作り上げていきます。本当に素晴らしい演出家です。

―今後の出演予定を教えてください。
7月、ボリショイ・オペラがスカラ座で「オネーギン」を上演します。8月にはスロヴェニアでも上演しますよ。
9月は僕が、フェニーチェ劇場で「椿姫」のジェルモン役で出演します。

―そういえば、最近METに出演しましたよね?

3月に「道化師」のシルビオ役を演じました。

―METはどうでした?

やっぱり世界でNo.1ですね!
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2009年06月20日

大成功!初日レポート[ボリショイ・オペラ]

ボリショイ・オペラ初日は大成功のうちに幕を閉じました!
チャイコフスキーの美しい音楽に合わせ、歌手たちの素晴らしい歌声に魅了されたことでしょう。特にガルージンの演技力には息を呑む程でした。
本日、観客を興奮の渦に巻き込んだキャストは21日にも実現します!ぜひご注目ください。

まずは、堀内修さん(音楽評論家)と演出家ワレリー・フォーキンのプレ・トークの内容を一部お届けします。
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堀内さん:「スペードの女王」の演出の面白さについて教えてください。
フォーキン:オペラは、最高にレベルの高い舞台芸術なので、とても興味がありました。「スペードの女王」のストーリーは、プーシキンの生まれ故郷でもあるサンクトペテルブルグの町を舞台に繰り広げられるオペラだということも、惹かれました。

堀内さん:「スペードの女王」は、どのようなところがサンクトペテルブルグの町の雰囲気と結びついていますか?
フォーキン:サンクトペテルブルグは、特別な町です。ミステリアスで、美しく、すべてが神秘的で謎めいた町です。ゲルマンをめぐって展開されるストーリーは、サンクトペテルブルグの町そのものですね。
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堀内さん:この作品に示されている謎はなんですか?
フォーキン:プーシキンのミステリーは、とてもユニークでもあります。チャイコフスキーの音楽は、悲劇です。ゲルマンが選択を迫られ、その結果負けてしまう悲劇的な要素は、サンクトペテルブルグの町にあるのかもしれません。

堀内さん:マエストロ・プレトニョフにとっては、初の「スペードの女王」となりますが、どのように感じていらっしゃいますか?
フォーキン:マエストロは、とても偉大な音楽家です。チャイコフスキーの音楽にしたがって、作り上げていけば最高のオペラになるでしょう。

堀内さん:チャイコフスキーの音楽に疑問などを感じたことはありませんか?
フォーキン:(少し笑いながら)それはありません。偉大な音楽家なので、このような素晴らしい音楽をどこまで正確に表現できるか考えたことはありますけれど。
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堀内さん:今回の「スペードの女王」で、さらにチャイコフスキーを好きになりましたか?
フォーキン:チャイコフスキーとの出会いは、自分を変えることができました。とても厚みのあるボリュームがあり、叙情的で悲劇なストーリーは、とても素晴らしいと思います。

堀内さん:今回のオペラはどういったところを重点において観たらいいでしょうか?
フォーキン:特にはありません。強いて言うならば、この素晴らしいストーリーと音楽に入り込んで、雰囲気を感じ、壮大な舞台装置なども楽しんで頂けたらと思います。

明日のプレ・トークは 13:25〜13:40 音楽作家のひのまどかさんと本日エレツキー公爵を歌ったラデュークが出演予定です。どうぞ、お楽しみに!

公演後は、ホッとした出演者たちの写真を撮る事ができました。
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衣装を着たまま写真に快く応じてくれたエレーナ・オブラスツォーワ。
昨日のリハーサル同様、その演技力には脱帽でした!
「ちょっと待って」や「ありがとう」と、とっても日本語がお上手なのでした。

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とってもご機嫌だったのはウラディミール・ガルージン。
そのおっとりとした笑顔はさっきまで狂気だったとは思えませんでした。

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ステージでスターのオーラを放っていたワシリー・ラデュ−ク。
楽屋ではお菓子を頬張るお茶目な一面も。

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着替えが終わると初日の成功にシャンパンで乾杯!
左はエレーナ・ポポフスカヤ。可愛らしい笑顔からは想像できないほど、
その声量と全身で演技する姿に驚かされましたね。
出演者同士、仲が良いのもとても印象的でした。

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少遅れてマエストロが登場。
初めて指揮したオペラが今回の「スペードの女王」というだけあって、思い入れが強かったマエストロ・プレトニョフ。その指揮からはオーケストラ、そして歌手たちとピッタリ息が合っていて信頼関係が見えるようでした。
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2009年06月19日

6/18「スペードの女王」リハーサル・レポート[ボリショイ・オペラ]

いよいよ開幕を目前に衣装を着けての通しリハーサルが18日に行われました。
ダイナミックで立体的な舞台装置は、やはり見応えがあるものでした。
下の席からも、上の席からも迫力ありです!

今回、「スペードの女王」では冒頭に日本人の子供たちの合唱があり、通しリハーサルの前に子供たちだけのリハーサルがありました。
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先生の指示にすぐに対応!みんな、とても柔軟なようです。
ロシア語もなかなか上手でした。発音もすぐに覚えてしまったようです。さすが!

衣装を着けメイクをしてもらって、いよいよリハーサル。
少し緊張している様子でしたが、果たして出来は・・・・
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衣装が結構重いみたいです。。。
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ちょっと恥ずかしそうにニッコリ。
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ポーズを決めてもらいました。みんなカッコイイ!
さて、リハーサルは。。。
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最後までスムーズにできました!振付もばっちり、合唱ももちろん良くできていましたよ。
お疲れ様でした!

楽屋の前を歩いていると部屋の表示は全て役名になっているのに気づきました。
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これは“伯爵夫人”?・・・
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オブラスツォーワは舞台袖でリハーサル前にピアノに合わせ声出しをしていました。
それを撮影するロシアの国営テレビ。
すごい貫禄と素晴らしい歌声に一同呆然。やはりこの人はただ者ではない!

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マエストロ・プレトニョフのシンフォニックで重層的な音楽は素晴らしいものでした。

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若手のポポフスカヤも清廉なリーザを披露。ベテラン勢にも負けない歌声にご注目。
右はゲルマン役のガルージン。2人とも役に入り込んでいるのでリハーサルであることを忘れてしまいそうでした。

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いよいよ狂気に取り憑かれていくゲルマン。迫真の演技です。

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美しい夜会のシーン。

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エレツキー公爵役のラデューク。この美声は必聴です!

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こちらは20日にゲルマン役で登場するムラヴィツキー。
こちらも迫真の演技ですが、若さを兼ね備えているのでガルージンとは違ったゲルマンが聴けます。

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オブラスツォーワの歩き方、杖のつき方は80歳の伯爵夫人そのもの。

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カードの秘密を知ったゲルマンが賭博場へ行くところを止めるリーザ。
しかし、、、

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リーザを振り切り、賭博でゲルマンは敗北。
自ら命を絶つゲルマンはリーザに赦しを乞いながら事切れます。
その後、美しい合唱によって幕が下ります。

19日、いよいよ初日開幕!迫力の舞台をご期待ください。

posted by Japan Arts at 12:49 | ボリショイ・オペラ2009>レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月18日

舞台設営レポート[ボリショイ・オペラ]

「スペードの女王」の舞台設営の見学に行きました!
モノクロを基調としたシンプルに見える舞台ですが、セットはかなり巨大。
作業は明け方まで続くそうです。
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柱を立てる前の状態。後ろはこんな感じになってるのですね。

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舞台の手前に置く照明を隠すための物。
ベニヤ板を切るところから地道な作業が続きます。最後は黒ペンキで仕上げ。

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舞台袖から撮った天井の様子。背景になるセットがたくさん吊るされていました。

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舞台ではボリショイ劇場のスタッフさんが照明を調整していました。Tシャツにご注目。

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完成に近づいてきました!本番に向けて背景や照明のタイミングを合わせていきます。

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1幕、リーザとゲルマンが歌っている時の館の背景。こちらもかなり巨大なセット!

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2幕、エレツキー公爵のアリアや合唱、ダンスのシーンで使われる背景です。

背景は劇中に何度も上下を繰り返して様々に変化します。
大勢のスタッフが作り上げたセットにも、ぜひご注目ください!
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2009年06月01日

担当者が見たモスクワ(5)舞台裏の音楽家たち[ボリショイ・オペラ]

私のモスクワ到着の後の最初の「緊張の瞬間」は、稀代のドラマティック・テノール、ガルージンと指揮者プレトニョフのリハーサルでした。
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ガルージンは風邪で体調が万全ではなく、モスクワ到着もすでに予定より2日間遅れていました。しかし、私のモスクワ到着の翌日にガルージンが劇場に現われなければ、午後の指揮者プレトニョフとのピアノによるリハーサル、そして夜のオーケストラとの通しリハーサルに欠席となり、12/25の本番の出演が不可能になる、そういう状態でした。もう一人のテノール、ムラヴィツキーは、「もしガルージンが到着しなかった時は、12/24・25の2日間、連続で(!)ゲルマンを歌うことになるので、その心の準備をしておいてほしい」と劇場側から言われていたようです。翌日ガルージンの姿を劇場で見かけた時、日本の取材陣はもちろん「ああ、よかった」と“安堵のため息”をつきましたが、一番大きな“安堵のため息”をついたのは、ほかならぬ、「もう一人のテノール歌手」だったかもしれませんね。 

ガルージンは本番の前日、12/23の15時、約束の時間に劇場に現れました。そしてマエストロ、プレトニョフが現れ、3時間以上に亘るオペラの中で、非常に出番の多いテノール・パートについて、たった20分(!)の非常に密度の濃いリハーサルを行ったのでした。ガルージンがゲルマンのアリアを歌い、プレトニョフがピアニストを前に指揮し、タイミングを確認する…いくつかの重要な箇所の確認が行われましたが、そこでは、ガルージンとプレトニョフそれぞれがチャイコフスキーの旋律に対する自身の考え、または作曲家がこの旋律に込めた思い、そしてフェルマータをどのタイミングまで延ばすか、といった非常にホットなディスカッションが行われたのでした。
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ガルージンのリハーサルの歌を聴いて、もう取材陣は全員「鳥肌が立って」いました。目の前で歌う彼のパワーにあふれた潤いのある声は予想以上にすごいもので、リハーサル室そのものを飲み込んでしまいそうな“歌唱のうねり”に居合わせた者全員が圧倒され、同時に彼のステージの成功を一足早く確信したのでした。
(もちろん、翌々日に行われたガルージン出演の「スペードの女王」の本番のステージが拍手大喝采となったことはいうまでもありません!)

舞台では「狂気のゲルマン」を全身全霊、あらん限りのエネルギーで熱唱するガルージンですが、楽屋にいるガルージンはロシア人としてはやや小柄で、それこそ気のいい紳士だったので、このギャップの大きさも印象的でした。
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バリトンのラデュークには来日に向けてのメッセージを頂きましたが、このメッセージ映像はなんと本番の15〜20くらい前の映像です。
私服で、落ち着き払った彼はしばらく後に数々の難所を歌う本番を控えた歌手には到底見えませんでした。それにしても、ラデュークを含め、本番前に舞台袖に集まったボリショイの歌手たちの最も印象的な姿は、本番前とは思えないリラックスした様子で談笑していたことです。
主役のガルージンをはじめ、ソプラノのポポフスカヤも、ラデュークも、“人間国宝級”のメゾ、オブラスツォーワも、楽屋では意外なまでにほがらかで、またロシアの音楽家は皆そうなのかもしれませんが、主役級の歌手たちが本番の後、日本のように花束と、プレゼントと多くの周りの人に囲まれて会場を後にするということもなく、スグに普段着に着替えて夜の街に消えてゆく、というのも印象的でした。
ここでは、芸術が文字通り「日常」なのかもしれません。

これまで、モスクワとボリショイ劇場とそこにいる芸術家達の姿を書いてきましたが、その間にも時が流れ、レポートに描かれた人々はついに!間もなく日本にやってきます。
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私の目に映った多くの「素顔の芸術家たち」、「ボリショイ劇場」を報告してきましたが、今度は来日した「ボリショイの舞台」を是非皆様自身の目に焼き付けて頂きたいと思います。
スパシーバ、ボリショイ!(ありがとうございました!)

posted by Japan Arts at 19:33 | ボリショイ・オペラ2009>レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年04月17日

担当者が見たモスクワ(4)今時のモスクワ事情[ボリショイ・オペラ]

モスクワに向かう前、かつてモスクワに出張した経験のある先輩社員たちから話を聞くのが愉しかったのを思い出しました。
30年前のモスクワ、20年前のモスクワ、昨年のモスクワ…話し手の「行った時代」で、モスクワの印象はそれぞれに違いました。常に変化するモスクワの街を考えれば、「昨年のモスクワ」とて、きっと「今のモスクワ」とは違うのだろう、と思いました。(「今昔共通の話」は、冬の出張なら、「帽子」の話。冬の防寒に対する用心だけは、昔も今も変わらないようです。)

実際に到着してみると、12月のモスクワは「厳冬の街」のようなイメージに反して、この地も「地球温暖化」の影響でマイナス2度が平均的な気温でした。道端に積もった雪がある場所では「凍って」いたり「ベチャベチャの状態」であったり。
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≪出張時の写真、こんなに晴天なのは珍しい!≫

モスクワの中心街としての広がりは大きく、建物自体もとても大きい。建物の窓も大きい(背が高いといった方が、当たっているだろうか…デパートのショーウィンドウもとにかく大きい!)建物の中に入っても日本の建物よりはるかに天井が高く、いつも上を眺めていたのを思い出しました。
街のつくりは旧市街風で、所によっては日本より車道が狭かったりしました。ここに許容量をはるかに超えた車輌が行き交い、街中の車はほとんどがベンツ、BMW、ちらほらNISSAN、TOYOTAもあり… 日本でおなじみの車種であったことに驚かされました。
また、日本の場合と違って、タクシーはほとんどなく、聞けばタクシーは、一般の人の車を停めて、「行き先」と「お礼」を交渉して乗せてもらう…いわゆる「白タク」が最も多いようでした(外国人には難易度が高いと思うのだが…)

レストランは、高級ホテルのレストランでも1人¥10,000くらい。夕飯で立ち寄ったレストランでは、¥3,000くらいでした。(この地ではけっこう高級と思われる?イタリアン等でも)食事ができました。同行した旅行に慣れた人々の間でも、食事は他の国と較べても、美味しいという話しでした。

ボリショイ劇場(旧館)をはじめ、街中では大きな改築を行っている建物がたくさんあり、モスクワの街はこれからも変わってゆくのでしょうね。

次回は“舞台裏のアーティストたち”をお届けします。

≪第1回目≫新劇場について
≪第2回目≫レペシンスカヤの葬儀
≪第3回目≫『劇場内のロビー&カフェ』

Photo by Davir Yusupov
posted by Japan Arts at 18:20 | ボリショイ・オペラ2009>レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月23日

担当者が見たモスクワ(3)『劇場内のロビー&カフェ』[ボリショイ・オペラ]

今回は劇場内のロビーとカフェの様子をお届けします。
それは劇場の事務所にあり、職員やアーティストが出入りするロビーとカフェです。担当者が見たモスクワ@のブログで紹介しました、ボリショイ劇場の隣にある事務所の建物、この建物は非常に立派な建物でした。厳しいセキュリティを通過し、クロークに重いコートを預けると、大理石の明るい中央ロビーが広がっています。
そこは普段着のアーティストや多くの人が行き交うスペースで、中央にある、建物の最上部までの吹き抜けから燦々(さんさん)と陽の光が差し込み、とても明るく美しい印象。
この中央の広いロビーは非常に多目的に使用される場所で、私が訪れた数日間でも、「記者会見」「レセプション」「オペラのリハーサル(全登場人物参加による)」「様々な打合せ」「撮影」「待合わせ」「葬儀」(レポートAで紹介しましたバレリーナ、レペシンスカヤの「劇場をあげての葬儀」も、このロビーで行われていました。)等、様々の用途で使用されてました。

この建物の1階と2階には、カフェがあります。
カフェですが、スペース的には決して広くありません。そして、それほど「高級感あふれる」カフェでもありません。日本で言えば、さしずめ「職員用カフェ」といったところでしょうか。
飲み物と軽食を摂ることができ、ここにボリショイ・バレエのソリストたちや関係者が気楽に集まって仲間と歓談していました。

私がザハーロワと短い打合せを行ったのも、ここの2階のカフェでしたし、通訳の方と1階カフェのテーブルで話している時、私の背中の方で話していた女性が、実はアナニアシヴィリでした(!)。ここは一見“普通のカフェ”ですが、「ボリショイ劇場」を実感させてくれる場所でした。
そして何よりも、物価の変動が激しくどこのお店も「割高」の印象のあった私たちモスクワ取材陣にとって、この「気楽で安価なカフェ」はたいへん大きな“救い”でした。値段は安くて(紅茶はリプトンの紙コップ入りの紅茶!)、メニューも簡単(食事もディスプレイの2〜3品)なので、選ぶのも簡単で、知らない外のお店よりもずっと安心。
また、現地の日本人の通訳さんは、「モスクワにいても、めったにボリショイ劇場の事務棟の中には入れませんが、このカフェにいるだけで、全然退屈しませんね。」とおしゃってました。

毎日通ったボリショイ劇場事務棟、それは「あまりにも“特別な空間”」だったのでした…

次回は“今時のモスクワ事情”をお届けします。
≪第1回目≫新劇場について
≪第2回目≫レペシンスカヤの葬儀

posted by Japan Arts at 11:16 | ボリショイ・オペラ2009>レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年03月10日

担当者が見たモスクワ(2)レペシンスカヤの葬儀[ボリショイ・オペラ]

モスクワ到着の日
12月22日夕方6時にモスクワのシェレメチェボ空港に到着した後、大渋滞のモスクワの街中に入りホテルに到着したのが夜の午後9時でしたから、空港からホテルの移動は約2時間(ただし、本来渋滞がなければわずか40分の移動で済むのだそうです…)私たちがモスクワに到着した12月22日夜、現地通訳の方から、20日、ロシアのかつての世界的なバレリーナ、レペシンスカヤが亡くなったので、明日(23日)の午前中、ボリショイ劇場は全体が喪に服し、すべての予定が白紙となったため、明日の午前中のアポイントはなくなりました。と知らされました。

12月23日朝10時30分、
ボリショイ劇場オフィスの建物の中でオリガ・レペシンスカヤの葬儀。
関係者約100名ほどが出席し、ボリショイ劇場総裁のイクサーノフ氏の弔辞に続き、彼女を知る同世代のバレリーナや劇場関係者が次々と弔辞を述べ、彼女との別れを惜しんでいました。彼女の黒い棺は、赤い、美しく大きな花に囲まれ、そこに4人の深緑色の制服の軍人が、軍規にのっとった形で入場し、棺の周りに整列し、敬礼するといった、厳かな葬儀でした。


世界中でニュースとなりました。
http://www.afpbb.com/article/life-culture/culture-arts/2551901/3628289

また、ジャパン・アーツの所属アーティストでバレエ・ダンサーの岩田守弘さんも自身ブログで紹介されてました。
http://ibashika.exblog.jp/10398810/

担当者が見たモスクワ@はこちら

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2009年02月17日

担当者が見たモスクワ(1)[ボリショイ・オペラ]

ボリショイ・オペラの担当者が年末にモスクワ出張へ。
劇場内の様子やアーティストの裏話まで、5回に亘ってお届けします!
≪第1回目≫新劇場について
≪第2回目≫レペシンスカヤの葬儀
≪第3回目≫劇場内のロビーやカフェ
≪第4回目≫今時のモスクワ事情
≪第5回目≫舞台裏のアーティストたち


初めてのモスクワ出張は驚きの連続でした。
まず空港ですが、パスポート・チェックはなんだかほの暗い印象。モスクワをよく知る人によると「空港も明るくなったんですよ。」との事でした。以前はどれだけ暗かったのでしょうか。。。
モスクワのホテルに到着後、早速新劇場へ。皆さんもご存知の通り大劇場が改修中のため全ての公演を新劇場で行ってます。劇場は小さく客席は1,200席ほどでしょうか、内観は大劇場が赤に対してこちらは緑(モスグリーン)でした。
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どの劇場も同じかもしれませんが、この新劇場の内部も迷路のようで迷ってしまいす。階段を上ったり下りたりしている内にいつの間にかリハーサル中の舞台袖に出てしまうことも。そうそう、劇場の客席には観光客を何組か見ました。その中には日本人の姿も。
改修中の大劇場はというと、周りを白い幕で囲っているようでした。その周りの道もすべて立ち入り禁止。改修工事はまだまだ時間がかかりそうに見えました。

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新劇場の外観はやはりシンプルでモダン
道を挟んで隣に事務所があり、劇場とは地下通路で通じていました

早速その日から取材や劇場側と話し合いをすることになりましたが、そういった打ち合わせは劇場の隣にある事務所で行います。モスクワにいる間は、ホテルと劇場の間を連日往復でした。
さて、事務所に入るためには厳しいセキュリティ・チェックが待っています。「羽田空港よりきびしいんじゃない?」と思うほど。当然、入館者リストでチェックされてその次は金属探知機にかけられます。
有名なアーティストたちが居る場所ですから当然と言えば当然なのですが。それにしてもけっこう大変。また、寒いところならでは、ですが、全員がまずクロークにコートを預けます。ここにいるクロークのおばさん、最初はコートを掛けてくれていたのに、3日目・4日目になると顔を覚えられたせいか「お前さんは、自分でやんなよ。もう、分ってるでしょ」と言いいたげな表情。。。
事務所は5階か6階まであり3階に劇場のオフィス、4階に広報室やバレエのリハーサル室が並んでいました。リハーサル室からはいつもピアノの音が聴こえてきます。私たちが取材をしていた時もピアノの音が聴こえてきたので覗いてみると、そこにはなんとニーナ・アナニアシヴィリと演出家アレクセイ・ラトマンスキーの姿が!モスクワにいるのだなぁと実感した瞬間でした。実感したと言えばまだまだエピソードがありますが、それはまた今度。

まだまだ書きたい事は沢山ありますが、続きは連載の中でお届けします!

ボリショイ・オペラ公演情報

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