2010年07月27日

「椿姫」2日目の来場者インタビュー[トリノ王立歌劇場]

昨日の「椿姫」の公演では音楽家の方が多数来場していました。
音楽家から見た今回の公演について、感想を頂きました。

≪梅田俊明さん(指揮)≫
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デセイはデビューの頃からCDやDVDでは聴いていましたが、生は初めてでした。繊細な表現力がトラヴィアータのリアルな役柄とマッチして引き込まれました。しかもあんなに動き回って・・すごいですね。
オーケストラと歌とのアンサンブルもバランスも良く、コーラスはさらに充実していて、聴き応え見応え十分でした!

≪足立さつきさん(ソプラノ)≫
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デセイはじめ歌手の方達、合唱団も、その歌声は、もちろんすばらしかったですが、特に感動したのは、マエストロ・ノセダ率いるオーケストラの美しいピアニシモ!歌に寄り添うような優しい情感に満ちたハーモニーに感激しました!!

≪大井剛史さん(指揮)≫
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デセイの自分の持ち声を生かした繊細な表現、そして、ノセダ率いるトリノのオーケストラが、それに沿うような非常に透明感のあるピアニッシモの音でヴィオレッタの心情を表現していたのが印象的でした。
「椿姫」の新しい表現の可能性を見たように思います。

≪滝千春さん(ヴァイオリン)≫
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歌手の皆さんが本当に素晴らしかったです。またオーケストラで一番印象的だったのは、クラリネット奏者の音色の美しさです。特にヴィオレッタのアリアのところで奏でられるソロ部分が素晴らしい音だなと思いました。
オーケストラは歌手がより引き立つように演奏をしていたのも印象的でした。それはマエストロ・ノセダが悲しい場面で出す“吐息”の様な音の「中膨らみ」がそういった効果を出すのだろうなと思いました。

≪金子三勇士さん(ピアノ)≫
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特に感動したのがマエストロの手の動きです。その動きそのものが音楽であり、ハーモニーになっているのですね。 歌手ともオーケストラとも全てが一体となっているところがすごいな、と感じました。マエストロのオーラに感激しています。 
歌手たちの声も素晴らしいです。あとはヨーロッパのよさが随所に出ていると感じました。僕はそういうところに敏感に反応してしまうのですが、ヨーロッパのあの独特の空気感とか雰囲気とかがたくさんあっていいな、と思いました。 本当に楽しませて頂いてます。

posted by Japan Arts at 13:25 | トリノ王立歌劇場2010>インタビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月13日

ショナール役のカローリスにインタビュー[トリノ王立歌劇場]

ミラノスカラ座よりも古い歴史を掲げるトリノ王立歌劇場。その史上、若き日のプッチーニとトスカニーニの出会いによって傑作「ラ・ボエーム」は生まれている。1996年、初演より一世紀を経て行なわれた記念公演では、ミレッラ・フレーニとルチアーノ・パヴァロッティが主役の衣装をつけて舞台へ上がった。そして、去る5月、再びこのトリノの殿堂に帰ってきた演出家グリッフィの舞台には、バルバラ・フリットリ、そしてマルセロ・アルバレスといった今の時代を代表する主役たちが招かれている。マエストロ・ノセダの音楽づくりの木目の細かさに出演者すべてが共鳴していたが、その中から音楽家役のショナール役を演じたナターレ・デ・カローリスに話をきいている。
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Q:この“ラ・ボエーム”の特徴はどのようなところでしょうか?
デ・カローリス: “ラ・ボエーム”という作品は、実際の内容以上に美しく演出されロマンチックに演奏されることが多いのですが、今回の舞台は演出家グリッフィを引き継いだボッレッリの事細かな配慮とマエストロ・ノセダの不要を省いたかなり簡潔なものでした。マエストロ自身がロマンティストであり激情の持ち主であることは有名ですが、表面上の輝きだけに焦点を合わすのではなく話の根底まで突きつめたマエストロの拘りこそ、今回のオペラの真価ではなかったかと感じています。

Q:ショナールについてお聞かせください。
デ・カローリス:
プッチーニ自身がこのショナールという音楽家の役に自分を投影させていたということはあまりにも有名な話です。“ラ・ボエーム”というオペラの実際救いのないストーリーが進行していくなかで、音楽家の出現は一筋の光なのですね。ショナールの出てくるところには動きがあり笑いがある。実際、貧しい芸術家たちの糧を運んでくるのもこのショナールですし、設定そのものがクリスマスということもあり、わたしにはサンタクロースのイメージと重なり合ってしまうのです。プッチーニがその姿に自分を映しながら舞台にいるような錯覚を楽しんだように、わたし自身もとても愛着をもちこの役をやらせていただいています。
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Q:トリノ王立歌劇場、そしてマエストロ・ノセダについてコメントをください。
デ・カローリス: 周りにいる芸術家のみんながいつも言っていることのひとつに、このトリノの劇場の環境のよさというものがあります。すべてに無駄が少なく常に最良を求める、この姿勢こそ我われの求めるものなのです。マエストロ・ノセダは古くからの友人ですが、彼の目指している精神も劇場のそれと一致していますね。我われもそこに連動しながらひとつの舞台を目指していくのです。

Q:日本のオペラファンにひとことお願いします。
デ・カローリス:
日本のオペラを愛する方々は、自分たちの支持する演奏家に対して恋愛感情を抱くほどに情熱を傾けてくれます。それが他の国々のファンとはかなり異なりますね。そのような温かい気持ちは舞台の上で大きな力になりますし、何より音楽家冥利に尽きるのです。日本公演をこころより楽しみにしております。

インタビュー・文:堂満 尚樹 (音楽ジャーナリスト / ミラノ在住)

posted by Japan Arts at 16:07 | トリノ王立歌劇場2010>インタビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月24日

森麻季インタビューとムゼッタの動画[トリノ王立歌劇場]


この夏、待望の初来日公演を行うトリノ王立歌劇場『ラ・ボエーム』で妖艶なムゼッタ役を歌う森麻季さん。一足先に行われた現地トリノでの公演では、オケと聴衆が手拍子で歌手を迎えるほどの、熱狂的なカーテンコールが巻き起こった。トリノ王立歌劇場〜テアトロ・レージョ・トリノといえば、プッチーニのこのオペラの初演が行われた「聖地」でもある。耳の肥えた聴衆をも虜にしたこの公演について、マエストロや共演の歌手について、森さんご自身に貴重なエピソードをお聞きしました。

―トリノでの公演は、大盛況だったとお聞きしています。
「カーテンコールの時、オーケストラが『ダン、ダン、ダン、ダン』と拍子をとって、お客さまの手拍子がそれと一体化しました。それは、『本当にすごい公演だった』ということらしいのです。オーケストラもただ「ブラボー」じゃなくて、感動を表してくれたのですね。指揮のジャナンドレア・ノセダさんも、ロドルフォ役のマルセロ・アルバレスさんも、喜んでいました。『見た?今日のお客さん、凄かったね!』って」
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―耳の肥えたトリノの聴衆も批評家の方も、我慢できずにホットになってしまったのでしょうね。
「ボエームを見つくしている方が『今回の演奏はすごく色々なことが納得できた』と仰っていたらしいのです。ミミが亡くなるラストシーンも、それまでに白けてしまうことがあるのに、今回は最後まで緊張があって、納得できたのだそうです」

―トリノのオーケストラにはどんな特徴がありましたか?
「彼らは毎日のようにオペラを演奏していて、そのオペラか身体の中にしみこんで、言葉もオーケストラの一人一人の方が理解している……ということが伝わってきました。皆ちょっと肩の力を抜いて、歌を聴きながら演奏している感じです。とにかく歌いやすい!オーケストラが主役という歌劇場もありますから(笑)。トリノの劇場も、歌っているこちら側からすると大きすぎず、すごくお客さんに響いている感覚を感じながら歌えました」

―マエストロ・ノセダとの相性はいかがでした?
「ムゼッタのアリアは、すごくアコーギグがあるというか、揺れるし、くせを持って歌うことが多いのです。でも、最初にマエストロとお稽古をさせていただいたときに、『そういうのを全部取り払って歌ってごらん。楽譜を忠実に再現すれば、もう形になっているんだよ』って仰って。最初は、さっぱりしすぎちゃうんじゃないかと思っていたのですけど、実際オーケストラと合わせると、本当に、意図的に何か加えなくても、自然に出てくるリズムや言葉の調子で表現になってゆくのです」

―オペラの達人のアドバイス、ですね。
「自分が「ああしなくちゃ、こうしなくちゃ」ではなくて、マエストロの手の中で泳がせてもらっている感じでした」

―歌手の方たちとはいかがでした?『ラ・ボエーム』は、男女の二重唱や、男女二組の四重唱など、チームワークが大切なシーンが多いですよね。
「皆さん、余裕があるんですよね。大歌手の方は皆そうなのですけれど、すごく気さくで優しいんですよ。人と合わせるのも、とてもお上手なんです。今回は特に、舞台裏では笑いが絶えませんでした。すごく悲しいオペラなのですが、楽屋は笑いっぱなし。舞台から帰ってきて、皆冗談ばかり言ってました。」

―そういう雰囲気の中で、森さんも生き生きと歌えたんですね。
「そうですね。言葉もイタリア語は少し出来ますし……とにかく周りの皆さんが全員気さくで、劇場の方もすごくプロフェッショナルでしたので、安心して歌うことが出来ました。以前はもっと心配症で、「こういう歌い方でいいのだろうか。こういう声で聞こえているのだろうか?」と、いつも不安が頭をよぎっていました。今は、「今日できる最高のことをやればいいのだ」という落ち着きを持てるようになりました」

―ところで、舞台での写真を拝見すると、ムゼッタは黒いドレスなんですね。
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「以前ムゼッタをやらせていただいたときは、スパンコールのミニスカートと豹柄の毛皮を着て登場したんですが……ヒッピー的な時代設定でしたから。今回は、貴婦人のような上品さと華やかさのあるムゼッタで、演技でもそれが伝わるようにしました。素敵な羽飾りとかショールとか、そういう衣裳をまとうと、自然に振る舞いが出来てくるんですよ」

インタビュー:小田島久恵
Photo: Alberto RamellaTeatro Regio di Torino

posted by Japan Arts at 17:58 | トリノ王立歌劇場2010>インタビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月06日

合唱指揮のガッビアーニより動画メッセージ[トリノ王立歌劇場]

東京のオペラの森で来日中のトリノ王立歌劇場、合唱団指揮のロベルト・ガッビアーニが今回の演目について語ってくれました。
ガッビアーニはイタリア合唱界の大家。30年以上にわたりスカラ座でムーティと共にオペラ界を盛り上げてきました。2008年からはトリノ王立歌劇場で合唱指導を始め、世界に誇れるレベルの高い合唱団へと成長させています。
posted by Japan Arts at 19:05 | トリノ王立歌劇場2010>インタビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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