2010年08月02日

最終公演レポート[トリノ王立歌劇場]

長い長いカーテンコール、いつまでも続く拍手!
全てのお客さま、スタッフとともに素晴らしい公演は、大成功のうちに幕を閉じることができました。
本当にありがとうございました!
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『日本のみなさま、ありがとうございました。
またお会いできるのを楽しみにしています!』

今日の舞台裏写真です。
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<舞台へ向かうデセイ。後姿からも気合が感じられます。>

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<ヴィオレッタが死ぬ間際にアルフレードの幻影に渡そうとする肖像。
客席からではとても見えないような細部までこだわっています。>

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<終演直後、みんなで “乾杯!”
デセイはお腹が空いてたようで差し入れのケーキをほお張っていました。>

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<「すべての皆さんに感謝しています。どうもありがとうございました。」と、マエストロ。>

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<とてもいい笑顔のポレンザーニとナウリ>

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<寿司のネタがプリントしてある傘をプレゼントされ、「蝶々夫人」と言いながらポーズをとるナウリ。
さっきまでジェルモンを歌っていた人とは思えないお茶目さ!>

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<本日は200人近いファンの方がサイン会に来て下さいました。
暑い中ありがとうございました!>
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2010年08月01日

「ラ・ボエーム」最終日レポート[トリノ王立歌劇場]

最終日も大成功の裡に幕を閉じました!
カーテンコールではオーケストラが足を鳴らし、それに合わせてお客様が手拍子。出演者が何度もステージに呼び戻されました。
会場全体が暖かな雰囲気となり、「ラ・ボエーム」に相応しい最終日となりました。
フリットリは役に入り込むあまり、幕の内側で涙ぐんでいたのが印象的でした。
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<かたく抱き合うフリットリとノセダ。長い付き合いの2人にしか分からない感動があるのでしょう。>

「ラ・ボエーム」チームは最終日という事もあり出演者同士で写真を撮り合うなど楽しい雰囲気でした。その楽しそうな様子をお届けします。
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<ファンからのプレゼントに付いていたリボンを頭に巻いてお茶目なフリットリ>

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<出番直前!家主ベノワ役のマッテオ・ペイローネ>

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<幕間に森さんとマエストロ。
マエストロはいつでも快く写真に応じてくれます。>

今回も、舞台裏のスタッフたちのインタビューすることができました。
トリノのスタッフから2人、日本人スタッフ3人で行っているヘア・メイクのチームです。
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<「日本の頼もしいスタッフたちと一緒に。>
― ヘア・メイクのお仕事の内容を具体的に教えてください。
メイクとヘア等、全般を担当しています。化粧をしてあげたり、カツラをつけたり直したり、地毛にも細工をしたりします。
続ければ続けるほど勉強することが出てくる、とてもやりがいのある仕事です。 

― 「椿姫」と「ラ・ボエーム」について、今回新たな発見などはありましたか?
化粧も髪型も、オーソドックスなスタイルなのであまり難しいことがなかったのですが、やはり早替えのときは慌しく大変です。
(「椿姫」第2幕と第3幕の間にあるヴィオレッタの早替えは、実は彼らが舞台まで行って替えているのです!)
イタリアと日本では気候や条件にいろいろと違いがありますが、それらはまったく問題なく、きわめてスムーズに仕事が進みました。

― メイクさんの立場から見て、難しいと感じる演目には何が挙げられますか?
プッチーニ「トゥーランドット」、ベルリオーズ「ファウストの劫罰」、そしてワーグナーオペラなどです。
キャラクターの強い登場人物を作り上げるのは大変ですね。
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<トリノ王立歌劇場で30年間働いているジョルジョさん>
残すは本日の「椿姫」最終日!美しく表情豊かなメイクやヘア、そして早替えにもご注目下さい!

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<合唱団指揮者のガッビアーニさんとノセダのマネージャー。
大成功に終わり、とても嬉しそうな様子でした。>

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<デセイとポレンザーニが駆けつけてくれました!>

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<この日は大勢の出演者がサイン会に参加。
暑い中ありがとうございました!>

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2010年07月30日

「椿姫」3日目レポート[トリノ王立歌劇場]

7月29日は「椿姫」3日目の公演が行われました。
この日も、デセイは舞台全体を使ってヴィオレッタを熱演し、観客の心を惹きつけました!

今回のインタビューは、美しい舞台を披露している裏で、懸命に劇場を支えるスタッフです。 
まずは、ソリストの楽屋前と舞台袖を行ったり来たりと大忙しの衣装スタッフのマリーサさん。 
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<左がマリーサさん。日本人スタッフと一緒に、この日の役目を終えたばかりのヴィオレッタの衣装のお手入れをしていました。>
―トリノ王立歌劇場で働いて何年になりますか?
16年です。それまでは、ふつうのお針子さんの仕事をしていました。 

―劇場での衣装のお仕事は、普通の服飾のお仕事とどのような違いがありますか?
普通の洋服をつくるなら、今の日常の生活に合うように作り、うまく着こなせていれば良いけれど、劇場用の衣装は、実際だれも見たことがない昔のものを作ったり着せたりしなければなりません。そして遠くから見た際に、見ばえがしなければならないので、視点を変えなければならないという難しさがあります。
また、公演回数が多いので、今ある衣装を手直しするなどの再利用が多いことは、とても効率が良いのですが、一から作り出すことが好きなので、もの足りなく感じる時があります。しかし近年の傾向で、オートクチュールのようなレベルの高いデザインが要求される事は、大変ですけれどとてもやりがいがあります。 

つぎに、劇場の広報の責任者“広報室コミュニケーション担当部長”パオラさんのお仕事。 
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<劇場が誇る敏腕広報!さすがイタリア、いつもお洒落です。>
―トリノ王立歌劇場で働いて何年になりますか?
「20年になります。」 

―他の劇場の広報とは「ここが違う!」というところを教えていただけますか?
「一番違うと思う点は、メディアやジャーナリストが、トリノ王立歌劇場のことを「真面目な劇場である」と知っているところです。
プレス担当はジャーナリストやメディアに対して、なんでも正直に話します。
私たちのこの姿勢は、結果的にメディアとの信頼関係を生み、それが仕事をやりやすくしているのです。 この関係は長い時間と地道な努力の積み重ねがなければ到達できませんでした。

―今はどのような広報活動に力を入れていますか?
新しいコミュニケーション・ツールの開拓です。
主要新聞社へは動画付のブログ配信をするなど、インターネット上(YOUTUBEやFACE BOOKなど)で、常に広く情報公開をするよう心がけています。その大きな目的は、若い世代や、オペラを知らない人たちに、オペラを身近に感じてもらうことです。
身近なインターネットに、劇場の情報をできるだけ載せておくことで、今劇場で何が上演されているのか、常に目に入ることとなります。その積み重ねは、「何か面白いものがやってないか」と調べる際に、「劇場に行く」ことを選択肢の中に入れてもらう事に繋がるのではないかと考えています。  

今回の日本公演の様子も、パオラさんが一人でiphoneで撮影して、その日のうちに編集して配信をしています。
前回よりさらに動画がアップされていました。ぜひご覧ください!
http://www.youtube.com/TeatroRegioTorino

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<終演後のジョルジョ・ジェルモン役のナウリ。
撮った写真をその場で見せたら「あれ?知っている人が写ってる(笑)」と、おどけていました。 >

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<サイン会の間もデセイ、ナウリ夫妻は仲が良く、楽しそうにしていました!
お客様の持ってきた楽譜について盛り上がっているところ。>

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<楽屋口でお待ちのお客様にサインをするアルフレード役のポレンザーニ>

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<こちらに向かってウィンク☆
お客様ひとりひとりに声をかけながらサインをしてくれたマエストロ。最後まで元気いっぱいです!>
 
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<日本ツアーも終盤に入り、出演者たちのサインがぎっしり書き込まれた記念ボード>

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2010年07月29日

「ラ・ボエーム」2日目レポート[トリノ王立歌劇場]

7月26日、「ラ・ボエーム」2日目は、多くののお客様からの割れんばかりの拍手と「ブラボー」で終演しました!
この日、聴衆の皆様はオーケストラの一音一音にまで耳を傾け、屋根裏部屋の4人の掛け合いでは笑いが起き、ミミが息を引き取る場面ではすすり泣きが聞こえ…。
会場全体と出演者が一体となって「ラ・ボエーム」の世界をつくり上げているような印象でした。

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フリットリに届いたゴージャスなお花、とてもいい匂い!

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いざ、オーケストラ・ピットへ!

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もう、始まりますよ〜。まだ着替え終わらないアルバレス。


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カーテンコール終了直後に記念撮影。
出演者同士、とても仲が良く楽しそうです。

公演終了後にマエストロ・ノセダとロドルフォ役のアルバレスから、この日の感想を聞けました。
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東京文化会館でのはじめてのラ・ボエームで、自分もすっきりと大変気持ち良く振れましたし、歌手も合唱もとても素晴らしかったです。観客の皆さんが感動してくれたことが、よく伝わってきました。幸せです。

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日本の方々は、“聴きどころ”や“聴き方”などオペラ鑑賞の準備をとてもよくしてきてくれるので、歌いながら大変手ごたえを感じることができました。これは、トリノ王立歌劇場と共演できたこととともに、とても大きな喜びでした。 

この日は“炎のマエストロ”小林研一郎さんが来場。 公演についてコメントを頂きました。
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久しぶりにイタリア・オペラの真髄を聴けた気がしました!
オーケストラは、本国での演奏とはまた違った音が出たのではないでしょうか。日本の聴衆がつくりだす特殊な「期待感」というのがひとつの渦となって、彼らの心と合致し、今日のような素敵なオペラが生まれたのだと思います。
そしてフリットリ、アルバレス、森さん等歌手の方みなさん、さすがですね!
ラストシーンの演出では、ロドルフォのミミに対する一つ一つの言葉や場面のセッティングに、イタリア人と日本人との感性の違いを少し感じましたが、幕の運びや、オーソドックスな舞台はとても素晴らしく、機会があれば是非トリノ王立歌劇場で指揮してみたいです(笑)  今日は素晴らしい演奏会でした。

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トリノ王立歌劇場の現地Tシャツ。 (※会場で販売はしておりません。)

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カローリスのフォトカード。
今回の来日のために作ったそう。これにサインを入れてファンの皆さんに配っていました。

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サイン会は今日も和気あいあい。

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2010年07月27日

「椿姫」2日目レポート[トリノ王立歌劇場]

7月26日、「椿姫」の2日目も多くの拍手と心温まるカーテンコールで幕を閉じました。
やはりあのヴィオレッタはデセイしかできない役なのではないでしょうか!
そして、ノセダとオーケストラの信頼関係が美しい音となって会場を感動させているのでした。
「椿姫」のこれからの公演は、29日、8月1日(完売)です。
良いお席はお早めに!


本日も、写真付き舞台裏レポートがございます。
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<本番直前、リードの最終チェック!念入りに。>

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<バンダの皆さん。こちらも準備完了です!>

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<「写真ちゃんと撮れた?」と、日本語がとてもお上手な方なのです。>

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<ひょこっ 「あ、どうも。ボンジョルノ〜」>

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<ひょこっ!
マエストロがじっとこっちを見ている・・・
しばらく見つめられ、ニヤリ、とマエストロ)>

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<本番直前にマエストロと最終チェックをするデセイ>

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<第一幕の本番中。
舞台袖にはマエストロと舞台を移すモニターがたくさんあります。>

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<第二幕へ転換中。あの草原は絨毯のような素材でした。>

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<カーテンコールを見つめるベルニャーノ総裁。
いつでも、どんな時でも劇場のメンバーを気遣うとても優しい総裁。>

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<カーテンコールの裏側。出演者の嬉しそうな笑顔が印象的でした。>

この日はコンサートマスターのステファノ・ヴァグネッリさんからコメントを頂きました。
ヴァグネッリさんはトリノ王立歌劇場オーケストラで20年間コンサートマスターとして活躍している方です。
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―日本公演への思い入れは?
私達にとってこの日本公演は、イタリアの劇場がイタリア・オペラを演じるという意味で、とても重要な意味を持っています。
イタリア・オペラの素晴らしさを改めて日本のお客様に感じて欲しい、そう強く願っています。
日本には10年以上も前にユース・オーケストラのツアーで訪れたことがあります。昨年9月、ピエモンテ州のイヴェントで久しぶりに来日し、人も親切で魅力的なところだと思いました。
今回日本公演が実現できて、とても幸せに感じています。

本日のサイン会。 
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<マエストロ・ノセダは一人一人と目を合わせながら丁寧にサインをしていました。>

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<デセイ&ナウリ夫妻は仲良くサイン会に参加!>
ファンの皆さん、遅くまでお待ち頂きありがとうございました。

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2010年07月26日

「ラ・ボエーム」初日レポート[トリノ王立歌劇場]

オーケストラの最後の音が鳴り終わり、拍手までの静けさ!
そして喝采!
本当に素晴らしい最高の「ラ・ボエーム」となりました。
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フリットリとアルバレスの歌声と迫真の演技に涙し、ノセダの音楽そして完成度の高い合唱に酔いしれたのではないでしょうか。

「ラ・ボエーム」は7月28日(水)≪S席・A席(S席は僅少!)≫、7月31日(土)≪売切れ≫です。
28日も売切れになる可能性がございます。お買い求めはお早めに!

この日は会場を魅了したフリットリにインタビューすることできました!そして写真も満載です。
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−久しぶりにミミを演じていかがでしたか?
13年前にミミを演じて以来、精神的にも年齢経験を積んだので、私の人生がミミを演じる事を受け入れられる様になりました。 ですので、このお話をノセダから頂いたとき、久しぶりにやってみる気になったのです。

―日本について
日本のお客様は大好きで、日本で演じることも大好きです。
もちろん 日本のお食事も・・・ お寿司、お刺身、大好きですよ!

―ノセダとは古くからのお付合いですが、音楽的には如何でしょうか?
ノセダとはコンサートピアニストで共演したりと20年以上のお付合い、音楽的にもとても分かり合える間柄です。
今日の「ラ・ボエーム」でのラストのシーンは、リハーサルと違ってとてもゆっくりしたテンポになりましたが、すんなり合せて歌えました。
楽譜自体はとても数学的なもの。その時のアーティストの気持ちと音楽がクロッシングすることによって、芸術的に、更に深く良いものになってゆくのです。マエストロはいつもアーティストの気持ちを汲み取ってくれるので、必ずしもリハーサルどおりに行うとは限りません。
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<愛娘のアリアンナちゃんと一緒に。>
公演直後にも関わらず、笑顔でインタビューに答えてくれました。
胸元のジュエリーは日本で買ったものだとか。

そして、日本の観客を魅了したもう一人の女性、森麻季さんに感想を頂きました。
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―今日の舞台を終えてのお気持ちは?
意外と緊張しました!
現地トリノと比べて共演者の皆さんも引き締まっていた気がします。 オーケストラも、ソリストも・・・。
皆で日本公演を成功させようという思いが舞台に現れていたのだと思います。 

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<森さんを待つカツラ。。。>

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<鶏肉料理が運ばれてきて盛り付けをしています。本物です。美味しそう〜>

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<本番前の緊張しているところへお邪魔して記念撮影。
みんな、礼儀正しくてとっても可愛らしかったです。あと2日間頑張ってくださいね!>

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<森さんからの差し入れのクッキーに群がる出演者たち。>

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<ムゼッタに蹴られる娼婦役の女性。>

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<2幕が終了しました。舞台袖から出てきたフリットリにカメラを向けるとニッコリ。>

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<ショナール役のカローリスもカメラ目線で>

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<いろいろな物を撮るベルニャーノ総裁。>

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<アルバレスとフリットリ>

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<真剣にサインを書くマエストロ・ノセダ>

そして、出演者が会場を出た後は東京文化会館に舞台装置を移す準備です。
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搬出口の様子。トラックに隙間が全くない位に積んでいきます。業界用語で“がん積み”!
(文字通り「がんがん」積んでいきます!) 

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終演後4時間半が経過。
観客のいない劇場にピアノがぽつり…
23時55分、神奈川県民ホール退館。
今日も大勢のテクニカル・スタッフさんに感謝 m(_ _)m でした!

カーテンコールの写真:三浦興一

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2010年07月24日

初日レポート[トリノ王立歌劇場]

トリノ王立歌劇場の初来日公演、開幕!
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音楽監督ジャナンドレア・ノセダ率いるトリノ王立歌劇場の日本初来日公演は、ナタリー・デセイ主演の「椿姫」で開幕しました。
ローラン・ペリの演出はまさにデセイの為に創られたと実感できる舞台で、お馴染のオペラに新鮮さを吹き込みました。
デセイのオペラ女優としての存在感、ポレンザーニのアルフレード、ナウリのジェルモン、ガッビアーニに指導された迫力の合唱、そして全てをがっちりと掌握して最も大きな存在感を示したノセダによるオーケストラ!
全てが高水準で、会場のお客様から大喝采を受けました。
出演者や劇場が成功に向けて一丸となってきた姿勢が良く伝わる温かな雰囲気のカーテンコールとなりました。
「椿姫」のこれからの公演は、7月26日、29日、8月1日(完売)です。

インタビューや楽しい写真が撮れました。
公演直後、ノセダにインタビューができました。
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<甚平を着たマエストロ。ヴェルニャーノ総裁と一緒に。>
―たった今、公演を終えた感想をお聞かせください。

素晴らしい気分で、アドレナリンが出ています!
とても大きな幸せとともにまた責任が大きくなったと感じています。
。。。ビール飲みたいですね!

―トリノ王立歌劇場とは初めての日本ですね。
自分が芸術監督をしている劇場を連れてきての成功はひときわ嬉しいですね。
そして“イタリアらしさ”を存分に伝えられた事がさらなる喜びです。

―日本の聴衆について。
大好きです、愛しています!
聴くべき音楽を完璧な静けさをキープしてきちんと聴いてくれますね。
音楽そのものにとても強い愛を持ってくれている。素晴らしい!

―トリノのメンバーについて
いつもイタリアで一緒に仕事をしている仲間ですが、確実に絆が強まりました。
家族がいつも一緒に家にいるよりも旅行したりする方が絆が深まるように、この劇場ではまさにそのような私の家族です。今後の仕事にこのツアーの思い出は役に立つことでしょう。

―今回の出演者について。
デセイ、ナウリはあまり来日しないので、貴重な存在だと思います。
でも準主役級も合わせ、みな実力以上の歌を歌ってくれました。お互いにすごくよい刺激になったに違いありません。

―ありがとうございました。


女性合唱3人組
通路でおしゃべりしていたところをキャッチ。
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<写真左からメッセージをもらいました>
アントネッラ・マルティン
初めて日本に来ました。緊張していますが、思う存分力を発揮しますので、ぜひ日本の皆さんに楽しんで頂けると嬉しいです。
ラウラ・ランフランキ
地中海の情熱の国から来た私たちとは全く文化が違うのに、日本人のスタッフの皆さんが一緒になって良い舞台を作ろうと一生懸命頑張ってくれていて、本当に素晴らしいと思います。
クリスティーナ・コーニョ
日本に来てからずっと日本食を食べています。イタリアでも日本食レストランがあって良く行くのですが、日本ではメニューが全く読めないので大変・・。
でも何を食べても本当においしくて、スパゲッティが食べたい!なんて全く思いません。パンとバターとワサビがあったら生きていけるわ!(笑)

ロベルト・ガッビアーニ氏(合唱指揮者)
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<いつも笑顔が素敵です。>
日本への引越し公演を行うにあたり、私は合唱のメンバーに日本の文化についていろいろと伝え、気を引き締めて準備するように伝えました。その結果、今回来日している合唱団の仕上がりは非常に素晴らしく、最高だと言えると思います。東京文化会館は世界中の著名なアーティストが来日して歌うホールです。この素晴らしいステージに立てる事、これも合唱団の気持ちを引き締める大きな一因になっていると思います。
私は日本の合唱団と一緒に仕事をする機会もありますが、日本の合唱団は私がやって欲しいと要求したことをいつも一生懸命にやろうとしてくれて、一緒に仕事をしていていつも幸せに感じます。

《おまけ》
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終演後は初日の大成功をお祝いしてシャンパンで乾杯!
ナタリー・デセイ、ローラン・ナウリ夫妻もご機嫌な様子!

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劇場の広報担当パオラさん。いつもiphoneを片手に動画を撮って劇場のFacebookで紹介をしています。
劇場のFacebookこちら
この日、23日はお誕生日でした!皆でハッピーバースデイを歌ってお祝いしました。

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今年3月にトリノで指揮をした佐渡裕さんから日本公演初日のお祝いでビールの差し入れがありました。
団員たちも大喜びで、初日の大成功を佐渡さんのビールでかんばーい!

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そして佐渡さんより、メッセージも頂きました!

25日は神奈川県民ホールで「ラ・ボエーム」です。

カーテンコールの写真:三浦興一
posted by Japan Arts at 18:24 | トリノ王立歌劇場2010>レポート | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月23日

「ラ・ボエーム」リハーサル・レポート[トリノ王立歌劇場]

7月22日(木)は神奈川県民ホールでドレス・リハーサルが行われました。
1幕、ロドルフォ役のアルバレスが「冷たい手を」に続いて、ミミ役のフリットリが「私の名はミミ」を歌い終わると、リハーサルを観ていたスタッフから拍手が起こりました。

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2幕の「カフェ・モミュス」に出演する大勢の人。
スタッフも通れないぐらいの混雑でした。

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杉並児童合唱団も少し緊張していましたが、頑張っていました。

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モミュスでは日本人のエキストラがウェイター役で働いています。
出されている鶏肉料理は本物でした。

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マエストロ・ノセダがオーケストラにダメ出し中。
なかなか幕が開かないので、待機中。

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やっと、幕が開きました!

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ムゼッタ役の森麻季さんが出ると舞台が華やぎます。
「私が町を歩くと」で会場は魅了されることでしょう!

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カーテンコールの練習。

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足元の雪はどうなっているかというと。綿が付いたマットを敷き詰めていました。。
ボリュームが出るように毛羽立たせています。

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リハーサルも本番さながらの指揮をするノセダ。

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ミミの告別のアリアで会場はしっとりと。

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雪をお掃除、お掃除!

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4幕、コッリーネ役のウリヴィエーリが「古い外套よ」で美しい声を響かせます。

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ミミが息を引き取り、ロドルフォが抱きしめます。
リハーサルでもスタッフたちが涙涙でした。
本番では会場中が涙に包まれること間違いなしです。

≪おまけ写真≫
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オーケストラ・ピット。
団員たちはイタリア人らしいカラフルな服を着ている人が多かったです。
そして、気さくで明るい人が多いです!舞台裏はいつもにぎやか。

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こんな靴を履いているトリノのスタッフを発見!
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トリノ王立歌劇場、初来日記念記者会見レポート

7月21日(水)東京文化会館で記者会見が行われました。
ヴェルニャーノ総裁、ノセダ、フリットリ、アルバレス、森麻季、カローリスが出席、会見は終始和やかで明るい雰囲気となりました。
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ヴァルター・ヴェルニャーノ総裁より
 今回はジャパン・アーツと朝日新聞のご協力により、イタリア文化の象徴とも言えるオペラを代表する二つの演目を上演できますことに、非常に大きな意義があることを特に申し上げたいと思います。

ジャナンドレア・ノセダ氏(音楽監督・指揮)より
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 世界のトップクラスの歌劇場の一つとしてトリノ歌劇場は今回、イタリア・オペラを代表する作曲家による宝石のように輝く演目を上演します。オーケストラや多数のスタッフ、
そして長い間世界のトップ・レベルをゆく星のような歌手たち、それぞれが質の高いレベルで活動していることによって、全体としてさらに高いレベルの公演が実現しています。

バルバラ・フリットリ
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今年はデビュー20周年。この記念すべき年に素晴らしいトリノ王立歌劇場、初の日本公演で歌えることを大変悦ばしく思っています。
また、名前こそわからないけれど、私が日本に来るたびいつも見に来て下さる見なれた顔のお客がこの公演にも来て下さるのだと思うと、本当に嬉しさを押さえきれない思いです。

マルセロ・アルバレス
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 私が最後に日本に来たのは2004年の「ランメルモールのルチア」でした。それからまた来たかったのですが、なかなか実現しなかったのですが、今回、大好きなトリノ歌劇場で日本に来ることが出来て、とても嬉しいです。日本の食べ物も楽しみです。

森麻季
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トリノで初演された「ラ・ボエーム」をこのように素晴らしい歌手の人たちと歌えることは大きな喜びです。トリノで参加した「ラ・ボエーム」はスタンディング・オベーションでした。日本でもベストを尽くしたいと思います。

≪質疑応答≫
Q:トリノ歌劇場で初演された「ラ・ボエーム」を指揮する際のポイントは?
A(ノセダ):かつて名指揮者トスカニーニは、オペラの上演では言葉と音楽との密接な関係が重要であり、言葉を重視することによって音楽が生きてくることを強調していましたが、私も同じです。また、「指揮台に立つときが、いつも初演」という意識で指揮しています。それから、かつてバーンスタインが言っていたことですが、指揮者の意識はオーケストラに伝わり、それは合唱に、そしてソリストへと伝わり、それが今度は歓喜となってまた指揮者に戻ってくるという生き生きとした循環があるのです。私はそれを意識しており、
そのためにルーティンから開放されるのです。

Q:伝統あるトリノ歌劇場の芸術的な強みというのは今回の2演目にどう生かされていますか?
A(ノセダ):
「椿姫」については、ペリの演出は初演に忠実にということを心がけています。高級娼婦の存在という当時の反社会的な意味あいを忠実に表現しています。そのような社会のままで良いのか、という問いかけがそこには含まれています。
 「ラ・ボエーム」については、ミミ(フリットリ)とロドルフォ(アルバレス)のキャスティングそのものにあります。つまり、若い歌手でなく敢えてある程度経験を経た歌手が演じ歌うことにより、若い歌手では及ばない作品そのものの深い理解に基づく歌唱と演技が実現しています。つまり、作品の本質により近づくことが出来るのです。

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2010年07月21日

エキストラ・リハーサルをレポート<ラ・ボエーム>[トリノ王立歌劇場]


東京文化会館で記者会見が行われている頃、
神奈川県民ホールでは「ラ・ボエーム」のエキストラ・リハーサルが行われました。


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ソリスト、合唱団が東京文化会館にいるため、劇場のミュージック・コラボレーターが
ミミ、ムゼッタ、ロドルフォ、マルチェッロ、その他合唱を含めた全ての役を、なんと一人で担当!
声の幅が広い!!


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大繁盛のカフェ・モミュスには、ひっきりなしに注文が・・・
中で働くウェイトレスさんは、こんなオーダーシートを見ながら飲み物・食べ物を準備していきます。
解読すると、左上から「注文番号」→「ウェイター番号」→「テーブル番号」、
準備するのはワインボトル1本とグラス2個。
アイディア賞☆


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演出家からは「ブラビッシモ!!!」が連発!
トリノに連れて帰りたい!と大絶賛を受けた、杉並児童合唱団の子供たち。
下手前でおもちゃ屋さんを取り囲みます。


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第2幕は華やかなステージ・ミュージシャンの行進で幕。



25日の初日に向けて準備万端!な、エキストラの方たちの様子をお伝えしました!

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2010年07月20日

舞台設営2日目レポート<ラ・ボエーム> [トリノ王立歌劇場]

神奈川県民ホールでは舞台設営2日目に入りました。
大道具と小道具はほぼ完成です。
ただいま、転換稽古中!劇場が変わると結構大変なのです。 それが終わったら照明さん達の出番です。

まずは舞台の涼しい写真をお送りします。
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気がつけば舞台は真冬…、日本の夏の暑さを忘れてしまいます。

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屋根裏の中のセットも順調です。

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小物の作りこみはまるで本物… 

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仕事の後はカフェ・モミュスで一杯飲んでから…!

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2010年07月19日

舞台設営レポート<ラ・ボエーム> [トリノ王立歌劇場]

さて、同じ日に神奈川県民ホールで「ラ・ボエーム」の舞台設営がありました。

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大型トラックで舞台装置と衣装などが続々と搬入されて来ます。
大勢のスタッフで一気に運び込みます!

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舞台上ではトリノのスタッフがセッティングの最終確認中です。

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夕方頃にはあっという間に大きなセットは組みあがっていました。

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2幕で登場する「カフェ・モミュス」のセット

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実は中もしっかり作られていて、舞台ではウェイターが忙しく動いています。
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舞台設営レポート<椿姫> [トリノ王立歌劇場]

23日の初日へ向けて舞台セットが東京文化会館に搬入されました。
イタリアの舞台スタッフのほとんどが初めての日本!移動中や駅では写真を沢山撮り東京をとても楽しんでいました。

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舞台の設計図。舞台設営では無線機が必需品!

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衣裳が入ったコンテナが沢山。

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衣裳部屋。鮮やかなピンク色のヴィオレッタの衣裳が。

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楽屋のネーム表示はイタリアのスタッフが作ってきたもの。
綺麗にレイアウトまでされていました!

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天井に吊るされたシャンデリア。

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1幕・3幕で使われる舞台セット。大きなボックスを積み上げていきます。

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2幕、プロヴァンスの背景セット。

間もなく歌手も来日します。本番が楽しみです!
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“ノセダの汗” ― 写真家が見た舞台裏 ―

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 トリノ王立歌劇場の日本公演のため、昨年10月当地を訪れた私は、ありきたりの劇場紹介ではない何か新たな視点を求めて撮影を続けていました。芸術都市トリノの横顔も、優秀な職人が集う歌劇場の舞台裏の人間模様もどれも魅力に溢れ、私は無心にシャッターを切りました。しかし、何よりも私の心を捉えて離さなかったのが、音楽監督としてこの伝統の歌劇場を統括するジャナンドレア・ノセダの存在感でした。インタビューに現れたマエストロはまっすぐにこちらを見据えながら、情熱的にトリノと歌劇場に対する愛情を語ってくれました。慎重に言葉を選びながらも自らの信念を語るその姿はどこか哲学者のよう。世界中の音楽ファンを魅了し、劇場のスタッフの絶大なる信頼を集めるこのカリスマの、舞台の表と裏のすべての表情を追いかけたい。そう思った私はインタビューの直後に無理を承知でマエストロにその想いをぶつけてみました。多くの大物指揮者は演奏中の撮影をことのほか嫌います。また幕間の舞台裏の撮影など通常は許されないものです。ところが劇場サイドの強力なプッシュもあって、「椿姫」の公演中での撮影が許されたのです。
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 開幕とともに舞台袖のボックス席でカメラを構えた私は、ピットに立つノセダの姿を追いました。全身を使って激しくタクトを降り、時に繊細に、時に情熱的にオーケストラに語りかけるマエストロ。胸板の厚いがっしりとした身体が鷹のように大きく舞い、一方で真摯に譜面と向き合う姿はどこか静けさにも満ちていました。
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 第二幕が終わる直前に私はスタッフに促され、舞台裏へと急行しました。まもなく前半の演奏を終えたマエストロがここを通過する。撮影できるのはほんの一瞬。果たしてどんな姿を目にすることができるのか、カメラを手にする私に緊張が走りました。やがて大喝采が巻き起こるとノセダが裏口から現れました。全身汗まみれの身体からもうもうと湯気が立ち上り、悠然と通用路を進んで行きます。顔は紅潮し、鋭い眼光には一点の曇りもありません。険しい表情を浮かべたままでしたが、会心の演奏に満足したのか、こちらに向かって一度だけ大きくうなずきました。シャワーを浴び、ガウン姿で再び現れた彼は、「良い写真が撮れたかな」と声をかけてきてくれました。「残りの舞台も楽しみにしてほしい」そう言って満面の笑顔を浮かべていました。
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 その後、新たなタキシードに着替えたノセダは、鏡の前で息を整えていきます。柔和だった表情に厳しさが戻り、再び聴衆が待つ舞台へと走り去っていきました。舞台裏で見せた緊迫の表情と柔和な笑顔…。音楽の聖職者として孤高の道を歩むカリスマが、人間味溢れる姿を見せた一瞬の出来事でした。観衆はもとより、楽団員のすべてを魅了するマエストロ。ノセダ率いるトリノ王立歌劇場の日本公演がまもなくその幕を開きます。
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文・写真:田中克佳 (ニューヨーク在住)
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2010年07月15日

トリノ王立歌劇場の日本人ヴァイオリン奏者、刑部さんから近況レポート

今年で入団10年目を迎えるトリノ王立歌劇場のヴァイオリン奏者、刑部朋果さんからオーケストラの近況報告が届きました。
毎日忙しい劇場のオーケストラももうすぐ来日です!

昨日で今シーズンに予定されていたすべての公演が終わりました。
最後にやったのはロッシーニのアルジェのイタリア女でトリノ近郊のラッコニージという町にあるサヴォイア家ゆかりのお城の中庭での公演でした。コウノトリがいたりして、なかなか雰囲気のある会場なのですが、演奏するほうは湿気と蚊との戦いで辛いものがありました。
この一ヶ月くらいレジョのオケはずいぶんと忙しく、レコーディングも二回ありました。一つはニノ・ロータの作品集でシンフォニーやバリー・ダグラスのピアノでピアノ協奏曲、オーケストラとコントラバスのためのディヴェルティメント〔コントラバスソリストはオケのコンバス主席のダヴィデ・ボットでした〕。
もう一つはバス バリトン歌手イルデブランド・ダルカンジェロとモーツアルトのアリア集でした。
指揮者はいずれもマエストロ・ノセダです。レコーディングはとても精密な技術と集中力が要求されてオーケストラの成長にとってもすごく有意義なものだと痛感しました。
マエストロ・ノセダとオケのフィーリングもこのレコーディングによってさらに良くなり、音楽的にも人間的にも信頼と協力関係がいっそう深まった感じです。
さて、これからの予定ですが、金曜日にはいよいよ日本公演にむけての練習がはじまります。それと同時にヴェルディの聖歌四編のレコーディングも入っていて、忙しいスケジュールです。そのレコーディングに参加しないメンバーは“フィラルモニカ900”という、劇場のオケのメンバーによって結成された自主運営のオーケストラでアルトアディジェ地方の町にミニ演奏旅行に出かけます。
それが全部終わってから7月19日に日本へ出発するわけです。最近のトリノの動きはこんな感じです。
毎日暑くて、湿度もかなりありますが日本ほどではないので、私は「日本はもっと湿度が高くてじとじとしているよ」と同僚を脅かしたりしています!?
オケ一同、日本に行くのをとても楽しみにしています。

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2010年07月05日

ローラン・ペリの演出について[トリノ王立歌劇場]

 ローラン・ペリ演出の「椿姫」をビデオで観た。昨年8月にサンタフェでの上演の際に録画されたものである。
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 照明がかすかに舞台を照らすと、闇に複数の直方体が浮かび上がる。その間を棺を担いだ人々と傘を差してそれに従う人々がゆっくりと移動し、その最後にアルフレッドが付き従う。最後までこの装置の根幹は変わらないが、この序奏では場面はヴィオレッタが葬られるパリの墓地を表現している。幕を下ろして演奏することも可能な場面だが、あえてこうした枠組みを与えたところに演出家としてのペリの意図がうかがえる。
 これは、デュマ・フィス原作の小説の最初に、「物語に登場する人物は実在で、ヒロイン以外は皆、今生きている人たちです」とあることに依拠している。この話が作り話ではなく、現実の話であることを強調している。またヒロインのヴィオレッタがcourtisane(クルティザーヌ)と呼ばれた高級娼婦であることがオペラ台本でぼかされているのを、あえて白日の下にさらし、いわばドキュメンタリーとして物語を提示しようとしている。
 実際、「椿姫」のフランチェスコ・マリア・ピアーヴェのイタリア語の台本は当時パリに比べはるかに保守的だったイタリアの観客に配慮したために、アレクサンドル・デュマ・フィスの原作が持つアクチュアリティ、生々しさが弱められている。原作が発表された当時、風紀の緩んだパリでさえ大スキャンダルを巻き起こしただけに、台本作家による軌道修正は賢明ではあるが、ヒロイン像はよく言えば「純化」、直裁に言うならきれいごとにしてしまっている。今回の公演は20年前にオペラ歌手生活を始めてから、ヴィオレッタをいつかは歌いたいと望んでいたナタリー・デセイが娼婦というヒロインの本性に持ち前の演技力を武器に正面から向き合おうとしたことに特徴がある。デセイをよく知る演出家はこの意図を汲み取って舞台を作っている。
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 ヴァイオリンの高音が静かに消え、左右から二人の男性に担ぎ上げられて直方体の一つの上にナタリー・デセイが嬌声をあげて飛び乗るところで、一転して第1幕の夜会となる。照明が上がり、ピンクのドレスを着たデセイを現代風の夜会服の男女が取り巻いている。箱から箱へと飛び移ったり、男性に抱きかかえられたり、とあわただしい動きの中でも何事もないかのように歌えるのはデセイならではだろう。歌手たちの動きだけで誰もが現在のパリの宴に連なっているように感じられる。墓地の静寂が支配する序奏部分とのコントラストは鮮やかだ。会衆が去った後、「いつも自由に」Sempre liberaから終幕までは完全なデセイの一人舞台となるが、歌手になる前に女優を目指していた人ならではの演技は見ごたえがある。
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 第2幕第1場は舞台前面が牧歌的な田園になり、右手は家である。ヴィオレッタは白の上着にズボンをはいて、リラックスしている。それでも、照明が当たっていない後方はパリの夜の生活を暗示する闇に沈んでおり、いつ緑に包まれた田舎暮らしを再び呑みこむか予断を許さない。
 第2場は天井から下がったシャンデリアのきらめきがパリの夜会へと見る人を呼び戻し、直方体は賭博のためのテーブルになる。考え抜かれた照明と参会者の動きがアルフレードとヴィオレッタの感情の動きを明快に浮かび上がらせている。
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 第3幕は序奏が流れる間に直方体の上に白いベッドカバーがかけられ、ヴィオレッタの病室に転換する。照明がヒロインだけに当てられているために、女中や医師、ジェルモン父子は影絵のようになっており、存在感がない。ヴィオレッタの想像に過ぎないのだろう。事実、「痛みがなくなったわ。」という台詞のところでジェルモン父子と医師は姿を消し、ヒロインはたった一人で、しかしあくまでも自由に、完璧に孤独な死を迎える。
 フランコ・ゼッフィレッリの演出に代表されるような、ぜいたくな金ぴかの装置を期待していた人は少なからず戸惑いと感じるだろうが、「娼婦としての椿姫」という視点が一貫したペリの演出は明快で強烈なインパクトがある。デュマ・フィスの原作に戻ってヒロイン像を捉え直す試みとしては、パリ国立オペラ座のレパートリーに入っているジョン・ノイマイヤー振付の「椿姫」がある。ノイマイヤーは小説に描かれた通り、ヒロインの遺品を競売する場面からはじめている。最も印象深い場面は郊外の家からパリに駆けつけた若者がすでに別の男の腕に抱かれているヒロインを目前にして崩折れる場面である。娼婦としての椿姫に正面から光を当てている点で、ペリの演出と通じている。
 1962年生まれのローラン・ペリはまず演劇の演出家として出発した。1980年に自分の劇団「ル・ペリカン」を創設し、ストリンドベルクの「死の舞踏」やオデオン座でのシェークスピア「恋の骨折り損」といった古典から現代まで幅広い劇作を演出してきた。
 1997年にリヨンオペラでナタリー・デセイとローラン・ナウリが出演したオッフェンバックの「天国と地獄」が始めてのオペラ演出となった。(指揮はマルク・ミンコフスキ)DVDにもなった1999年のパリ国立オペラ座のラモー「プラテ」や2006年のドニゼッティ「愛の妙薬」、今年5月のジョゼ・ファン・ダムのさよなら公演となったブリュッセル王立モネ歌劇場のマスネ「ドンキショット」(ドンキホーテ)など欧州の主要歌劇場で精力的に活動している。
 天井までに藁を積み上げた「愛の妙薬」やヒロインのバルコニーの下に騎士物語と恋文の山がうずたかく積まれた「ドンキショット」など、寓意に富み、遊びの要素を盛り込んだ装置を使う。演劇人ならではの巧みな演技指導や群衆の動き、陰影に富んだ照明もあいまって、舞台のたのしさと登場人物の心理の徹底的な探求の双方を充たした演出を実現し、欧米のオペラファンから圧倒的な人気を博している。また、作品によってアプローチががらりと変わるところも、どの作品でも類型化した舞台作りを繰り返している演出家たちから一線を画している。

文:三光 洋(音楽ジャーナリスト / パリ在住)
photo: 田中克佳 / Ken Howard

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2010年06月23日

トリノ王立歌劇場 裏方スタッフが表舞台に!?[トリノ王立歌劇場]

現地トリノで5月末に上演された「ラ・ボエーム」の1、2幕の幕間での出来事です。
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1幕のカーテンコールの後、なんと、緞帳が上げられ舞台転換の作業風景が観衆へ披露されました。

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大掛かりな設置作業や、小道具の配備まで、劇場スタッフはヘルメットを被り、テキパキと作業を進め
る姿はなかなか目にする機会がなく、とても貴重な日でした!
これは、日本でもニュースで報じられた、イタリア政府による財政緊縮策による芸術・文化関連予算カットに対して抗議の意味を込めた、劇場側の演出。
イタリア国内の他の歌劇場でも、それぞれの方法で抗議の動きが見られた中、トリノ王立歌劇場の、このユニークな方法は評判を呼びました。

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この日のために、裏方スタッフはリハーサルをしたそうで、スタッフの皆さんの動きは整然として、スマートです。
休憩中の緞帳の裏では、いつもこんなに大勢の人が働いていたんですね!

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現地取材をしたジャパン・アーツのスタッフは、劇場で働く人全てから、プロとしての意識の高さを強く感じたと言います。

ムゼッタ役で出演の森麻季からも、次のようなエピソードを聞けました。
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以前ブログでのお伝えしましたが、急遽決まった代役出演の際、少ない時間のなかで、振付指導は的確で分かりやすく行われました。
衣装スタッフは、嫌な顔ひとつせず、テキパキとドレスのサイズ合わせをし、合う靴を走り回って探し、あっという間に、ムゼッタの準備が整いました。
劇場スタッフ全員の仕事がスマートで、すばらしい舞台をつくるためには労を惜しまない姿勢が感じられたそうです。
すばらしい舞台は、すばらしいスタッフたちに支えられていることを再認識させられたエピソードでした。

日本公演にも大勢の裏方スタッフが来日します。
来日してからの舞台裏の様子もレポート予定です。どうぞお楽しみ!
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2010年06月22日

朝日新聞主催、イタリア・オペラ レクチャー・レポート[トリノ王立歌劇場]

6月21日東京・九段下のイタリア文化会館で、朝日新聞購読者を対象にした「トリノ王立歌劇場 イタリア・オペラ レクチャー」が開催されました。多くの応募の中から当選された300名の皆様がご来場。
トリノ出身のダリオ・ポリッスィさんをお招きし、楽しいお話と共に前半はトリノの町並みや豪華な劇場の写真をご覧頂き、後半は「椿姫」や最新のトリノでの「ラ・ボエーム」の映像を披露。分かりやすい解説に、来日公演の期待が高まりました。
ロビーでは、プッチーニゆかりのジノリワインの試飲・販売も行われ、ご来場頂いたお客様もイタリア・ムードをたっぷりと楽しんで頂けたご様子でした。

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イタリア文化会館 館長ウンベルト・ドナーティ氏による挨拶がありました。

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ダリオ氏のレクチャーの様子。
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2010年05月28日

ムゼッタ役森麻季の舞台写真が到着!

現地より森麻季さんの舞台姿も届きました。
艶やかな姿がムゼッタそのもの。
美しい歌声が観客を魅了しました。
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≪第2幕 カフェ・モミュスでの有名なシーンで≫

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≪マルチェッロ役のガヴリエーレ・ヴィヴィアーニと≫

photo:Fondazione Teatro Regio di Torino

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2010年05月27日

トリノでも大絶賛の「ラ・ボエーム」レポート

トリノ王立歌劇場で現地時間の5月26日夜、日本公演と同キャストによる「ラ・ボエーム」の公演がありました。
全てが上質で計算され練り上げられた舞台で、「舞台が終わりオーケストラの音が消えた途端に思わず涙が流れ、その後にじわ〜っと幸せな気持ちで一杯になりました」とのレポートが届きました。
ミミ役のフリットリ、ロドルフォ役のアルバレスも熱唱。
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「冷たき手を」のアリアが終わると、アルバレスの圧倒的な歌声に、劇場中が拍手とブラボーの声の堝に包まれました。今まさに絶頂期を迎えている世界トップクラスのテノール、アルバレスの熱演は絶対に聴き逃せません!!
またノセダ指揮によるオーケストラの演奏も抜群。とても自然に美しく、舞台を盛り上げていたそうです。
そんな舞台に立った森麻季。決して他の外国人キャストの中で、見た目も歌声も見劣り聴き劣りすることもなく、いつものように美しい歌声を響かせて、舞台で輝いていたそうです。

どこをとっても見所聴き所満載の舞台。
初来日公演が待ち遠しくなりました!

*写真はリハーサルの様子(C)Fondazione Teatro Regio di Torino

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