2011年02月17日

2/16「ロシア音楽の夕べ」についてのお知らせ

「ロシア音楽の夕べ」のプログラム第1曲、チャイコフスキー:序曲「1812年」は、指揮者ゲルギエフの意向により、管弦楽のみの版による上演となりました。
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2011年02月10日

豪華プログラムの魅力![マリインスキー・オペラ]

いよいよ12日よりマリインスキー・オペラが開幕します!
当日会場では濃密な内容のプログラムをお求め頂けます。
mariinsky2011.jpg
事前購入も可能です!
詳しくはこちらをご覧下さい。

▼一部ですが内容をPDFでご覧いただけます!!画像をクリック!▼
schatten.jpg
turandot.jpg 
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2011年02月09日

予定上演時間[マリインスキー・オペラ]

各演目の予定上演時間です。
上演時間はだいたいの目安となります。(変更になる場合がございます。)

2/12(土) 「影のない女」 東京文化会館
15:15 開場/16:00 開演
     第1幕 ≪65分≫
        ┃
17:10 休憩 ≪30分≫
        ┃
     第2幕 ≪65分≫
        ┃
18:45 休憩 ≪30分≫
        ┃
     第3幕 ≪65分≫
        ┃
20:25 終演(予定)



2/13(日) 「影のない女」東京文化会館
13:15 開場/14:00 開演
     第1幕 ≪65分≫
        ┃
15:10 休憩 ≪30分≫
        ┃
     第2幕 ≪65分≫
        ┃
16:45 休憩 ≪30分≫
        ┃
     第3幕 ≪65分≫
        ┃
18:25 終演(予定)



2/14(月) 「トロイアの人々」 サントリーホール
18:00 開場/18:30 開演
      第1部(第1幕&第2幕) ≪約90分≫
       第1幕 ≪62分≫
       第2幕 ≪27分≫
        ┃
20:00 休憩 ≪20分≫
        ┃
20:20 第2部(第3幕・第4幕・第5幕) ≪125分≫
       第3幕 ≪45分≫
       第4幕 ≪30分≫
       第5幕 ≪47分≫
        ┃
22:30 終演(予定)



2/15(火) 「ワーグナーの夕べ」 サントリーホール
18:30 開場/19:00 開演
      第1部 ≪約30分≫
      「ローエングリン」第1幕への前奏曲 ≪10分≫
      「ローエングリン」第3幕への前奏曲 ≪3分≫
      「タンホイザー」序曲 ≪15分≫
        ┃
19:30 休憩 ≪20分≫
        ┃
19:55 第2部 ≪約85分≫
      「パルジファル」より第3幕 ≪85分≫
        ┃
21:25 終演(予定)



2/16(水) 「ロシア音楽の夕べ」 横浜みなとみらいホール
18:30 開場/19:00 開演
     第1部 ≪約48分≫
     チャイコフスキー:序曲「1812年」 ≪16分≫
     リムスキー=コルサコフ:歌劇「ムラーダ」より“貴族たちの行進” ≪4分≫       
     ムソルグスキー:「ボリス・ゴドゥノフ」より“戴冠式の場” ≪10分≫
     ボロディン:「イーゴリ公」より コンチャク汗のアリア〜だったん人の踊り ≪16分≫
        ┃
19:50 休憩 ≪20分≫
        ┃
20:10 第2部 ≪45分≫
     ショスタコーヴィチ:交響曲第5番 ≪45分≫
        ┃
21:05 終演(予定)



2/18(金) 「トゥーランドット」 NHKホール
17:45 開場/18:30 開演
     第1部(第1幕・第2幕) ≪80分≫
        ┃
20:00 休憩 ≪30分≫
        ┃
20:30 第2部(第3幕) ≪40分≫
        ┃
21:10 終演(予定)



2/19(土) 「トゥーランドット」 NHKホール
13:15 開場/14:00 開演
     第1部(第1幕・第2幕) ≪80分≫
        ┃
15:30 休憩 ≪30分≫
        ┃
16:00 第2部(第3幕) ≪40分≫
        ┃
16:40 終演(予定)



2/20(日) 「トゥーランドット」 NHKホール
13:15 開場/14:00 開演
     第1部(第1幕・第2幕) ≪80分≫
        ┃
15:30 休憩 ≪30分≫
        ┃
16:00 第2部(第3幕) ≪40分≫
        ┃
16:40 終演(予定)

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アフターパフォーマンストーク開催![マリインスキー・オペラ]

「影のない女」演出家ジョナサン・ケントのアフターパフォーマンストーク決定!(2月12日)
ジョナサン・ケントが演出するマリインスキー・オペラの「影のない女」の大舞台の立て込みが始まっています!
このオペラは聴けば聴くほどにはまるし、観れば観るほどににたくさん語りたくなるような魔力をもったオペラですね。
そこで、嬉しいお知らせです!
2月12日(土)の「影のない女」上演後に、ジョナサン・ケント氏によるアフターパフォーマンストークが急遽決定しました!
実は、ケント氏は3月11日からACTシアターで上演される藤原紀香さん主演のミュージカル「マルグリット」の演出も今回の「影のない女」のチームとともに手がけています。
ちょうどそのお稽古で時を同じくして来日している合間を縫って、アフターパフォーマンストークを快諾してくれました。
唯一の機会となりますので、マリインスキー版の「影のない女」のここが知りたい!のトークにご期待ください。

2月12日(土)「影のない女」 16時開演 東京文化会館
終演予定時刻:20時20分
対象:12日の公演にご来場いただいた方(参加は無料です)
アフターパフォーマンストーク:20時30分〜21時00分(予定)

♪ジョナサン・ケント プロフィール (≪影のない女≫演出)
Kent.jpg オペラの演出を数多く手掛けており、主な例としては、≪ねじの回転≫≪妖精の女王≫(以上グライドボーン音楽祭)、≪テンペスト≫≪カーチャ・カバノヴァー≫≪ルチオ・シッラ≫≪フィガロの結婚≫(以上サンタフェ・オペラ)、≪トスカ≫(英国ロイヤル・オペラ)、≪我らが時代の子≫(イングリッシュ・ナショナル・オペラ)、≪エレクトラ≫≪影のない女≫(以上マリインスキー劇場)などが挙げられる。
 1990年には、イアン・マクダーミッドと共に「アルメイダ劇場」を常設のプロデューシング・シアターとして発足させ、以後12年間、同劇場の共同芸術監督を務めた。同劇場においては、≪王女メディア≫≪ハムレット≫≪ゲームの規則≫≪検察官≫≪ネイキッド≫ほか多数の作品を演出。その大半がブロードウェイやウエスト・エンドでも上演されている。また、アルメイダ劇場ゲインズボロ・スタジオでは、≪リチャード二世≫≪コリオレイナス≫を演出し、これらの作品を携えてニューヨークと東京へのツアーも行った。
今後のオペラ演出の予定には、≪ドン・ジョヴァンニ≫(グライドボーン音楽祭)、≪妖精の女王≫(パリ・オペラ・コミーク座ほか)などがある。
 尚、現在は主に以下の5名とチームを組んで、演出を手掛けている。
舞台美術:ポール・ブラウン
照明:ティム・ミッチェル
映像:スヴェン・オーテル、ニーナ・ダン
振付:デニ・セイヤーズ

ミュージカル「マルグリッット」公演詳細
ケント氏のユーチューブ

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プログラム間もなく完成![マリインスキー・オペラ]

マリインスキー・オペラ&特別コンサートの豪華公演プログラム 発売!
事前に入手も可能!(2月10日に発送) 
本文72ページ!
・音楽評論家の方々が綴る作品解説で作品をより深く理解できる!
・よくわかるあらすじに、観どころ・聴きどころが一目で分かる。
・知的好奇心をくすぐるエッセイ4本を収録。
・キャストプロフィール、舞台写真満載。
mariinsky2011.jpg

価格2,000円(夢倶楽部会員の方は1,800円)
2月12日より会場販売開始!

【お申込み方法】
宅配便でご利用の方(土・日の発送はございません)ジャパン・アーツに住所・氏名・昼間ご連絡できる電話番号・会員の方は会員番号(夢カードの16桁の番号)を明記の上、発送手数料500円と代金を現金書留でお送り下さい。 会員の方は、会員番号を必ずお書き添えの上お送り下さい。会員番号がない場合は割引が適用になりません。
宛先:
〒150-8905 渋谷区渋谷2-1-6
ジャパン・アーツ 「マリインスキー・オペラ2011 プログラム」係
※必ずマリインスキー・オペラとお書き下さい。

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2011年02月07日

ベルリオーズの大作!「トロイアの人々」[マリインスキー・オペラ]

berlioz.jpg 一度観てみたいと思いつつも、それが叶わないオペラがある。その代表的な例がベルリオーズの「トロイアの人々」であった。初演の時は一晩では上演出来ず、ベルリオーズが泣く泣く全体を2部に分けて上演したぐらいだ。ベルリオーズが最も力を入れた作品であるにも関わらず、上演に接する機会が極めて稀なのである。近年では1987年のリヨンにおいて第1部、第2部のフランス語完全初演が行われ、2003年のパリ・シャトレ座でも公演が行われた(一部カットがあったが)。その度に新聞紙面などでも大きな話題となるほどだ。
 有名なトロイア戦争と、破れた後のトロイアの人々を描く壮大な物語は、ベルリオーズの精緻なオーケストレーションによって、見事に現代に蘇る。ゲルギエフはこの大作を演奏会形式で昨年のカーネギーホールで上演した。そして今回の日本公演。たった1日だが、ついに生の音で「トロイアの人々」を聴く事が出来る。
 私はカーネギーホールの公演をチェックしていないので、ゲルギエフがどんな風に選曲をし、この重厚な作品をまとめあげたか分からないのだが、ともかく4時間ほどの公演になることは覚悟しなければならないだろう。しかし、この波乱万丈の物語を味わうのには、あっと言う間の時間かもしれない。
 ゲルギエフとマリインスキー劇場管による演奏は、常に完全燃焼だ。聴きどころ満載のこの作品では、特に管弦楽と合唱が大きな比重をしめているが、それもゲルギエフなら望むところだろう。歌手陣では将軍エネ(テノール)を歌うセミシュクール、預言者カサンドル(メゾ・ソプラノ)のフドレイ、カルタゴの女王ディドン(メゾ・ソプラノ)を歌うセメンチュクなど、ゲルギエフが信頼を置くマリインスキー劇場のスター歌手たちが並ぶ。会場はサントリーホールなので、オーケストラの作り出す音楽の魅力とこの歌手陣の歌声が圧倒的な力で迫ってくることだろう。
 この1日を逃すと、次に「トロイアの人々」に出会えるのはいつのことやら。そんな絶好の機会を逃す訳にはいかない。この歴史的な大作の真価に触れるのは今だ。

文:片桐卓也(音楽ライター)


≪マリインスキー・オペラ2011来日公演情報≫
トロイアの人々の詳細はこちら

[日程]
2011年2月12日(土) 16:00 東京文化会館 「影のない女」
2011年2月13日(日) 14:00 東京文化会館 「影のない女」
2011年2月14日(月) 18:30 サントリーホール 「トロイアの人々」日本初演!
2011年2月15日(火) 19:00 サントリーホール 「ワーグナーの夕べ」
2011年2月16日(水) 19:00 横浜みなとみらいホール 「ロシア音楽の夕べ」
2011年2月18日(金) 18:30 NHKホール 「トゥーランドット」
2011年2月19日(土) 14:00 NHKホール 「トゥーランドット」
2011年2月20日(日) 14:00 NHKホール 「トゥーランドット」
詳しい情報は公式ホームページへ
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2011年02月04日

プッチーニ、トゥーランドットのオリジナル・カクテル![マリインスキー・オペラ]

コラボ企画!ウェスティンホテル東京にて「トゥーランドット」オリジナル・カクテルを展開中。
ウェスティンホテル東京にて開催中のイタリアンセレブレーション期間中(2月1日〜2月28日)、「プッチーニ」とオペラ「トゥーランドット」にちなんだカクテルをお楽しみいただけます。

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左から:イタリアンセレブレーション、プッチーニ、トゥーランドット
各1,800円
22階「コンパスローズ」、1階「ザ・ラウンジ」、1階「ザ・バー」の3店舗でご提供いたします。
詳しい情報はこちらから

またウェスティンホテル東京ではオリジナル宿泊プランも展開中です。
詳しい情報はこちらから

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2011年01月31日

舞台神聖祝祭劇《パルジファル》[マリインスキー・オペラ]

wagner.jpg 聖杯、聖槍、共苦―  ワーグナー本人が「舞台神聖祝祭劇」と名づけた《パルジファル》にはさまざまな象徴物や宗教的なメッセージがちりばめられている。だが、その意味をあれこれ考える前に、まずは無心に音楽に身を浸してみてはいかがだろう。お聴きいただく第3幕にはすべての理屈を越えた救いの調べが流れている。とりわけ、その中心に位置する〈聖金曜日の情景〉はワーグナー最晩年の到達点と言ってもよい。かつての愚者パルジファルが、「共苦の心によって悟りを開く」という予言のとおり、救いの徴である聖なる槍を携えて戻ってきた。世界の苦境と荒廃を表すような寂れた冬枯れの野に今や自然が蘇り、花が咲き匂う。寡黙な主人公と言葉を失った宿命の女クンドリーに代わって、聖金曜日の奇蹟を雄弁に言祝ぐのは老騎士グルネマンツ。神の恩寵を告げるバスの慈しみあふれる深々とした声を、壮麗なオーケストラが歌心いっぱいに彩ってゆく……。
 このとき、私たちも登場人物とともに、救いと癒しへの長い道のりを歩んできた感慨を味わうだろう。それも、ここに至る音楽の流れがあってこそだ。弦楽器中心のくぐもった響きと半音階のうねりでパルジファルの迷いと苦悩の旅路を描く〈前奏曲〉。やがて、雪融けを思わせるように柔らかい調べが涌き出し、光がしだいに射しこんでくる……。響きそのものがいわば、乾いた砂に水が沁みこむように、渇いた聴き手の心を潤し、頑なにこわばり閉ざされた利己心を柔らかく解きほぐして、外の世界に開いてくれるのである。
 こうして私たちは春の沃野から聖杯寺院の中に導き入れられることになる。抒情的な前半とは打って変わって、後半は劇的な展開がきわだっている。大伽藍に鳴り響く鐘の音が警報のごとく聖杯騎士団の苦患を伝える場面転換の行進曲。自らの死を願う聖杯王アムフォルタスのモノローグ。そしてすべてが行き詰まったところで、パルジファルが登場して、自らの聖杯王即位と世界の救済を宣言し、ドラマは大団円を迎えるのである。この第3幕、女声の歌は皆無に等しいが、前半をもっぱらリードする福音の語り部グルネマンツ、後半の独白で柔らかな嘆きから頑なな絶望と挑発の表現へと声を高めるバリトンのアムフォルタス、そして自らの心を覗き込むような前半の内省的な呟きと後半の毅然たる凛々しさの歌い分けがきわだつテノールのパルジファルというように、低音を軸にした声の饗宴は男声好きにはこたえられないだろう。さらに忘れてならないのは合唱とオーケストラ。とりわけ幕切れまでの後奏では、夢幻の味わいを醸す合唱ともどもオーケストラも目くるめく転調を重ねながら、高みに登りつめてゆく。このとき舞台では槍によるアムフォルタスの傷の治癒、光を放つ聖杯、平和の象徴として天井から舞い降りる鳩など、次から次へと奇蹟の光景が現出するのだが、視覚的な要素がなくとも、光彩陸離たる万華鏡のような響きが十分にこうした神秘を描きつくしてくれるはずだ。

文:山崎太郎 東京工業大学 教授


≪マリインスキー・オペラ2011来日公演情報≫
ルネ・パーペが出演!
パルジファルの公演情報はこちら

[日程]
2011年2月12日(土) 16:00 東京文化会館 「影のない女」
2011年2月13日(日) 14:00 東京文化会館 「影のない女」
2011年2月14日(月) 18:30 サントリーホール 「トロイアの人々」日本初演!
2011年2月15日(火) 19:00 サントリーホール 「ワーグナーの夕べ」
2011年2月16日(水) 19:00 横浜みなとみらいホール 「ロシア音楽の夕べ」
2011年2月18日(金) 18:30 NHKホール 「トゥーランドット」
2011年2月19日(土) 14:00 NHKホール 「トゥーランドット」
2011年2月20日(日) 14:00 NHKホール 「トゥーランドット」
詳しい公式ホームページへ
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2011年01月28日

グレギーナ、ガルージンの「トゥーランドット」[マリインスキー・オペラ]

ゲルギエフ指揮 マリインスキー歌劇場管弦楽団「トゥーランドット」(7/2 サンクトペテルブルグ)
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 圧倒的なトーランドット、精悍なカラフ、強靭でドラマティックなオーケストラ……すべての「強度」が完璧に溶け合い、最高のプッチーニ・オペラが実現されていた夜。歌手とマエストロの至芸に、これほど胸を打たれたことはなかった。そして、舞台とピットにいた音楽家全員が、この物語と音楽を心から愛していた。そのエネルギーの総和が、爆発物のような炎となって観衆を驚かせたのだ。大きな衝撃は、白夜という非日常的な体験もあいまって、しばらく耳から離れなかったほどだ。
 トゥーランドット役のマリア・グレギーナは、現在この「悪女」を歌わせたら右に出るものなしのハマリ役で、METを始め、スペインやドイツでも、複数の演出家のもとでトゥーランドットを歌っている。ゼッフィレッリ版で歌う彼女を、METのステージ映像で見たとき、華麗な高音とカリスマ的な存在感に驚いたが、マリインスキーでの生の歌声は想像を超えていた。強靭で鋭く、垂直にたちのぼり、その余韻はホール全体を豊かに包む。グレギーナ自身が「わたしの声は、三階席の一番後ろで聞くと一番よく響くのよ」と語っていたが、とにかく声の輪郭が他のソプラノより並はずれて大きいのだ。音域によってムラもなく、高音域のみならず、低音域でもジワジワとトゥーランドットの「凄み」を伝えてくる。まさに、本物のトゥーランドット!
そして、疲れを知らない! 一体どういう体力と精神力の持ち主なのだろう? トゥーランドットが祖先の悲劇を語る「この宮殿で」の幽玄な表現力はもちろん、凄かったのは、求婚者カラフに「三つの謎」を問うシーンだ。ソプラノにとっては緊張と苛酷さを最高度に強いるこのシーンで、グレギーナは全く揺らがなかった。余裕さえ感じさせるカラフへの「問い」の場面は、この夜のハイライトのひとつだった。
 対するカラフ役のウラディーミル・ガルージンは、脂の乗り切ったグレギーナに相応しいドラマティック・テノール。昨年のボリショイ・オペラでの狂気に満ちたゲルマン役(「スペードの女王」)が記憶に新しいが、プッチーニ・テノールとしても全てを兼ね添えていた。「泣くな、リュー」「誰も寝てはならぬ」などのハイライトでは、とにかく満場を瞬時に魅了してしまう。声楽的にはもちろん、演劇的な「ひらめき」があるのだ。精悍でロマンティックに甘さも感じさせる「誰も寝てはならぬ」は、この歌を格別に楽しみにしている観客にとっても、100%満足のいくものだったと思う。ラスト近く、動揺して威厳を失うトゥーランドットに、急にキスをするシーンもドキドキするほどよかった。
 『トゥーランドット』には、極端に古いものと新しいものが混在している。歴史設定としての「昔昔の中国」という「古さ」と、プッチーニの遺作に遺された和声的・構造的な「新しさ」だ。考古学的な時間と、未来的・モダニズム的な時間を、ゲルギエフは見事に融和し、音響化していた。実際、あまりに自然で素晴らしい音楽なので、心は自然に物語に集中してしまう。何より「書かれた物語」としての『トゥーランドット』に、ゲルギエフは深い愛着を持っているように思えた。『ボリス・ゴドゥノフ』や『戦争と平和』同様、オペラはしばしば「伝えなければならない物語」を伝える媒体の役目を果たす。トゥーランドットの音楽的な喜悦感は、ただ快楽的に流れるのではなく、しっかりとした「根」によって碇を下ろされていた。
 ラストシーンは、かつてゲルギエフがザルツブルクで採用したルチアーノ・ベリオ版ではなく、ハッピーエンドを強調するアルファーノ完全版が使われ、竜を思わせる華麗なヴィジュアルが美しい効果をもたらしていた。「竜」とは生命の輪廻と、永遠の繁栄をシンボライズしたもの。王子を受け入れ「愛」を選んだトゥーランドットに相応しい、祝祭的な喜びの場面だ。このように、終始一貫して音楽の邪魔をせず、的確なイメージで舞台に雅やかさをもたらしていた演出も、とても納得のいくものだった。

文:小田島久恵

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2011年01月24日

連載(4)「文学が音楽にもたらすもの」[マリインスキー・オペラ]

連載(1)「文学が音楽にもたらすもの」
連載(2)「文学が音楽にもたらすもの」
連載(3)「文学が音楽にもたらすもの」



 音楽と文学の関係をヨーロッパにおいて辿るとすれば、それは必然的に教会、そして聖書へと行き着く。キリスト教は歌う宗教であった、といわれるように、識字率もかなり低かった当時の世界で、信仰は音楽のかたちで教会に、そして市井に響いていった。バロックの器楽が、声楽伴奏から独立したかたちで、楽器の声を自律的に響かせるようになったときも、それは言葉の痕跡をとどめるものだった。器楽はまず、歌われる言葉とともにあり、そこから歌詞のない声を歌いあげるようになった。つまりは、レトリックこそが音楽であった。
 マルティン・ルターが聖書のドイツ語訳を手がけ、それは近代ドイツ語の創始に繋がったが、16世紀の宗教改革を推進したかの偉才は、音楽をこよなく愛し、自ら作詞作曲を手がけて讃美歌を普及させた。プロテスタントの礼拝では、聖書が朗読され、説教で注釈が施され、人々は歌をうたってそれに応えた。ラテン語ではなく、ドイツ語で書かれたルターの教会歌は、ドイツ・コラールの源流となった。そして、教会カンタータは、レチタティーヴォふうに行われていたに聖書朗読、そして教会歌の多様な編曲をそのルーツとしている。そこへ18世紀に入る頃に登場するのが、ヨハン・ゼバスティアン・バッハである。
 バッハは1685年にアイゼナッハで生まれ、聖ゲオルク教会で洗礼を受け、同教会附属ラテン語学校で学んだ。それはルターが在籍した学校でもあった。バッハは当然のように、ルターの著作を読んでいた。膨大な教会カンタータを挙げるまでもなく、バッハの音楽はルターにもとづく文学にその発想のひとつの根源をおいていたといっていい。
 さて、ここからバロックから古典派のオペラ、ロマン派の歌曲、さらに現代へと大きく流れを下っても、ヨーロッパの伝統からみれば、文学はつねに音楽に先立ってきた。民謡や労働歌にしても、かけ声などがそのまま節をつけて歌われるようになったものがほとんどだろう。それは、ヨーロッパにかぎらず、アジアの声明なども同じで、ちょうど聖書の朗読がレチタティーヴォを発展させたように、経文の朗誦が音楽となっていった。
 私たちの同時代をみても、芸術歌曲の創作の多くは、詩を手がかりに、その言葉を音楽化するように成立しているように思える。しかし、ポピュラー音楽のソング・ライティングについては、「音楽が先か、詞が先か」というのはよく問われることでもある。現在の日本のヒット・ソングに関していえば、メロディーがあり、リズムが決まり、アレンジが整ったところで、そこに言葉を付していくスタイルの創作が、実のところ圧倒的に多いようだ。流行のサウンド・デザインに、言葉を乗せて歌うというようなことが、作詞作曲を同じ作家が手がける場合であれ、分業で作詞作曲が行われる場合であれ、頻繁に起こっている。音楽にふさわしい言葉が選択されるのは、映像に音楽が付されるのと似たような成り立ちといえるだろう。結果としてどちらが前面に立つか、有機的に共存するかはさておき、言葉は音楽の意匠にあわせて編集される。そのほうが効率的な面もあるのだろう。
 しかし、すぐれた欧米のソングライターは、言葉から発想する作家が圧倒的に多いのではないか。ディヴィッド・フォスターが松本隆に語ったところでは、欧米では歌詞がつねに先に書かれ、音楽に合わせて歌詞をつけることはまずないという。
 現代日本のポップ・ソングは、もともと日本語から由来して旋律化したり、固有のリズムを導き出したりしたものではないがゆえに、音楽の服に言葉が身体を合わせるようにして、おしゃれを可能にしてきたのかも知れない。それは、滝廉太郎の歌曲の抑揚からみてもそうだ。その後に日本語固有の響きを探った、すぐれた作曲家や作詞家たちの果敢な創作は、やがて商業音楽のフィールドとは乖離してしまった。言葉に内在する、あるいは同期する音楽を歌うことから発したソングは、そうして言葉の力を弱めていく。先行するのが言葉の劇性や意志ではなく、情緒であることは潜在的な奥深さにも繋がるはずである。そうして詞と曲が全体として文学たり得るものであればよいのだが、多くの場合はしかし、言葉の意匠が音の衣装に追随することになった。
 さて、この2月に、ゲルギエフとマイリンスキー・オペラが体現する大規模な芸術は、ちょうど18世紀と21世紀の中間に位置する時期の意欲作ばかりである。音楽が文学を激しく求めていた時代の莫大な財宝といってもいい。ドイツ、フランス、イタリア、ロシア――それぞれの自国の言葉で謳歌された神話世界では、文学の言葉が音楽の言葉でさらに劇性を高めている。マリインスキー劇場が230年もの歴史を誇るといえば、バッハが亡くなって30年後から現在までの歳月を生きているということである。壮大な愛の物語をめぐる、その圧倒的な力と情熱をまえに、現代の私たちはなにを受けとることになるのだろう。


文:青澤隆明(あおさわ・たかあきら)
1970年、東京生まれ、鎌倉に育つ。音楽・文学をめぐる執筆、企画構成のほか、コンサートなどのプロデュースも多く手がける。「北海道新聞」「レコード芸術」「音楽の友」「音楽現代」「ミセス」ほかに寄稿。


≪マリインスキー・オペラ2011来日公演情報≫
2011年2月12日(土) 16:00 東京文化会館 「影のない女」
2011年2月13日(日) 14:00 東京文化会館 「影のない女」
2011年2月14日(月) 18:30 サントリーホール 「トロイアの人々」日本初演!
2011年2月15日(火) 19:00 サントリーホール 「ワーグナーの夕べ」
2011年2月16日(水) 19:00 横浜みなとみらいホール 「ロシア音楽の夕べ」
2011年2月18日(金) 18:30 NHKホール 「トゥーランドット」
2011年2月19日(土) 14:00 NHKホール 「トゥーランドット」
2011年2月20日(日) 14:00 NHKホール 「トゥーランドット」
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2011年01月21日

トゥーランドットのオリジナル・ネイル![マリインスキー・オペラ]

ネイルクイックの“トゥーランドット”をイメージしたオリジナル・ネイル。
皆さん、お試しになられましたか?
早速、プロジェクト・チームの女性スタッフが行きました!
Nail_5587.jpg
上品で素敵ですね!

bnr_nailquick.jpg
▲中央、インフォメーション欄から詳細をご覧下さい。

nail_turandot.jpg
ストーンでトゥーランドット姫の豪華な冠をイメージした
オリエンタルでゴージャスなネイル!
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2011年01月20日

連載(3)「文学が音楽にもたらすもの」[マリインスキー・オペラ]

連載(1)「文学が音楽にもたらすもの」
連載(2)「文学が音楽にもたらすもの」

 さて、ベルリオーズはシェイクスピアを敬愛していたが、その戯曲は史劇にかぎらず、歴史的な意匠をもつ人物に、彼の同時代人の相貌を鮮やかに映し出すものだった。もちろん、普遍的な文学であれば、それは当然とも言えるが、演劇は社会装置のひとつでもあり、当代の風刺や批評の磁場であるがゆえに、自ずと当時の社会情勢や生活環境、流行した言説や風俗が、時事的にアップデイトされたかたちで随所に採り込まれる。そうして、観客の関心を、自らの時代に向けさせることで、非日常の劇空間は日常の祝祭たり得るわけだ。聴衆は歴史の鏡に安心して自らを投影し、その適度の距離が物語的想像力を育むことになる。
 トロイの木馬から少し離れて、シェイクスピア晩年の劇作とされる『テンペスト』を例にとってみよう。後世の音楽家の想像力を大きく掻き立てたあの傑作である。「海上の船」、「孤島」がその舞台であり、その島は妖精や魔女の子も含めて、魔術師プロスペローの術が支配している。難波してその島に着くのは、ナポリ王とミラノ公の一行である。権力闘争や人間の暴力は、いつの世も変わらない。この作品が晩年の作とされるのは、題材的にみれば、1609年のバミューダ島での遭難の記録が翌秋にいくつか出版されたことが、難破の題材へと劇作家の想像力を掻き立てた、という見解によるところが大きい。この作品は嵐の描写を含めて、当時の人々の関心が高かったこの遭難と新世界への期待、さらに魔術に寄せる当世の関心の高さを、シェイクスピア一座は巧みに採りこんでいる。
 さらに、老顧問官ゴンザーローが披露する理想郷のイデアは、1603年に英訳が出たモンテーニュの随想「食人種について」の影響によるものとみなされるが、これは作中で他の登場人物から皮肉られている。しかし、自然と文明、新世界や魔術に対する当時の関心が、この島をめぐる物語の社会的背景となっていることは確かだ。
そうして、ナポリ王一行と魔術の島の物語は、エリザベス朝の人々を、空想の舞台だけでなく現実の関心としても捉えていたわけである。寓話の色彩をもちながらも演劇空間は、社会と共振する文化装置であり得た。演劇は広場から始まったと言われるように、そもそも人々の集まる場所に現前したアクティヴな表現であった。オペラがいかに神話的な世界にキャンパスを広げようと、歌い手はまぎれもない人間であり、合唱は多く群集の象徴である。そして、それは聴衆の喜びと関心にひらかれている。
 総合芸術としてのオペラの前衛性は、その古典的な題材と意匠のうちに、当時そして現代においても普遍的な命題を、今日的に象徴しているところにある。だとしたら、ここに披露される大それた物語の懐は、その巨大さゆえに、いまもって私たちを渾然と包みこむに足るものだろう。

文:青澤隆明(あおさわ・たかあきら)
1970年、東京生まれ、鎌倉に育つ。音楽・文学をめぐる執筆、企画構成のほか、コンサートなどのプロデュースも多く手がける。「北海道新聞」「レコード芸術」「音楽の友」「音楽現代」「ミセス」ほかに寄稿。
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2011年01月18日

リストランテASO×山本益博とのコラボ企画![マリインスキー・オペラ]

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マリインスキー・オペラの来日を記念して、ミシュラン二つ星の名レストラン・リストランテASOの阿曽達治シェフが、この日のための特別ランチメニューをご提供。
オペラへの造詣も深い料理評論家・山本益博氏が、「トゥーランドット」を中心に、オペラの楽しみ方を軽妙にトークする、何とも贅沢なランチタイムをお楽しみいただけます!

日時:2011年2月4日(金)11:30〜14:00
場所:リストランテASO(東京都渋谷区代官山)
締切り:1月31日(月)

内容・お申込みはこちらから

山本益博(やまもとますひろ)
1948年(昭和23年)東京生まれ。料理評論家。
2001年、フランス政府より「農事功労勲章シュヴァリエ」を受勲。
モットーは「美味しいものを食べるより、ものを美味しく食べたい」
大学の卒論が昭和の名人と呼ばれた落語家桂文楽の評伝で、評論の対象は料理のほか、音楽、スポーツと幅広い。
「音楽で逢いましょう」や「ロマネ・コンティとモーツァルト」などのエッセイもあり、最新刊は「イチロー勝利への10ヶ条」。

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連載(2)「文学が音楽にもたらすもの」[マリインスキー・オペラ]

 これらの歌劇の舞台はすべて昔のことだが、国民主義のロマン派音楽が高揚するのは、諸国が戦争に向かう時代の空気と同調している。神話伝承や民謡に民族や国民のルーツを探るのは、そのアイデンティティが脅かされていることの反照にほかならない。そして、物語の愛は決まって死という極限状況により、いやおうなく高められるものである。
 装置としての劇空間は、壮大をきわめて神話的だ。ということはつまり、現世的な、つまり同時代な制限をもたずに、堂々と壮麗に音楽を描き、人間心理の劇を突き詰めることができる。そのようにして、大作曲家たちは、文学的な象徴性という意味で、空前のスケールの叙事的な舞台をもつことで、激動する時代の人間の叫びや本質的な命題を、深く強烈に探り出そうと試みた。
19世紀から20世紀への転換期に書かれたこれら壮大な歌劇は、もちろん旧時代の舞台設定で、往時を懐かしんでいたわけではない。そこには、時代の聴衆たちが、関心を逸らすのではなく強く向けるべき生々しい人間の劇があった。そして、それはオペラという極度に誇張された演劇装置であるがゆえに、その巨大な叙事詩のスクリーンに、いつも愛と死、そして人間の選択の問題について、近代を生きる個々人の心理を投影していた。それは、現代においても、本質的には変わらない人間の心理と真実を追究するものであるだろう。
 しかし、それはなにも近代の大作曲家のオペラにかぎったことではない。ギリシャ悲劇からしてすでに、その題材はギリシャ神話の世界によっていたのだから。
 三大悲劇詩人のひとりとされるアイスキュロスが紀元前428年に上演したとされる三部作『オレステイア』は、ギリシャ神話上の大戦争、トロイア戦争の英雄であるギリシャ軍総大将アガメムノーンの帰還から始まる。ギリシャ演劇は神話世界をテーマに展開したし、紀元前8世紀末の吟遊詩人ホメーロスによって成立したと想定される『イリーアス』と『オデュッセイア』はそれ以降も大きく西欧文学の想像力の源泉となった。
 紀元前1世紀、古代ローマ最大の詩人ウェルギリウスの遺稿とされる『アエネイス』は、『イリーアス』と『オデュッセイア』に範をとった壮大な叙事詩で、ラテン文学の最高傑作とみなされる。ダンテが『神曲』で、自らの詩のルーツと称えるのが、かの師ウェルギリウスその人である。ベルリオーズが『トロイアの人々』を作曲するのは、1856年から58年のことだ。「トロイアの占領」、「カルタゴのトロイ人」の二部の台本は、ウェルギリウスの叙事詩『アエナイス』にもとづき、作曲家自身がフランス語で書いている。全曲初演はしかし、まずドイツ語で、それから英語の版がフランス語に先立った。いずれにしても、その神話世界は、ギリシャ、ローマの古典語から、西ヨーロッパの言語で捉えなおされ、ベルリオーズ渾身の音楽がそれを堂々と19世紀末に響かせることになった。

文:青澤隆明(あおさわ・たかあきら)
1970年、東京生まれ、鎌倉に育つ。音楽・文学をめぐる執筆、企画構成のほか、コンサートなどのプロデュースも多く手がける。「北海道新聞」「レコード芸術」「音楽の友」「音楽現代」「ミセス」ほかに寄稿。

連載(3)「文学が音楽にもたらすもの」[マリインスキー・オペラ]
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2011年01月13日

連載(1)「文学が音楽にもたらすもの」[マリインスキー・オペラ]

 『影のない女』、『トロイアの人々』、『パルジファル』、そして『トゥーランドット』。ワレリー・ゲルギエフ率いるマリインスキー・オペラが、年明け2月中旬の一週間、東京で現出させるのは、まさに多様にして壮大な劇空間である。リヒャルト・シュトラウス、ベルリオーズ、ワーグナー、プッチーニが渾身の力で描いた神話的世界が、ゲルギエフとマリインスキー・オペラの壮大な情熱によって響き出すわけだ。彼ら大作曲家たちは、これらの作品で、自らの時代よりも、はるかに古典的な物語の劇世界を求め、そこから当代きっての尖鋭的な音楽を創出した。
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 神話や伝説はつきせぬ象徴と暗喩に充ち、そこにはさまざまな解釈の余地がある。古典を読み解くのは、解釈の伝統とともにそれぞれの時代の読みによるわけで、だからこそ、いつまで普遍的ななにかがその表面に明滅する。言ってみればこれらのオペラは、題材的には時代劇よりもさらに古い意匠を纏うが、音楽の表現がその心理や劇性を新たに読み解くことで、彼らの同時代にとって切実な訴えかけを行っていたわけだ。古典劇の現在的演出は今日でもさかんに行われるが、その演出の最重要部分を、最先端の音楽語法が担っていたということになるのだろう。
 実際のところ、オペラの舞台設定の読み替えは昨今も流行のひとつとなっているが、ときにそれは過剰に前面に立って、音楽とのバランスを欠くことにもなりがちである。しかし、ゲルギエフとマリインスキー・オペラが舞台美術とともに上演する『影のない女』も『トゥーランドット』も、正攻法で作品の壮大な物語に強く肉薄していくはずだ。
 それにしても、あっけにとられるくらいに、空前のスケールをもつ歌劇ばかりである。
 リヒャルト・シュトラウスは、ホフマンスタールの象徴性に充ちた寓話劇に挑み、霊界の王の娘と人間界の皇帝の結婚をめぐる愛の物語を描いた。シェイクスピアを敬愛するベルリオーズは、ウェルギリウスの詩にもとづき、ギリシャ神話をベースに国家の存亡と個人の愛を大叙事詩に謳いこむ。ワーグナーは、中世スペインの騎士団へ想像力を飛ばし、キリスト教の聖槍と聖杯の伝説を内包した「舞台神聖祝典劇」を最後の楽劇として遺す。プッチーニは、古の北京へと想像力を馳せて、舞台をオリエンタルな趣味に彩り、究極の愛について問いかける。
 さらに、「ロシア音楽の夕べ」では、リムスキー=コルサコフの『ムラーダ』、ムソルグスキーの『ボリス・ゴドゥノフ』、ボロディンの『イーゴリ公』からの名場面が、チャイコフスキーの序曲「1812年」、ショスタコーヴィチの第5交響曲とともに披露される。『ムラーダ』は、はるか昔のレトラの町を舞台に、王子と謀殺された婚約者のムラーダ姫が永遠の愛で結ばれるまでの物語である。『ボリス・ゴドゥノフ』はプーシキンの戯曲にもとづくムソルグスキーの台本で、16世紀末から17世紀初頭、ロシア動乱の時代の皇位継承をめぐる権力抗争をテーマにしている。『イーゴリ公』は、スターソフの原案にボロディン自身が台本を書いて、12世紀末キエフ公国分裂時代に遊牧民と戦う愛国の士を描いた。いずれも歴史的な、あるいは寓話的なスクリーンに、壮大な人間の劇を映し出している。

文:青澤隆明(あおさわ・たかあきら)
1970年、東京生まれ、鎌倉に育つ。音楽・文学をめぐる執筆、企画構成のほか、コンサートなどのプロデュースも多く手がける。「北海道新聞」「レコード芸術」「音楽の友」「音楽現代」「ミセス」ほかに寄稿。

連載(2)へ 「文学が音楽にもたらすもの」

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2011年01月12日

ネイルクイックのオリジナル・ネイル![マリインスキー・オペラ]

ネイルクイックとのタイアップ企画!
トゥーランドットのをイメージしたオリジナル・ネイルを展開中!
bnr_nailquick.jpg
▲中央、インフォメーション欄から詳細をご覧下さい。

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オリエンタルでゴージャスなネイル!

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2011年01月06日

タイアップ企画続々![マリインスキー・オペラ]

マリインスキー・オペラ来日公演を記念して様々な企業とのタイアップを予定しています。
公演前に気分を盛り上げてみては?

【ウェスティンホテル東京】
http://www.westin-tokyo.co.jp/stay/plan/p00602.html
ウェスティンホテル東京ではオリジナルの宿泊プランを展開中!
エグゼクティブルームに宿泊、バックステージツアー付き。

【ディオニー】こだわりの厳選ワインを輸入!
本物のオペラに心酔しませんか?
http://www.diony.com/201012/1051.html
▼共同でフライヤーを作成!▼
diony.jpg
首都圏の酒販店、料飲店で配布中です。

【ネイルクイック】
トゥーランドットをイメージしたオリジナル・ネイルを展開中!

今後も様々な企業とのタイアップを企画中!
お楽しみに!
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2010年12月24日

“『影のない女』の魅力を探る”日本R.シュトラウス協会例会のお知らせ[マリインスキー・オペラ]

2011年マリインスキー・オペラの来日公演「影のない女」に先立ち、日本リヒャルト・シュトラウス協会が講演会を実施いたします。

日本リヒャルト・シュトラウス協会第143回例会
日 時 : 2011年1月15日(土)19〜21時
会 場 : 東京文化会館4階 大会議室
内 容 : シンポジウム−『影のない女』の魅力を探る
       〜『影のない女』に登場する女性心理を中心に〜
出 席 : ひのまどか(音楽作家) 田辺秀樹 (ドイツ文学)
司 会 : 広瀬大介 (音楽学)

※シュトラウス協会会員の例会ですが、協会会員以外の方にもご来場いただけます。
その場合会場にて協会年誌(2,000円)をお買い求め頂きます。
問合せ:日本リヒャルト・シュトラウス協会/TEL:03-3479-2593  (平日 午後1時〜5時)
Eメール:japanrs@tkk.att.ne.jp

詳しくは⇒ http://home.att.ne.jp/apple/r-strauss/news.htm

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2010年12月21日

マリインスキー・オペラ・ニュース2が完成!

マリインスキー・オペラ・ニュース2が完成!!
先日、記者会見を行ったゲルギエフが、公演の演目や出演者について魅力を大いに語りました。
▼下記画像をクリックするとPDFで内容をご覧いただけます。▼
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2010年12月08日

ゲルギエフが厳選!?[マリインスキー・オペラ]

発売元のキングインターナショナルから「パルジファル」が発売されました。
購入者の中から抽選でキングインターナショナルよりプレゼントが発送されます。
その抽選になんと、先日来日をしていたゲルギエフが3名様を厳選しました!
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本年2月の来日公演での「パルジファル」第3幕(コンサート形式)に先がけてこのCDを聴いていただければ、本公演への期待がますます高まることは間違いありません。
キングインターナショナル
公演情報
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